本日ロンドンでフィッチ社がセミナーを開催したようです。その内容が漏れ聞こえてきましたので、一部紹介します。
*欧州各国の格付け見通し・ドイツ、フランス、オーストリアに対しては、早急な格下げリスクはない模様
・イタリアは数ノッチの格下げは避けられない見通し
・それ以外のユーロ圏加盟国に対しても1~2ノッチの格下げはあり得る
・現在格付けの見直しをしており、最終結果は1月末までに出る予定

イタリアの格付けには特に注意


これらのコメントと格付け大手:S&Pやムーディーズのユーロ加盟国の格付けに対するコメントを比較すると、フィッチの判断は若干甘め

特にS&Pは昨年末にフランス、スペイン、イタリア、アイルランド、ポルトガルに対し1~2ノッチの格下げの可能性

を示唆しています。
*欧州トリプルA格付け国の比較
これは本日のセミナーで使われたパワポ資料の1枚です。
・左のグラフはトリプルA格付け国の「財政赤字対GDP比」の比較。上から(赤字幅が大きい順)
米、英、フランス、オランダ、オーストリア、ドイツ、フィンランドの順
そのうち、米とフランスの見通しが’ネガティブ’となっています。
・右のグラフは、独英仏による2012年度借り入れ総額を示したグラフです。
赤

短期債
灰色

予算、中長期国債
青(英国のみ)

英中銀買取分
このグラフには表れていませんが、本日の会場セミナーで「これらの中で(除:米国)財政赤字対GDP比が一番高い英国が未だに見通しがネガティブになっていないのはなぜか

」という点に関して説明があったようですが、その答えは私がこのブログで何度か書いたように「英国の国債残存年数は14年であるのに対し、米欧各国の平均残存年数はその半分以下である。それゆえ、英国の国債入札実施回数は他の国と比較して断然少ない。」からだそうです。
*フィッチ社が考える「緊急」度合い

これも本日のセミナーで使われたパワポ資料の1枚です。
まず下の軸(X軸)

緊急度を示しており、緊急度合いは左(赤) > 右 (青)
縦軸(Y軸)

世界経済に与えるインパクトの度合い 下に行けば行くほど高い 下(赤) > 上 (青)



つまり一番左下の角に近ければ近いほどヤバイ

ということです。
それでは一体どんなことが「ヤバイ」

事なのかと言うと、
・左角の赤丸

ユーロ圏債務危機問題
・その右上の水色丸

先進国経済の弱体化
・水色丸の右下の紫色の丸

米失業率と個人消費支出の弱さ
・紫色の丸の上にある小さい黄色丸

商品価格インフレ
・黄色丸の横にあるオレンジ丸

高い原油価格
・オレンジ丸の下にある緑色丸

新興市場各国の景気減速
などが挙げられています。
*フィッチ社の会場セミナー参加者の「2012年ユーロ圏債務危機問題」に対する見方本日ロンドンで開催されたフィッチーのセミナーに参加したファンド・マネージャー達200名を対象にして行われたアンケート結果です。
54%

かなり来るところまで来た感はあるが、今年も昨年同様のペースで危機は継続する

35%

今まで以上に相当悪化する

9%

ユーロ圏を取り巻く環境は改善する

3%

ユーロ圏債務危機問題は解決する

若干追加の記事があるのですが、それは有料記事とさせて頂きます。

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