ドイツのオンライン版シュピーゲルを読んでいたら、オヤ!っと思う記事が載っていたので、ご紹介します。
FT紙ドイツ版によると...... という前置きをして記事は始まっているのですが、それによると「1年前倒しで実施されることになった
ESM(欧州安定化メカニズム) の総額が1兆5000億ユーロになるかもしれない」

そうです。
この計画はまだ公式な見解ではないようですが、先週スイスのダボスで開催されたダボス会議の最中に、米ガイトナー財務長官・IMFラガルド専務理事・独ショイブレ財務相・仏バロワン財務相の4人が集まって話し合ったとされています。
*1兆5000億ユーロの内訳何をどうやったら、バズーカ砲級

の’’1兆5000億ユーロ’’という数字になるのか

ですが、この記事によると「ESM + 既存のEFSF + IMFからの資金=3つ合計して1兆5000億ユーロ」という計算でした。

ひとつ腑に落ちない点があるのですが

どうして3つ合計して1兆5000億ユーロになるのかな?
・ESM(欧州安定化メカニズム)融資可能額: 5000億ユーロ

最も高い信用格付けを得るため、総額 7000億ユーロの資本裏付けとすることで合意

7000億ユーロの内訳

800億ユーロはユーロ圏諸国からの払込資本、6,200 億ユーロはユーロ圏諸国からの請求払い資本と政府保証
・EFSF(欧州金融安定化基金)当初4400億ユーロ規模でスタートしましたが、昨年夏に
7800億ユーロまで拡大することでユーロ圏各国が合意

7800億ユーロは政府保証額であり、実質的な融資可能額は4400億ユーロとなる

問題点:フランスとオーストリアの格下げにより、EFSFの融資可脳能力は35%減となった

4400億の35%減=約2800億ユーロ



EFSFは、既にアイルランドとポルトガルに金融支援として資金を出しているので、融資可能額は2800億ユーロではないのですが、単純にこの数字を使ったとしても
ESM 5000億ユーロ + EFSF 2800億ユーロ = 7800億ユーロ
IMFは5000億ユーロとなっているので、全部合計しても1兆5000億ユーロにはなりません
*IMFに対する支援金の出所このバズーカ砲

が実現する運びとなった場合、IMFからの資金総額は5000億ユーロとなる

既にユーロ加盟国全体で1500億ユーロがIMFへ支払われる運びとなっているので、残り3500億ユーロはユーロ圏以外の英国やブラジルなどから集める模様。
この記事の下の方で書いたのですが、やはりメルケル首相の訪中はG20会合を控えて中国にIMFへの出資を御願いに行くのではないでしょうか? ただし、中国だけでなくG20参加国の共通した意見は 「ドイツやフランスが思い切った金額を支援金に廻す覚悟でない限り、ユーロ圏以外の国が救済資金を簡単に出すと思ったら大間違いだよ!」という姿勢でしょうから、最終的にはメルケル首相は中国だけでなく、国内の根回しにも時間を取られそうです

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