以前にもお詫びしましたが、今週と来週は日本から友達がロンドンに来る + 今年になって少し悪くなってきた私の心臓の痛みですが、やっと専門医に見てもらえることになりました。そのための前準備で何度か通院などが重なってしまい、ブログの更新頻度が極端に遅くなっています。あらためてお詫びします

ギリシャのロールオーバーに関して格付け各社がデフォルトと見なすか見なさないか、意見が分かれてきました

。S&Pはフランス案に基づくギリシャ債務のロールオーバー(借り換え)は選択的デフォルトに相当する

という見解を示したのに対し、ムーディーズはギリシャ債務のロールオーバー計画が最終決定された時点で同社の見解を示す...... として言及を避けています

このギリシャ債務のロールオーバーに関して英FT紙が記事を載せていたので、ここで紹介します。
Q: ギリシャはデフォルトと見なされてしまったのですか?A: いいえ、S&Pはドイツ/フランス案に基づくギリシャ債務のロールオーバーが実際に実行に移された場合、デフォルトと見なす可能性があると警告

したところです。その際のギリシャの格付けはSD ''selective default’’ (選択的デフォルト)となります。現在同国の格付けはCCC(トリプルC)となっており、これは世界各国の格付けのなかでも最低水準です。
Q: リーマン・ショックを引き起こすまでに悪化してしまった米国発の金融危機の際、格付け会社の対応は後手に廻り続けました。金融市場関係者の格付け会社に対する「信用」は極端に低くなっていますが......A: もちろん分かっています。不動産担保証券などに対する評価を実際より良くし続けてしまったことにより、格付け会社の信用性は相当傷つきました。しかしS&P、ムーディーズ、フィッチの大手3社は (不動産担保証券に関する格付けでは信用を失くしたかもしれませんが) ソブリン格付けの評価に関しては大丈夫であると自負しております。過去35年間の間にデフォルトしてしまった国に対する大手3社のソブリン格付けは常に先手を行っており、(デフォルトが起こる1年前から)「投資に適さない」という格付けにしていた事実をIMFも評価しています。このたびのギリシャの格付けに関しては、S&Pが2010年4月にジャンク債レベルに格下げしています。
注
このリンクをクリック し、2011年1月21日と28日2週間に渡り連載した「市場をかく乱する格付け会社 1、2」を是非お読みください。
Q: S&Pが「ギリシャ・デフォルト」の可能性を示唆したことは重大な警告として受け止めるべきですか?A: そうすべきでしょう。万が一ギリシャが本当にデフォルトした場合、先進国として戦後世界初のデフォルトとなります。現在わかっているところでは、S&Pはギリシャに対し「選択的デフォルト」扱いをするのは「短期間」に限る としています。果たして「短期間」というのが具体的にどのくらいの時期を指すのかは、現在の時点でははっきりしていません。過去に「選択的デフォルト」という格付けを与えられた国々はありましたが、その期間は国により1日から6ヶ月と期間もバラバラでした。
Q: 今回のロールオーバー(借り換え)計画とは具体的にどんな内容なのですか?A: 正直に申し上げますとかなり不透明な内容であると言うしかないでしょう。基本的には、例えばある投資家が2014年上旬までに満期を迎える額面100ユーロの債券を保有していた場合、その投資家は30ユーロの現金(新国債)を受け取ります。ギリシャは残り70ユーロを受け取る形になりますが、その70ユーロのうち20ユーロは質の高い担保を入手する義務があり、その20ユーロ分の担保が残りの50ユーロの保証となります。投資家達はギリシャ30年国債を受け取りますが、利回りは5.5~8.0%となることも決定しているようです。
Q: (選択的デフォルトが短期間であるという前提で)そのデフォルト期間がたった1日や2日間だけに留まった場合、私達はここまで神経質になる必要があるのでしょうか?A: EU関係者はデフォルトの可能性に対し誰もが神経質になることを要求しています。欧州中央銀行(ECB)は一旦デフォルト扱いになった国債は資金供給オペ(公開市場操作)の担保として見なさないという見解を示しています

。もしこの見解が本物になってしまったら、ギリシャは命綱が切られたことになるでしょう。ギリシャの金融システムはECBからの資金供給オペに頼らなければ崩壊するのは目に見えています。
しかし問題はECBだけに留まると思っては大間違いです。現在市場に伝えられているフランス案はドイツの承認を取ってはいるものの、全ての案にドイツや他の加盟国が太鼓判を押した訳ではありません。つまり今後フランス案の内容が変化すれば、現在はデフォルト判定を下していない格付け会社も、新しい案の内容如何ではデフォルト扱いに動く可能性は捨て切れないからです。
ユーロ圏の財務相達も出来る限り「選択的デフォルト」を避けようと努力しています。
注

ギリシャ国債はECBのオペの担保対象から外されたとしても、ECBは同国への緊急流動性支援を実施

国内銀行システムへの影響を最小限に抑える努力をするとも伝えられています。
Q: (S&P以外の)他の格付け会社の見解は?A: 世界第3位の格付け会社:フィッチは、ギリシャ債務のロールオーバーをデフォルト扱いする方向であると示唆した模様です。ムーディーズからは何も漏れ聞こえて来ていません。
ギリシャ債務のロールオーバー(借り換え)による償還期限の延長は通常、CDSの保険料支払いにつながらないので、選択的デフォルトという格下げと、クレジット市場での動きは全く別問題である点をあらためて繰り返させて頂きます。
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ちょっと理解出来ない

んですが、格下げが起こったり、実際に「デフォルト」扱いになった場合って、CDSって青天井で上昇するのではないんですか? 私 ちょっとこの点が理解出来ません

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