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アイルランドの苦悩

本当は昨日書こうと思っていた記事ですが一日遅れとなりました 

まず木曜日にブルーンバーグ・テレビが行ったアイルランドのヌーナン財務相へのインタビューをご覧下さい。 (どういう訳かYoutubeのリンクが機能しないので ヌーナン財務相 リンク を貼って置きます )

*投資家への負担要請

アイルランドはユーロ圏を襲っている債務危機に対し新たな挑戦状を叩きつけました。上のリンクでお解りのように、ヌーナン財務相は公のテレビ・インタビューで「民間投資家も損失分担を図るべきである」という見解を示したからです。

*IMFも合意? ECBはカンカン 

リーマン・ショック後の世界規模の金融危機の煽りを受け国有化されたアイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行とアイリッシュ・ネーションワイド・ビルディングソサエティー両行の損失に関して、同国の国民にだけ負担をかけることは不公平である  銀行救済の負担は分担されるべきだ  両行の優先債保有者も損失を共に負うべきだという意見をIMFに伝え、IMFもその意見に合意したという話しです 

如何なる債券に対しても投資家に損失を負わせることに大反対  のECBは、ヌーナン財務相の突然のテレビ・インタビューにカンカン?  ECBが腹を立てている理由は同氏の突然のインタビューという事実だけでなく、そもそもアイルランドが欧州から金融支援を受ける際に、「優先債保有者への負担は絶対に避ける」という暗黙の了解があったとされているからのようです。しかしアイルランド側の言い分は 「金融支援を受ける際のEU/IMFとの交渉の場で、政府保証債以外のシニア債(優先債)約150億ユーロ分についてヘアーカットの可能性についてアイルランド政府はきちんと問題提起  した。その議論に対する結論は出ておらず、この議論は現在も継続中であることに変わりない。」 そしてアイルランド政府は今秋から投資家への負担に関しECBと協議する用意があると譲りません。

*投資家負担が可能であれば、ギリシャの場合はどうなるか?

私にはアイルランドが金融支援を受けた際にそういった暗黙の了解が本当にあったのかどうか分かりません。しかし欧州当局者にしてみると、このアイルランドの突然のインタビューは 「ゲームの途中に突然ルールを変えるなよ~」 という感じなのかな とも思います。

そうなると当然、ルール違反よりずっと深刻な素朴な疑問が浮かんできますよね....

もしアイルランドの国有化銀行の優先債保有者に損失負担を求める事が可能なのであれば、(少し問題が違うが) ギリシャ国債を保有している投資家にもその損失負担を求める事がどうして出来ないのか?

本日のメルケル/サルコジ会談ではメルケル首相が譲歩し「義務的ではなく、自発的な形での民間金融機関の関与」を求めました。しかしヌーナン財務相のインタビューがあった同じ日、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は「ギリシャ支援パッケージにおける債券保有者の役割については7月11日の定例の財務相会合で決定される。」とも発言しています。という事はまだまだ予断を許さない  とも理解出来ます。

*今後のアイルランドの動向に注意

ヌーナン財務相はECBの了解なしに独断でアイルランドが両行の優先債保有者に損失負担を強いることはしない  としているものの、既に劣後債(ジュニア債)保有者は90%近い(元本9割削減)ヘアーカット率という苦汁を受け入れているので、今後優先債保有者に対する扱い方が更に議論される事は避けられないのかもしれません。

ここからどうなるか分かりませんが、このアイルランドの強硬な態度はギリシャ危機やその対処の仕方にも大きな影響を与える可能性があるので、要注意  といえます。



それでは今週もお疲れ様でした。ジムに行ってサウナに入ってきます 

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[ 2011/06/17 23:12 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(2)

元気がない英国経済 その2

昨年からずっと隔週火曜日に担当させて頂いておりましたセントラル短資FX(株)さんのコラム すこしFX ☆ なが~くFX が、4月より隔週金曜日に マーケット・ビューでも連載させて頂く事になりました 

ギリシャ問題に関する報道を聞き飽きた読者の方も多いかと思いますので、前回の記事ではギリシャの影に隠れてなかなか表面に出てこない 「低迷を続ける英国経済」について書いてみました。そして先週IMFが英国の経済/財政/金融政策に関する報告書を発表しました。

本日はその報告書の内容、そしてそれに対する私自身の考え方を書いてみました 

このブログの左上 すこしFX ☆ なが~くFX バナー をクリックして是非お読みください! 
よろしく~
[ 2011/06/17 21:47 ] 経済 | TB(-) | CM(0)

メルケル発言

うわ...................................................

メルケルさん発言出てきましたね

will ensure that any involvement of the private sector is decided in coordination with the ECB, Chancellor Angela Merkel said on Friday.

Wants involvement of private creditors on a voluntary basis


これだけ見る限り、サルコジの勝ちですか?

まだ全文出てきてないので、また出たら書きます

[ 2011/06/17 19:18 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

メルケル/サルコジ会談 その2

下の記事の続きです。

*ドイツが主張する「民間投資家の関与」度合い

来週予定されているEUサミットに先駆けて、日曜日からユーロ圏財務相会合が開催されます。そこでも話し合われる筈ですが、現在市場で分かっている範囲でのドイツが主張する「民間投資家による関与」度合いですが、

既存のギリシャ国債の満期期間を7年間へ延長し、その間にギリシャに体力をつけさせる時間稼ぎ案

それに対し ECBやフランスは7年という期間延長を強制することには大反対  で、手持ちのギリシャ国債の満期が来たら民間投資家はその資金を新規のギリシャ国債の買い替えに使用するよう呼びかける 、しかし新規の買い替えに関してはあくまでも投資家達の自主的な行動に任せ強制はしない という内容

ECBやフランスが一番恐れている  のは、ここで国債期間延長などのリプロファイリングなどの強制手段を取った場合、それがアイルランドやポルトガルへと新たなドミノ倒し現象を起こし、欧州内の金融機関の体力を一気に奪ってしまう点、そして現在世界最低の格付けを課せられたギリシャ国債がデフォルトとみなされる為、そのデフォルトの波がアイルランドやポルトガルへと飛び火  するにはそう時間がかからない点、ギリシャ国債を大量に抱えているECBそのもののバランス・シートの劣化など 数え上げたらキリがありません。

*ギリシャ債務危機は世界の危機

もはやギリシャ問題はユーロ圏/欧州の問題を通り越し、「世界の危機」 となってしまいました。

昨日私はテレビを見ていたのですが、CNBCでは米ホワイト・ハウスの報道官がギリシャ問題に関して言及していたのを目にしました。それからチャンネルを変えてBBCやスカイテレビのニュースを見たら、驚く事  に両方とも相当の時間を割いて「ギリシャ債務問題、デフォルトは避けられるのか?」というような内容の報道を経済専門家も交えてやっていたことです。BBCとスカイが両方あれだけの時間を割いて報道するという事は、既に何か私達一般人が知りえない「ヤバイ」ことが起こりつつあるのかな... と心配  してしまった私です。

メルケル/サルコジさん達の共同記者会見が待たれます。

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[ 2011/06/17 19:14 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

メルケル/サルコジ会談

昨日はトリシェECB総裁の後任となる伊ドラギ氏と会談、そして本日は仏サルコジ大統領 との会談と大忙しの独メルケル首相。この2人の会談には世界中の関心 が集まっています。共同記者会見はあと30分以内だそうです。

*別居中  のメルケル/サルコジ両人の間柄

この2人を夫婦に例えるなら、この半年以上は「別居中」 の状態。この両人の性格が全く違うこともあるようで、以前は隔月に行われていた両国の政府高官同士の会合も現在は行われていない様子。巷の噂では、ドイツはフランスに何の相談もなく 1)日本のフクシマ原発事故を受けドイツ政府が2022年までに国内の全ての原発廃止を決定した 2)リビアに対する軍事介入に関し国連安保理決議を棄権した ことなどが両国の関係をますます遠ざけた  理由と言われています。

不仲説はギリシャ救済方法でも同じで、両国の意見は真っ二つに別れたまま 。ドイツはもうここまで来たらギリシャ救済への民間投資家の関与は避けられないと主張する一方、フランスやECBは投資家負担を強制すればデフォルト(債務不履行)を引き起こしかねないと反発。

この関係の難しいところは離婚出来ない点でしょうか

*嫌われ役のドイツ

そもそも1年前から騒いでいるギリシャから端を発したユーロ圏債務危機。救済に一番貢献しているドイツはユーロ圏の嫌われ者となっています 。 特にECBは、加盟国の財政政策の失策を最小限に食い止める為、PIGS各国の国債買い支えという屈辱的な役割を強制され、持って行き場のない怒り  を感じていることは周知の事実。

*四面楚歌になりかねないメルケル首相

本日の独仏サミットで、万が一メルケル首相がギリシャ救済に対しサルコジさんやECBが主張する「民間投資家の関与は避ける」という案に譲歩した場合は、ドイツ国内での反発  を真っ向から受けるのは必須。

この本日の会合に先駆けて、ショイブレ財務相は他のユーロ圏財務相達を意見調節を今週火曜日から行っていたようですが、ドイツが主張する「民間投資家の関与」に関しては一部の加盟国がある程度その意見に合意してはいるものの、具体的な関与の度合いでは最終的な合意は得られず。

残りは別記事で。まずこれだけ更新しますね

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[ 2011/06/17 18:46 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
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