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フランス大統領選・オランド候補

今年4月に第一回目投票を控えたフランス大統領選挙ですが、最大野党の社会党から立候補を表明しているオランド前第一書記長。
先週末に雇用創出・富裕層への課税強化などを盛り込んだ選挙公約を発表しました。

私が住む英国ではフランスの大統領選挙に関するニュースが非常に少ないので、私もあまり詳しくありません。
ただこのオランド候補は「金融業界は敵」と公言している人物であることは知っています。

*オランド候補の選挙公約に関して
ここでは為替に直接関係ありそうな事項を中心に書きます。

・財政赤字対GDP比 3%を来年度中に達成
2011年の財政赤字対GDP比は5.7%  2012年のターゲットは 4.6% 

オランド候補は銀行・企業・富裕層への課税強化を通し、マイナス景気になろうがどれだけ失業者が増えようが、来年末までに財政赤字対GDP比 3%達成を公約しました。

5年間に及ぶ大統領の任期中に達成すべき公約として

・財政の均衡化  2017年までに達成
・税収入額を290億ユーロ増加すること、それに対し歳出増加額は200億ユーロに留める
・年収15万ユーロの人に対する所得税を現行の40%から45%へ引き上げ
・銀行の収益に対する課税を強化する
・金融取引税の導入
・学校や公共施設への補助金増加
・金融機関を預金専門と投資部門に分離する

昨日のEUサミットで内容に合意した新財政協定ですが、オランド候補が大統領に当選した場合は、「新財政協定の内容変更」の必要性があると既に公言しています。
それが理由なのでしょうが、サルコジ大統領は大統領選挙終了後、フランスは新財政協定の批准をすすめると語っています。

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[ 2012/01/31 22:43 ] 売買取引 | TB(-) | CM(0)

ECBの3年物LTROについて

欧州中銀(ECB)が昨年12月より新たに導入した3年物無制限資金供給オペ(LTRO)。 第一回目のオペでは約4,892億ユーロという額の資金を500以上の欧州系銀行が受け取りました。次回は2月29日に実施されますが、果たしてどのくらいの金額になるのでしょうか?

*2倍になるという予想

昨日ロイター社がエコノミストを対象にして行った調査によると、2月29日のECB・3年物LTROによる資金供給規模は、1回目の4,892億ユーロより低い3,250億ユーロくらいになるであろう という結果が出ました。

しかし本日の英FT紙によると、次回は1兆ユーロ つまり一回目の4,892億ユーロの約2倍の規模になる可能性が指摘されています。その根拠となっているのは、FT紙が欧州系大手銀行数行に対して行った聞き込み調査によるもので、それらの銀行全てが次回2月のオペでは初回受け取った金額の2倍~3倍規模の資金を受け取る用意があることを示唆したからだそうです。

米ゴールドマン・サックスは顧客向けレポートで既にこの可能性を伝えており、1兆ユーロ規模になる可能性が非常に高いとしています。

ECBの  ドラギ総裁も「2月のLTROは相当多額の資金供給となるであろう。」と語ったともされています。

*受け取った資金の行き先

1)銀行が発行した債券の償還分

昨年12月にこのブログに書いた記事からの抜粋になりますが
2008年9月に起きたリーマン・ショックの時、資金調達目的で銀行は債券を発行した その時発行された債券は3年物が多かった  2012年に大量の償還を迎える   具体的な数字を挙げると、来年第1四半期には2,300億ユーロ前後の銀行債が償還を迎える見込み  今回の3年物オペの一部はこの償還資金に充てられるのか?

今年第1四半期には2,300億ユーロ規模の銀行債の大型償還が控えています。ユーロ圏債務危機問題の悪化を受け欧州系銀行の格下げが相次ぎ、それらの銀行が償還資金を手に入れるために市場で債券発行出来る地合いではありません。そのため、この3年物LTROから入手した資金を償還に充てるという意見

2)キャリー取引
3年物LTROは1%固定金利なので、この資金でPIGSが発行した国債(短期債が中心)を買い利ざやを抜くであろうという意見  これが継続すれば、PIGS各国の借り入れ金利が低下し、ユーロには好材料となる

3)企業への貸付に廻る
ECBによる豊潤な資金供給により、企業への貸付がより一層やりやすくなったという意見。そして1%という低金利で借り入れるので、企業への貸付による収益率が非常に良いという利点もついてくるようです。

*3年物LTROは本当に万能薬なのか?

なんだかいい事尽くめのLTROですが、問題点はないのでしょうか?

1)ドラギ総裁の言葉

"So we know for sure that we have avoided a major, major credit crunch, a major funding crisis ... Do we know that actually this money is going to finance the real economy? We don't have evidence of this yet. We have to wait. There is a lag. In the meantime, you have parts of the euro area where credit is more or less normal. You have (other) areas where credit is seriously impaired."

(12月の3年物LTROが好調であったお陰で、欧州系銀行を取り巻く)信用収縮や資金供給危機を避けることには成功した。それでは、そこで得た資金が実体経済の資金繰りに役立っているのであろうか?それを示す証拠はまだ見えてこない。時間的なタイムラグがあるので、待たなければならない。とりあえず言える事は、資金繰りが逼迫している地域もあるであろうが、ユーロ圏に限って言えば正常に近いところまで回復している



この言葉からも判るように、企業への貸付などに資金が廻っているのかを確認するには、まだ時間がかかるようです。

2)ECBのバランスシート拡大に対する懸念

担保付融資の部分が大きいので心配する必要なしという意見もありますが、今後も欧州債務危機の継続や欧州だけでなく世界的な景気減速が顕著になれば、ますますバランスシートの拡大は避けられません。

3)延命措置に過ぎない

誰がなんと言おうが、この3年物LTROは市中から資金繰りが難しくなった欧州系銀行の資金繰りを容易にするための延命措置である点は全く変わらない。いつまでもこの延命措置を続けている限り、銀行は自力で生き延びる努力を怠ってしまうのではないか?という危惧



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[ 2012/01/31 21:21 ] ECB 欧州中銀 | TB(-) | CM(0)

EUサミットを終えて

おはようございます  昨日はいつもの算数教室のお手伝いへ行った後、帰宅してから韓国ドラマのDVDを見始めてしまい、全然ニュースを追えなかった... 

昨日のEUサミット、新財政協定のおおまかな内容が決まったのはよいことでしょうが、出席した各国が様々な意見を述べるばかりで非常にこの先が思いやられるな...という印象を強く受けました。

*EUサミット決定内容

・新財政協定
単年度の構造的財政赤字対GDP比を0.5%以内に抑える義務を課す。そしてこれを加盟各国の憲法に盛り込む。赤字が上限を超えた場合、自動的に制裁金が科される。ただし’厳しい景気減速/リセッションに直面した時’などの例外的な局面は除く。

もし加盟国の財政赤字是正を怠ったと認識される場合は、欧州司法裁判所が最大GDPの0.1%に値する罰金を課す事が出来る。支払われた罰金はユーロ圏金融支援用のESMの原資として保管される

新協定は今年3月に英国とチェコを除く25ヶ国が署名  来年1月に導入予定  新協定はユーロ加盟17ヶ国のうち、12ヶ国の条約批准を経て発効される  新協定を批准した国のみが、ESM(欧州安定化メカニズム)からの金融支援を受ける資格を有する



ここでの注意点  ですが、アイルランドが新財政協定に関する国民投票をする可能性が出てきたので、 もし同国が国民投票を行い、否決という結果が出た場合、アイルランドはEMSからの金融支援を受ける資格がなくなるという内容です。

・ESM(欧州安定化メカニズム)
EMSは1年前倒しで今年7月よりスタートする。具体的な規模は3月に決定する予定

・経済成長と雇用促進
景気回復と雇用促進が最優先であるとの認識で一致。EU予算の余分資金を雇用促進に使用することになる点も確認。

・ギリシャの財政監視
EUサミットでは、ドイツが主張したギリシャの財政/予算に関して監視団を設置することに対して、反対の姿勢を示しました。仏サルコジ大統領、ユーロ・グループのユンケル議長、オーストリアの首相などが強く反対しました。

*サミット内容を見て感じたこと

一番最初に思ったのは、ドイツ型の’新財政協定’内容が固まったため、EUの財政統合へ1歩前進したな...ということでした。しかしこれが’ドイツ式’であるがために、果たして加盟国が厳守出来るのか?物凄い疑問が残ります。

それに加え、この非常に厳しい財政協定は、ユーロ加盟国の金融支援のためにいままでずっと多額の財政負担を負ってきたドイツの有権者に対する政治的ジェスチャーに過ぎないのかな?とも思いました。

サミットでの決定事以外ではIMFが欧州各国に対し、ユーロ救済資金に対する救済金捻出に積極的になるよう呼びかけました。この呼びかけの本当の意味は、欧州が資金を出さない限り、2月に予定されているG20会合でG20加盟国に対して金融支援の負担を御願いできないからでしょう。



個人的には昨日のサミットの席で、ESMの規模を決定すべきだったと思っています。現在EMSは5000億ユーロという規模ですが、7500億、又は1兆ユーロまで拡大するとも言われています。もし昨日のサミットで1兆ユーロなどという大型救済資金が確定された!というニュースが出れば、現在市場の攻撃に合っているポルトガルの長期金利が下がったかもしれず、市場が安心感を持つ事が出来たでしょう。

しかしいつものことですが、最終合意は3月まで先送りされました。


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[ 2012/01/31 19:36 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
~丸わかり! ロンドン発
★欧州経済事情~
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私も新イーグル・フライで
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