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英住宅市場について

全く為替とは関係ない記事になりますので、興味のない方はスルーして下さい 

実は私の自宅の斜め前の家がとうとう売れました!

この家には2005年冬まで80代後半の老夫婦が2人で住んでいたのですが、とうとう階段の上り下りが難しくなったので医者が常任しているマンション形式の老人ホームへ移ることに決め、家の売却を決意しました。その家を買ったのが、この地域に住む個人の不動産ディベロッパー。2005年当時の英景気は飛ぶ鳥を撃つ勢い  でしたので、老夫婦が引っ越すや否な、工事関係者が改装工事に取り掛かりました。老夫婦がこの家に引っ越してきたのが終戦直後。それから全く手を加えていなかった家だったので、電気線の全取替えなど本当に気の遠くなるほどの改装作業が待っていました。

しかし工事が始まって半年くらいでしょうか?工事が突然中断され 、家の廻りには金網が張られたままで放置されました。近所の噂ではディベロッパーの資金が底をつき  工事の中断を余儀なくされたとのこと。そしてその直後に米サブプライム問題が発覚しリーマン・ショック  と続きました。その間、その家は金網が張りめぐされたまま、放置されていたことは言うまでもありません。

ところが2010年早々、突然また新しい工事関係者が家の改装に着手したのです。今度こそは完成か!と思ったのですが、またしても3ヶ月くらいで中断 、 金網が張られて置き去り状態。相当資金繰りが苦しかったのでしょう 

昨年の年明け早々、見たこともない工事関係者がまたしても突然改装工事に取り掛かりました。ある日、工事をしてるお兄さんと立ち話をしたら、アルバニア人でした。材料費や人件費の値上げは著しいので、少しでも人件費を節約するためにポーランド人や東欧からの出稼ぎ労働者を雇うことは今では当たり前になっていますが、アルバニア人かよ.... でも腕は確かのようです。3度目の正直で、工事は昨年秋に完成 。素晴らしい家に改装されました。

ここで驚きの出来事  が起きたのです。それはディベロッパー氏は市場価格の50%増しの’’とんでもない売値’’でこの家を売りに出したのです。

英国の不動産市場は郵便番号別に「ある程度の価格帯」が把握でき、そこから今度は各通り(Street)ごとに「価格帯上限」が設定されます。もちろんこの「上限」は目安なので、’’絶対’’ではありません。
しかしほとんどの不動産屋が弾き出す不動産物件の評価額は、この「最高価格帯上限」よりも低くなるのが普通です。買う人も必ず不動産屋さんにその通りごとの適正価格を聞きますから、とんでもない価格で売りに出ている欲張り物件は、買い手がつかないのが普通です。

上限を5割増しで売りに出したこのディベロッパー氏に対し、近所でも「どんだけ欲張り?」 と噂していたのですが、やはり待てど暮らせど売れる気配なし 。 ところが売りに出して約半年たった先週、突然その家の前に’’売却完了(SOLD)’’の立て札が立ったのです 。つまり驚きの5割り増しの売値  でその家を買った人が出てきたという事になります。



この驚きの事実から2つの仮説が立てられます。

1)この家があれだけの高価で売却されたので、うちの前の通り(Street)の「価格帯上限」が思いっきり引き上げられた
2)この物件を買った人は、単なるアホ 。 若干価格帯は上がるかもしれないが、5割り増しには絶対にならないであろう

*イギリスの不動産市場動向

昨年の不動産市場に関する数字だけを並べますが、
・歴史的低金利 (=住宅ローン金利も低い) にもかかわらず、2011年の不動産物件購入件数は27年来の低さ 
・2011年の住宅ローン申請数は2008~2009年に英国を襲った不動産スランプ時期(住宅価格が20%程度下落)よりも低かった

そして、RICS(英国王立不動産鑑定士協会)が発表した「2012年1月現在の不動産市場動向」報告書によると

・1月の不動産物件売買状況を見ると、不動産購入者の数が前月比12%増となっている
・今年3月25日に不動産購入時に支払う印紙税の変更が起こる前に、25万ポンド以下の安い物件を購入する人が増えた
・不動産鑑定士によると、今後3ヶ月に購入者数は19%程度増加が見込めると予想
・不動産価格の下落により売却時期を待っていた人達が一斉に物件を売りに出す可能性が高まったとも言え、住宅価格は一旦需給関係で落ち込む可能性もある

RICS住宅価格 2012年1月
このチャートは 「ここから住宅価格が上昇すると思う」 から 「下落すると思う」 を差し引いた差をグラフにしたものです。これを見ると、ロンドン以外の全ての地域で 「ここから住宅価格は下落する」 と思う人が多いのがわかります。

平均不動産価格
これは住宅ローン最大手のハリファックス(赤線)とネーションワイド(青線)が発表する「英国の平均住宅価格」の推移を表したグラフです。これを見る限り、2007年に天井をつけてから下落、その後 揉み合いが続いているのが判ります。まぁ冷静に考えてみれば、この20年間で平均住宅価格が4倍になっていることを考えれば、揉み合いが続いて当然かもしれません。

英住宅価格と所得との比率
次々とチャートを並べて申し訳ありません  が、これは「所得と住宅価格との比率」を表したものです。簡単に言ってしまえば、現在の住宅価格は所得の何倍するのか?というもの。チャート上に横線が入っていますが、それは「4.0倍」  つまり過去平均では、不動産価格は普通の人が受け取る年間所得額の4倍が妥当な線であるという目安  しかし今世紀に入ってからは、所得の4倍で買える家なんかほとんどみかけなくなり、とうとう6倍を越えるところまで  行き着きました。現在5倍くらいまで低下していますが、それでも過去平均の4倍よりも高い。そして一般的なロンドン物件は5倍で買えるなんて夢だと思います。

*ここからの英不動産市場動向

いろいろなシンクタンクや住宅ローン会社がそれぞれの見解を発表していますが、大雑把にまとめると、2012年の動向に関しては平均すると2%の下落~2%の上昇の間にすっぽりはまるという予想が一番多いです。注目すべき点  は、価格の下落予想が徐々に底上げされているところかな?と思います。昨年までは10%とか15%とかの価格下落予想は当たり前でしたが、今年はせいぜい5%の下落止まり。

うちの斜め前の家を買った人が、単なるアホ  だったかどうかはあと5年くらいしないと答えが出てこないのかもしれません。しかし徐々に英不動産市場も底打ち宣言をする段階に差し掛かったと見てもよいのかな?と大雑把に思いました。


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[ 2012/03/02 21:33 ] 経済 | TB(-) | CM(0)

ギリシャ救済資金一部遅延

おはようございます  昨日の日中は春を思わせる暖かさに恵まれましたが、本日より週末に向けて例年通りの気候に逆戻り 、週末はかなり激しい雨  となるそうです。昨年と今年にかけて英国は深刻な水不足に悩まされており、とうとう今年の夏は給水制限がひかれるかもしれない  と警告  が出ました。丁度ロンドン・オリンピックに重なる時期なので大丈夫なのかな?  と心配です。ロンドンに住んだことがある人でしたら分かりますが、ロンドンの天候というのはいつもシトシト雨が降っているというイメージが強いし、実際そういう天候が多いのですが、過去2年間のロンドンの降水量は、オーストラリアのシドニーの半分以下まで減少  してしまったそうです。逆に考えると、シドニーってそんなに雨が多いのか?

*ギリシャ向け第2次金融支援、一部遅延

もうこのブログでも何度も書いた内容なので、書いてる私自身が飽きてきたのですが 、昨日開催されたユーロ圏財務相会合の席で ギリシャ向け第2次金融支援 1300億ユーロの支払い方法が話し合われました。

FT一面 
これは本日の英FT紙一面ですが、ここにも書いてあるとおり支援金の半分程度の支払いは予定よりも遅れる模様。

*遅延理由

1300億ユーロにのぼる第2次支援金を受け取るためにギリシャに課された’’条件’’は38項目に及ぶそうです。しかし昨日のユーロ圏財務相会合の席では、それら38項目の条件は満足のいくレベルまで達成されていないという結果となり、支援金の一部は’’完全に達成されたと認識されてから’’支払われることになりました。

その条件のうち、一番重要なのはギリシャ政府と民間部門が行う債務交換の最終結果  予定通りギリシャが1,070億ユーロの債務削減に成功したとトロイカ調査団が最終的に評価した時点で「よし!」 とするようです。

民間債務交換が終了するのは3月8日  現在のところ、翌日の3月9日にユーロ圏財務相による電話会議が開催される予定となっています。

ユンケル・ベニゼロス
ユンケル議長とベニゼロス財務相

*1300億ユーロの支払い内訳

・355億ユーロ  民間債務交換の一部に使用  債務交換は 1)一部はキャッシュ、2)一部は新発債と交換されます。そのキャッシュ部分の金額がこの355億ユーロに値すると考えてよいでしょう

・230億ユーロ  ギリシャ系銀行の資本増強



残りの715億ユーロは債務交換終了後のトロイカ調査団の評価を待つ

これに加え、別枠で350億ユーロが確保された模様です。この資金はギリシャ系銀行の毎日の資金繰りをスムーズに行うために一時的に設定されたもの


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[ 2012/03/02 19:17 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(2)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX(株)さんで 連載スタート
Net Money

2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
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