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ユーロ圏加盟国の格付けに関して

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[ 2012/01/10 21:12 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

格付け会社:フィッチのセミナー

本日ロンドンでフィッチ社がセミナーを開催したようです。その内容が漏れ聞こえてきましたので、一部紹介します。

*欧州各国の格付け見通し

・ドイツ、フランス、オーストリアに対しては、早急な格下げリスクはない模様
・イタリアは数ノッチの格下げは避けられない見通し
・それ以外のユーロ圏加盟国に対しても1~2ノッチの格下げはあり得る
・現在格付けの見直しをしており、最終結果は1月末までに出る予定  イタリアの格付けには特に注意 



これらのコメントと格付け大手:S&Pやムーディーズのユーロ加盟国の格付けに対するコメントを比較すると、フィッチの判断は若干甘め 
特にS&Pは昨年末にフランス、スペイン、イタリア、アイルランド、ポルトガルに対し1~2ノッチの格下げの可能性  を示唆しています。

*欧州トリプルA格付け国の比較

フィッチ トリプルA比較
これは本日のセミナーで使われたパワポ資料の1枚です。

・左のグラフはトリプルA格付け国の「財政赤字対GDP比」の比較。上から(赤字幅が大きい順)
米、英、フランス、オランダ、オーストリア、ドイツ、フィンランドの順
そのうち、米とフランスの見通しが’ネガティブ’となっています。

・右のグラフは、独英仏による2012年度借り入れ総額を示したグラフです。
短期債
灰色予算、中長期国債
青(英国のみ)英中銀買取分

このグラフには表れていませんが、本日の会場セミナーで「これらの中で(除:米国)財政赤字対GDP比が一番高い英国が未だに見通しがネガティブになっていないのはなぜか 」という点に関して説明があったようですが、その答えは私がこのブログで何度か書いたように「英国の国債残存年数は14年であるのに対し、米欧各国の平均残存年数はその半分以下である。それゆえ、英国の国債入札実施回数は他の国と比較して断然少ない。」からだそうです。

*フィッチ社が考える「緊急」度合い
フィッチ Urgency
これも本日のセミナーで使われたパワポ資料の1枚です。

まず下の軸(X軸)  緊急度を示しており、緊急度合いは左(赤) > 右 (青)
縦軸(Y軸)  世界経済に与えるインパクトの度合い 下に行けば行くほど高い 下(赤) > 上 (青)



つまり一番左下の角に近ければ近いほどヤバイ  ということです。

それでは一体どんなことが「ヤバイ」  事なのかと言うと、
・左角の赤丸  ユーロ圏債務危機問題
・その右上の水色丸  先進国経済の弱体化
・水色丸の右下の紫色の丸  米失業率と個人消費支出の弱さ
・紫色の丸の上にある小さい黄色丸  商品価格インフレ
・黄色丸の横にあるオレンジ丸  高い原油価格
・オレンジ丸の下にある緑色丸  新興市場各国の景気減速

などが挙げられています。

*フィッチ社の会場セミナー参加者の「2012年ユーロ圏債務危機問題」に対する見方

本日ロンドンで開催されたフィッチーのセミナーに参加したファンド・マネージャー達200名を対象にして行われたアンケート結果です。

54%  かなり来るところまで来た感はあるが、今年も昨年同様のペースで危機は継続する 
35%  今まで以上に相当悪化する 
9%   ユーロ圏を取り巻く環境は改善する 
3%   ユーロ圏債務危機問題は解決する 

若干追加の記事があるのですが、それは有料記事とさせて頂きます。

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[ 2012/01/10 20:38 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

バンカメ・メリルの米欧対比

今度は同じく米国のバンカメ・メリルの米欧比較です。

*2012年米欧GDP予想

バンカメメリル 米欧GDP比較
このチャートは英ガーディアン紙に載っていたバンカメ・メリル調査部が作成したチャートです。
紺色グラフ  欧州のGDP予想
黄土色グラフ  米国のGDP予想
緑グラフ  バンカメ・メリルの米国GDP予想
(いずれの数字も、各四半期ごと、数字は前年対比)

 緑グラフはバンカメ・メリルが出した米国GDP予想ですが、黄土色グラフの米国GDP予想は一体誰が出したものなのか、不明。たぶん一般的な予想数字ということなのかもしれません。

欧州を襲っているユーロ圏債務危機問題の悪化にもかかわらず、米国の景気は最悪期を脱出し徐々に改善に向かっていると盛んに伝えられている。同社(バンカメ・メリル)が考えるには、欧州からの景気悪化が米国経済に与える悪影響は、市場で言われているほど軽く済むとは思っていない。

一般的に考えられている予想としては、欧州は2012年Q1に一旦マイナス成長を記録してから、その後は限りなくゼロに近いプラス成長を成し遂げる。それに対し、米国はガンガン強い経済成長を達成出来ると予想されている。

同社はこの一般的予想とは全く違い、2012年後半くらいから(欧州からの悪影響を受け)米国の景気減速が顕著になると予想する。

*米欧GDP比較

バンカメメリル 米欧比較

このチャートは1971年~の米欧GDP(年率)比較です。
青線  米国
赤線  欧州

歴史的にみて、欧州の経済動向は米国より2~3四半期遅れを取るようだ。このチャートには表れていないが、特に欧州の労働市場は柔軟性に欠けている。例えばオイル・ショックが世界を襲った場合などは、米国の企業は原油需要の変化や収益減少に備え、早急に労働者を解雇するなどの対応策を練るが、欧州ではそうも行かないようだ。

2012年に米国を襲うであろう’’恐怖’’は欧州発である。その場合は米経済が受けるであろうダメージの度合いや速度も違ってくる。

さきほど「欧州の経済動向は米国より2~3四半期遅れを取るようだ」と説明したが、今回の’’欧州発債務危機’’が米国をヒットするという逆現象となるので、米国の経済動向が欧州のものより数四半期遅れると考える。

たぶん春以降、欧州の悪化した景況感が米国にも上陸し、米株の下落と米国債の買いに繋がることが考えられる。


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[ 2012/01/10 19:32 ] マーケット | TB(-) | CM(0)

ゴールドマンの予想

おはようございます。英ガーディアン紙に載っていた米ゴールドマン・サックスの予想です。

*原油、金、地金

ゴールドマン・サックス(以下、GS)は昨日、商品市場の2012年トップ3として「原油、金、地金」を挙げているそうです。

ブレント原油  年末のターゲット: $127.5 (現在$113くらい)  2012年は平均$120くらいで推移すると予想

金  年末のターゲット:$1,940 (現在$1,620くらい)

銅  年末のターゲット:$9,500/トン (現在$7,500/トンくらい)

私が住むロンドンでも、ホルムズ海峡が閉鎖されそれが長期化した場合の問題点などを時々報道しています。
うちの近所のガソリン・スタンドのガソリン代はここのところずっとリッターあたり£1.349でしたが、欧州のイラン産原油輸入停止の話し(決定は1月23日予定)やホルムズ海峡の海上封鎖の可能性が浮上してきてからは £1.369くらいまで値上げをしているスタンドもあります。

*GSのユーロ圏債務危機問題の見方

GS欧州エコノミスト部門がまとめた内容によりますと、2012年に於けるユーロ圏債務危機問題の解決はドイツ次第という感じみたいです。

・ドイツの財政負担の拡大
ユーロ加盟国それぞれの国債イールドをみると、イタリアは10年債を発行するのに7%以上の金利を払わなければならないが、ドイツは2%以下で資金が手に入る。こんな状態が長く続く訳がない。

GSは、ドイツがユーロ圏の弱小国に対し今まで以上の多額の金融支援を継続する  ドイツ自身の財政負担が膨らむ  ドイツのトリプルA格を失う危険が出てくる  と指摘。

しかしそれでもドイツが財政負担を拡大することは、取るに値するリスクである  としているようです。

単一通貨:ユーロは欧州の象徴であり、ユーロ誕生後ドイツは多大な恩恵を受けてきたことをドイツ国民や政府関係者は忘れていない。ドイツ人は将来もユーロが継続するためなら格下げや財政負担の拡大を最終的に受け入れる準備が出来ているであろう  ということらしいです。



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[ 2012/01/10 18:43 ] マーケット | TB(-) | CM(9)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
Net Money
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2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
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