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[ 2012/02/15 21:01 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

ギリシゃ、デフォルト後

*英FT紙の記事

本日の一面に、ユーロ加盟国の一部はギリシャの対応の遅さにしびれを切らし、最悪の場合は「ギリシャのユーロ離脱」という選択肢を取る方向へ傾き始めているという内容の記事が載っています。

今朝の新聞一面 

しびれを切らしているのは、加盟国でもトリプルA格を維持しているドイツ、オランダ、そしてフィンランドの名前が挙がっており、これらの国々では、

1)最悪の事態としてギリシャが「無秩序なデフォルト」におちいったとしても、現在のユーロ圏ならその打撃に耐えられる

2)ギリシャのデフォルトが他のユーロ加盟国へ飛び火することは防げる  どうやって防げるのか?については書いてありません 

3)マーケットは既にギリシャのデフォルトの可能性を織り込んでしまっている

などの理由を挙げています。

*ギリシャがデフォルトしたら、どうなるのか?

この質問はこのブログ読者の方からメイル・フォームを通して何度か頂きました。私自身、エコノミストでも政治家でもないので、正直よく判りませんが  ここでは簡単に私の考えを書いてみます。

まず事実だけを書くとすると、ギリシャの既発債残高はユーロ圏17ヶ国の合計のわずか3%だったと記憶しています。ですので、数字だけを見る限りユーロ圏はギリシャのデフォルトだけで倒れることはないでしょうう。

一番頭が痛い問題点は、ギリシャがデフォルトした場合、それでもユーロ圏に残りユーロを使用するのか?それとも旧ドラクマへ戻るのか?です。


・ドラクマへ戻った場合
プラス点:
通貨切り下げが出来るため (予想としては、ユーロに対し30~70%の切り下げ論が一般的)、輸出やレジャー関連の競争力向上が期待されます。お隣のトルコを例にとれば,8%台のGDPを誇っているので、ギリシャにだって出来ると思います。

マイナス点:
ユーロ圏から離脱することを意味するので、短期的には相当な混乱が予想されます。IMFがどのような救済策をギリシャに対して示せるのか?が鍵になるでしょう。この時点で欧州中銀からの国債買い支えプログラム(SMP)からも外されますので、国債イールドの上昇(=価格下落)は急速に悪化。

・デフォルト後

ギリシャ国債を大量に保有していた欧州圏内の銀行は相当量を既に売却していると思うので、数年前と比較するとこれだけが原因で欧州系銀行の多数が破綻においやられる可能性は少ないと思います。しかしギリシゃ国内の銀行はボロボロでしょうね。というのは、現在は欧州中銀(ECB)からの資金調達でどうにか生きながらえていますが、ドラクマに戻ればECBからの援助は途絶えることを意味しているからです。これにより国内の企業の資金調達の目処がたたなくなり、なし崩し的な倒産が連鎖的に起きると思います。当然ギリシゃ政府は国内の銀行を国営化し、一般預金者の預金引き下ろしを制限又は停止するとも思えます。

ギリシゃ国内に目を移すと、当然のことながら公務員、福祉、公共セクターでは給料や手当て/代金支払いはストップします。病院や警察、学校などは最小限で運営され、その部分はIMFなどからの援助でどうにか廻していくのではないでしょうか?国家としての信用力がゼロになるので、IMFやお情けで欧州委員会などからなんらかの援助を得て、それをもとにエネルギーなどの輸入をしていくのかな?と思っています。

しかし当然いろいろな輸入品が不足しますから、国民の苛立ちがますますつのって、政治的/社会的抗議デモが多数起こり社会不安は増すばかりとなるに違いありません。果たしてそれだけ社会不安が増した国へ欧州や世界からの旅行者がバカンスを過ごす為にギリシゃへ行くか?は少々疑問が残ります。場合によっては、政府が戒厳令を命じるかもしれません。唯一確かなことは、(ユーロから離脱してもEUには残留するという前提で私は話していますので) ギリシゃからEU各国へ相当数のギリシゃ難民が押し寄せることでしょうか?

一部の米系銀行の間では、ギリシゃ国内の銀行倒産は特にPIGS各国の銀行システム混乱へと飛び火し、300~900億ユーロの資金不足につながると計算しています。

ここまで来てしまうと、今度はECBが窮地に立たされます。ギリシャからの飛び火が本格化すれば、加盟国の国債買い指させプログラム(SMP)の強化を強いられるでしょう。しかしECBが保有していたギリシゃ国債は紙くずとなるので、ユーロ加盟国からの出資増額を要請することが考えられます。

もしPIGSの銀行システムに米系銀行が予想した額の不足金が生じた場合、当然それぞれの国の中央銀行や政府がその不足を補うべきでしょうが、それが不可能であれば当然ECBがその不足分をカバーする役割を押し付けられるのは火を見るよりも明らかでしょう。そうなると、ますますECBの資金不足が生じ、ますます加盟国への負担が増加します。

とまだまだ書く事はありますが、ずっと待っていた英中銀インフレ・レポートが30分前にでているので  中途半端は承知の上で記事更新します。


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[ 2012/02/15 19:57 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
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Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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