昨日行われた英下院・財務委員会で証言したキング総裁、結構派手な爆弾発言

していますね
*ユーロ圏危機解決に向けた包括戦略は単なる時間稼ぎ 
日曜日に続き本日午後から開催されるEU27ヶ国、そしてユーロ加盟国17ヶ国の間で行われる首脳会談では、1)ギリシャ国債に対するヘアーカット率 2)EFSF再拡充の規模 3)欧州系銀行への資本増強額 を含んだ包括戦略内容が決定される予定となっています。増額幅に関する’’具体的な数字’’が出るのは11月上旬まで遅れる可能性

も指摘されていますが、とりあえずどのような結果となるのか、市場関係者は固唾の呑んで見守っている状態

しかしそんな大事な時にキング総裁は、「ユーロ圏危機解決に向けて決定が急がれている包括戦略が決定されたとしても、それは1年又は数年に及ぶ時間稼ぎに過ぎず、長期的な危機解決とはならない。」

と非常に冷めた内容の証言をしました
*QE2後の銀行貸出増加は保証出来ないこの記事でも「中小企業貸出の現状」 と題して書きましたが、2009年からの量的緩和策第一弾(QE1)では英国内の中小企業への貸し出しが全く増えていません。
昨日の証言の席で、キング総裁は「今回決定されたQE2により、中小企業に対する貸し出しが増加するという保証は出来ない。しかし少なくとも、ここから減少するとは考えにくい。」という非常に歯ごたえの悪い

発言をしています。
そして私がオヤッ

と思った証言は 「QE1により英景気は拡大した。QE2は18ヵ月後のインフレ率(CPI)がインフレ・ターゲット(2%)を下廻ってしまうかもしれないリスクを避けるために必要である。」


このブログでも何度か書きましたが、現在英国が直面している5.2%という’’とんでもない’’

インフレ率は景気過熱によるものではなく、あくまでも商品価格、特に電気・ガス代の値上げやVAT上げによるものです。
キング総裁が本気でQE2を実施しなければ、18ヵ月後に現在の5.2%が2.0%以下に下がる危機感を抱いているのであれば、ここから英景気は低迷/下落し、同時に商品価格全般も下落されない限り、2.0%以下というインフレ率を達成するのは逆に相当難しいと私は思っています。

このチャートは2000年から一番最新の数字をグラフにしたものです。上から英政策金利、インフレ率(年率)そしてGDP(前期比)となっています。
これを見ると2000~2004年のCPI率は中銀が設定したインフレ・ターゲット2.0%(チャート上の黄緑線)より下で推移しているのが判ります。当時の経済成長率を見てみると、一定して約0.5~1.5%の間で定着。それに対して政策金利は平均すると4.5~5%程度でこれまた安定していた時期です。
それに対して現在は歴史的に例をみない低金利(0.5%)、そして過去9ヶ月の経済成長率はわずか+0.1%

となっており、いかに商品価格上昇が英インフレ率を煽っているかがわかります。
もしキング総裁が証言されたように、QE2抜きでは18ヵ月後の英国インフレ率は2.0%を下回るリスクがあるということは、逆の見方をすれば商品価格は一旦天井を打ち、ここからは下落トレンドに入る

+ 英景気もゼロ成長又はリセッション入りの可能性が高まった

と言えるのかもしれません。
正直言って、キング総裁が何を仰ろうが、このガス代の値上げにはとことん困っている庶民代表の私です

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