今晩は。2時間ぶっ通しでBBCとスカイTVのニュースを見ていました。米国のCNBC、ブルーンバーグ、CNN、FOXニュースも当然全部見たのですが、私が見ていた限りではEUサミット関連のニュースは報道していませんでした。
BBCとスカイTVは1時間枠のニュース番組のうち、8割くらいをEUサミット報道に充てていたので、結構いろいろ入ってきましたよ。
1)金融機関の資本増強・中核的自己資本を2012年6月までに、9%へ引き上げ
・資本増強規模は1,000~1,100億ユーロ
・メルケル首相、サルコジ大統領は明日からでも自国の銀行幹部と話し合いを持ち、自己資本増強の方法を話し合う

一部の報道では、「銀行の配当金支払い停止や行員のボーナス支給禁止を強制」

する可能性も指摘されています。しかし銀行で働く人にしてみれば、ギリシャ救済やイタリアへの飛び火を食い止めるために、こういう形で犠牲を強いられる事実に反対し

強行に抵抗する銀行が出てくることが懸念されるようです。
2)欧州金融安定化基金(EFSF)再拡充・4,400億ユーロ規模でスタートしたEFSFの規模を1兆ユーロ規模へ拡大

・水曜日ロンドン午後10時現在の報道では、「IMFはEFSF拡充に対し援助は一切しない」と言っています。
3)ギリシャ支援・ヘアーカット率を現行の21%から50~60%へ引き上げか?

この点についてのみ、本日のサミットでは決定出来ず

一部の噂によると、IMFは75%のヘアーカット率を主張しているとか?
・ギリシャ債務のGDP比率を2020年までに120%に圧縮する前提にたつと、最低でも50%のヘアーカット率適用となる。
*イタリアのためのEUサミット私はこの点をちゃんと理解していなかった



のですが、週末日曜日と本日2度に渡って行われたEUサミットの本当の目的は「ギリシャ救済」ではなく「イタリアへの飛び火

をいかに食い止めるか」だったそうです。
この記事でも書きましたが、イタリア政府がEUに提出した14ページに渡る財政再建詳細書は、内容不十分でイタリアへ突き返されたと報道されています。

水曜日のイタリア議会で財政再建策について協議していた最中、与野党間の意見がかみ合わず議員同士がとっくみあいの喧嘩となってしまったようで、ユーロ加盟国それぞれがいろいろな意味で’’限界’’に近くなってきたのかな?とも思いました。
打たれ強いベルルスコーニ首相は完全に開き直っているようで、"The Euro is Prodi´s Euro not mine"
(単一通貨:ユーロはプローディ(前首相)のユーロであり、僕のユーロではない

)

単一ユーロ構想を実行に移した当時のイタリアの首相はプローディ首相であり、自分(ベルルスコーニ)ではない。だから僕は関係ないよ! と捨て台詞を吐いたとも報道されていました
*今週の土曜日に財務相会合開催この財務相会合が、EU全体27ヶ国参加のものなのか、ユーロ圏17ヶ国だけの会合なのか、よくわかりません

。 しかし本日決定された内容を更に詳しく審議する場が土曜日に持たれるのは確かなようです。
*バズーカ砲でなく、水鉄砲で終わる可能性も?週末日曜日に行われたEUサミット以来、「水曜日の第二回EUサミットでは、EFSFの再拡充でヨーロッパはバズーカ砲

クラスの救済資金を確保する」

とさかんに報道されていました。
しかし2時間かけてテレビ報道を見ていた私が抱いた個人的な感想は、順番が逆じゃないの

という疑問です。
記事の最初に書きましたが、肝心な「ヘアーカット率」が決まってないのに、どうやって銀行に対する資本増強規模を1,000~1,100億ユーロと決定出来たのでしょうか?もし60%というヘアーカット率を民間投資家(銀行も当然含まれる)に適用した場合、本当はどのくらいの規模の資本増強が必要になるのでしょうか?
最近メルケル首相やパパンドレウ・ギリシャ首相が盛んに口にする言葉

This is not Greek problem. This is OUR problem.
(ユーロ圏債務危機はギリシャだけに限った問題ではない。これは我々ユーロ加盟国全体の問題である。)
この言葉を聞く限り、ユーロ加盟国は単一通貨:ユーロを現在の形のままで(ギリシャを切り捨てずに)継続する決心をしているようです。もしそうなるのであれば、ギリシャの債務削減が最優先となる

欧州系銀行は60%規模のヘアーカット率を強制されることになる

信用収縮が起きる可能性が出てくる

それが欧州大陸を越え世界規模の金融危機へと発展するかもしれない

と私は思っています。
最悪の場合は、問題はそこで終わらず、金融危機の影響で世界的な景気減速

が顕著となり、ギリシャは今後何年にも渡りマイナス成長が続く

かもしれない

ヘアーカットにより債務が削減されたにもかかわらず、財政再建がうまく行かない

いつまで経っても欧州はギリシャに支援金を与え続けなければならない という負の連鎖も考えられます。
本日ドイツ連邦議会で承認された「欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の実質的な規模拡大」。しかしこの承認にいたる前提条件として、ドイツ政府は
同国が保証するEFSFの融資枠上限を2,110億ユーロと設定しています。もしこの金額を上廻る額になるのであれば、ドイツの有権者は黙って黙認するのでしょうか?
その間にフランスが格下げされるかもしれません。来年はフランスの大統領選挙があります。
現在6%台に乗りかかっているイタリア10年物国債イールドが7%に乗ってしまい、金融支援要請という事態にもなりかねません。
燃えて崩れ落ちた家屋に慌てて保険を掛けるような事態にならないことを祈るばかりです。
psこの記事とは全く関係ありませんが、本当なら水曜日更新のまね得さんのコラム(ブログ右上のバナー)ですが、やっと連絡がついて「サーバー不調が生じ、復旧に時間が掛かる」との返事が届きました。木曜日の朝くらいまでには直ることを期待していますが、更新が完了しましたら改めてご連絡します。本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません

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