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第2回目・3年物LTRO結果

Twitterでつぶやいていましたが、それらをまとめて記事にします。追加もありますので、全部読んでや~ 

*第2回目3年物無制限資金供給オペ(LTRO)の結果

総額: 5295億3,100万ユーロ
参加銀行数: 800行

昨年12月実施の第1回目3年物LTRO
総額: 4891億ユーロ
参加銀行数: 523行

*数字を見ての感想

この記事でもちょっとだけ紹介しましたが、欧州大陸の大手銀行は今回に2回目LTROの参加は見送り  としていたこともあり、私も含めみんな「LTROの総額」ばかりに目を奪われ  「参加銀行数」なんて考えもしませんでした 

私自身は 「大手行の不参加ということも手伝って、2回目LTROの参加行数は12月の523行より若干少なくなるのかな?」 な~んて単純に考えていたんです 。 しかしいざ蓋を開けたら800行だぜ! 

国別の参加額がわからないので、今はなんとも言えませんが、昨年12月の一回目LTROで資金をがっぽり受け取ったイタリア が、今回もまたガッポリなんでしょうかね、きっと...

Twitterでも呟きましたが、イタリアを例にとると、2月の国債入札額は約190億ユーロ  3月と4月の入札予定額は450億ユーロづつ  いきなり2倍以上の入札  を実施しなければならない

この入札を消化するためにも、地元イタリアの銀行が今回のLTROでも前回同様、ガッポリ資金を受け取ったと考えても全く不思議ではありません。

*3年物LTRO、今回が最後か?

ブルーンバーグでは、「2回に渡る3年物LTROの総額が約1兆ユーロに達したことをふまえ、今回が最後の3年物LTROとなるのではないか 」 という観測記事を載せています。

私もザッと斜め読みしただけなのであまり深読みしたくはないですが、過去記事からの抜粋で申し訳ありませんが

・ある新聞の報道では、2012年中に償還期限を迎えるユーロ圏金融機関の債務総額は7,000億ユーロ
・ 2008年9月に起きたリーマン・ショックの時、資金調達目的で銀行は債券を発行した  その時発行された債券は3年物が多かった  2012年に大量の償還を迎える   具体的な数字を挙げると、来年第1四半期には2,300億ユーロ前後の銀行債が償還を迎える見込み  年間を通すと約7000億ユーロ


つまり2回に渡る3年物LTROで、2012年中に償還期限を迎えるユーロ圏金融機関の債務総額をカバーしたので、もうええやろ?  ということなのかもしれません。

それに加え、ECBの本音としては ’’いつまでもECBが1%無制限という非常に条件のよい資金供給を続けていると、欧州系銀行は自分達で資金調達をしようという本来の姿を忘れがちになり、虚弱体質  になってしまうかもしれない」ことを非常に気にしているとも言われています。

でもさ冷静に考えると、本日の2回目LTRO総額の5295億ユーロって、スイスの経済規模と同じだよ

*LTRO後の反応

・FX  ユーロ下落
・株  LTRO額が発表されるやいなやイタリア、スペイン、フランスの銀行株がミルミル上昇
・今回のLTRO総額:5295億ユーロのうち、ロールオーバなどを差し引いたネットの資金供給額予想がいろいろ出ていますが、全部数字が違う  ある銀行は’’約2500~3000億ユーロ’’、他は ’’4000億ユーロ’’ とか ’’4450億ユーロ’’となってます



額ははっきりしませんがこの新規資金がどこへ向かうのか?
1)企業や個人貸付に向かえば景気浮揚効果が期待される。
2)PIGS国債のキャリー取引に向かえば、PIGS国債利回り低下  ギリシャ債務危機の飛び火懸念後退  欧州からだけでなく世界の投資家の欧州国債投資が積極的となる?

しかし本当~に冷静に考えれば、先ほども上で書いたようにスイスの経済規模と同じくらいの資金を未だに必要としている欧州系の銀行の虚弱体質化を本気で心配しなければいけないんじゃないのか?と私は思っています。

全然話しが違うのですが、イタリア系銀行:ウニクレジットのロンドン・ディーリング・ルームには知っている人が何人かいました。たまたまそのうちの一人とうちの子供がばったり出くわしたのですが、彼はウニクレジットを解雇され、今はブルーンバーグ社で仕事を得て、イキイキと働いていた!ということを昨夜聞きました。ウニクレジットのロンドン・ディーリング・ルームは閉鎖という噂が以前流れていたので、相当大規模な人員カットをしたことは間違いありません。

中途半端な記事ですが、これから算数教室の先生のお宅で春休みの宿題セットがありますので、行って来ます 

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[ 2012/02/29 20:45 ] ECB 欧州中銀 | TB(-) | CM(0)

3年物LTRO総額予想

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[ 2012/02/29 13:00 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

3年物無制限資金供給オペ(LTRO)について

昨年12月に実施された3年物LTROに続き、 水曜日には第2回目の3年物LTRO が実施されます。

この結果はここからのユーロの行方に大きく影響を与えるため、市場での関心が異常に高まっています。

*最大の関心事   オペ金額

いくつもの見方が出ており、私自身も一体何を信じてよいのか混乱しています 
具体的な額の予想とその見方に関しては有料記事とさせて頂きますので、ご了承下さい 

*オペ金額の持つ意味

具体的なオペ金額の大小を占う前に、LTROが持つ2つの側面について考えたいと思います。

3年物LTROとは形を代えた「量的緩和策」である  つまりオペ金額が多ければ多いほど、市場にばらまかれるユーロの量が増加する   ユーロは売られやすくなる 

為替の世界ではこの議論だけが前面に出てしまい、「LTRO額が予想より高ければユーロ売り」 というシナリオを唱える人が目に付きます。

しかし私自身はもうひとつの側面を見逃してはいけないと考えています。それは「ポートフォリオへの組み入れとしての側面」です。

3年物LTROの金額が大きければ大きいほど、ユーロ圏加盟国、特にPIGS各国の国債 (短期債が中心となるでしょうが.....) にからんだキャリー取引 (下記参照) が盛んになるという考え方は間違っていないと思います。

キャリー取引増加  PIGS各国の国債利回りの低下

ユーロ圏国債を取り巻く環境の改善 

他の地域からユーロ圏国債への投資増加

というシナリオが考えられます。

これは最初に書いた「量的緩和策と同じ効果  ユーロ売り」というシナリオとは正反対の内容。そのため、LTRO総額が予想以上であった場合、ユーロは量的緩和という側面にスポットライトがあたり売られるかもしれませんが、その後徐々に中長期的な視点に移行すれば、ユーロに対して好材料となり得る点を忘れないようにしたいものです。

*誰がLTROに参加するのか?

LTRO 誰が参加
(クリックすると拡大します)

このグラフは仏系銀行のリサーチ部が作成したグラフですが、左から順に
・今回の3年物LTROには参加しない  英バークレイズ銀行、独ドイツ銀行、スイス・CS銀行など
・今回のLTROから得た資金は銀行債の償還に充てる  いろいろな銀行の名前が挙がっています
・今回のLTROから得た資金でキャリー取引  をする予定  イタリア系銀行の名前が目立ちます
・わからない/コメントなし  いろいろな銀行の名前が挙がっています


 キャリー取引とは、3年物LTROを通じて 1%の固定金利で借りた資金でユーロ圏加盟国の国債で運用し、金利差を得る


*キャリー取引への興味

LTRO キャリー興味

このグラフは米系投資銀行のリサーチ部が作成したものですが、X軸はユーロ圏加盟国の銀行 (黄色グラフ  スペイン系、赤グラフ  フランス系、緑グラフ  イタリア系、そして青グラフ ドイツ系)  各銀行とも薄い色と濃い色の2本の棒グラフが描かれています。

・薄い色のグラフ  昨年12月の3年物LTRO時のキャリー取引への興味度合い
・濃い色のグラフ  今回の3年物LTRO時のキャリー取引への興味度合い



これを見る限り、全ての銀行に共通している点として 
1)昨年12月時点より、今回のLTROではキャリー取引への興味が低下している
2)黄色(スペイン)と緑(イタリア)系銀行のキャリー取引への関心が著しく低下している
ことが挙げられると思います。


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[ 2012/02/29 12:00 ] ECB 欧州中銀 | TB(-) | CM(0)

アイルランド国民投票実施

またまた皆さんはとっくにご存知の内容になってしまいますが、お許し下さい。

*アイルランド、新財政協定に関する国民投票実施

この過去記事で、アイルランドの国民投票の可能性について 書きましたが、とうとう本日それが現実のものとなった様子です。

実施時期については、向こう数週間で投票の準備を完了するとケニー首相が発言していますが、具体的な日取りはまだ発表されていません。

市場関係者が一番心配  していることは ’’2008年に行われたリスボン条約に関する国民投票でNOという投票結果を出し、欧州を混乱に導いたアイルランドがまたしても欧州を混乱させるのか?’’ の一点

*今回は混乱を招かない 

2008年は混乱を招いたNO!が今回は混乱を招かないと見る市場関係者が多い理由は、「EUサミットを終えて」の中でも書いたとおり 新財政協定はユーロ圏17ヶ国の全会一致は必要なく12カ国の批准で発効されるため、万が一アイルランドがNOを出しても他の加盟国が承認すれば全く心配するに及ばない  からです。



ただしこういう楽観的見方ばかりではありません。

ギリシャの債務危機問題を巡り、アイルランドだけでなく他のユーロ加盟国の間でも「ユーロというプロジェクトそのものが失敗だったのではないか 」 という考え方はだんだん勢力を増してきており、アイルランドのNO!という結果がきっかけとなり、欧州全体に’’反ユーロ’’の動きが高まるという意見もあります。

ちなみに一番最近の世論調査によると、40%がYES  36%が反NO  24%はわからない 

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[ 2012/02/29 08:00 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ギリシャ格下げとECBの決定

私がマーケットを見ていない日に限って、書ききれないほどのニュースが出ていました 。皆さんにとっては「そんなこと、とっくに知ってますよ」という内容でしょうが、私自身の記録のために敢えて記事にさせて頂きます。

*ギリシャ格下げ 

米格付け会社大手:S&Pがギリシャの格付けを「CC」  選択的デフォルト(SD)  に引き下げました。大手の格付け会社がギリシャを部分的にせよ ’’デフォルト(債務不履行)’’ を示す格付けに位置づけるのは初めてのことです。

格下げの理由として、S&Pは 「ギリシャ政府が民間債務交換に於いて強制参加を求めるための集団行動条項(CACs)を盛り込んだこと」を挙げています。

CACsが記載されるだけで発動されなければ問題ないのですが、’’発動’’されてしまうと  ''実質的なデフォルト’’  と認識されてしまう  ギリシャ債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済が起こる  CDSの売り手となっている金融機関の損失拡大   世界規模で金融市場が混乱する可能性 

一応こういうシナリオですが、明日水曜日にも国際スワップデリバティブ協会(ISDA)は、上記のシナリオが ’’クレジットイベント’’ に該当するか否かを決定  クレジットイベントと認定されれば、ギリシャのCDSについて支払いが発生   イタリアやスペインも含めたPIGS各国へのクレジット・リスクの飛び火  が懸念されます。

とりあえず、S&Pはギリシャ政府と民間との債務交換が終了した時点で、格付けは「SD」「CCC」に引き上げると発表しています。

*欧州中銀の担保から外れたギリシャ国債 

欧州中央銀行(ECB)はS&Pのギリシャ格下げを受け、金融機関がECBから受ける融資の担保として差し出していたギリシャ国債を ’’有効な担保として認めない’’  と発表  これはギリシャの格付けが「SD」である間に限られてた「一時的措置」 ギリシャ政府と民間との債務交換終了後に同国の格付けがCCCへ引き上げられれば、担保受け入れを再開



今回の措置を受けて一番影響を受けるのは、ギリシャ国債を担保にしてECBからの資金調達に頼っているギリシャ系銀行。ここで書くまでもありませんが、水曜日に行われる3年物LTROでも、同国債は担保として使用出来なくなりました。とりあえず緊急措置として、ギリシャ中銀が同国債を担保として受け入れ  ギリシャ系銀行は融資が受けられる  ただし金利面などの条件は3年物LTROよりも悪くならざるを得ないようです。


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[ 2012/02/29 07:15 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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