現在の相場には全く関係ない内容ですが、米WSJ紙でおもしろい記事を発見

したのでご紹介します。
それはこのブログでもカテゴリーとして設けている政府系投資ファンド: SWF
この記事ではリビアのSWFと米ゴールドマン・サックス(GS)との関係を書いています。
*中東の威力まず SWFって何?という方は、
このブログ左側にある「カテゴリー欄」から 政府系投資ファンド SWFというところをクリックして、過去に書いた関連記事をお読み下さい。
世界各地に存在するSWFの全資産のうち、

6割以上が中東地域から出ていると言われています。日本に住んでいると中東基盤のSWFの威力をまざまざと見せ付けられる事はあまりないのかもしれませんが、イギリスでは大手のスーパー、銀行、デパートなど 「イギリスを代表するブランド」

の株式はこれら中東基盤のSWFにより相当数買占められていたり、完全に乗っ取られてしまったりしています。
このブログでも記事を書きましたが、カタール首長も
英国を公式訪問 しており、ますます英国企業の買収や株式取得が今後も増えそうです。
このWSJ紙に載っている表によると、リビアSWFの規模 (黄緑でハイライトされている部分) は530億ドル(2011年6月時点)。

ちなみに写真に載っている2人の男性は、左側がガダフィー大佐の後継者とされている次男だか3男。この人は英国のLSE (London School of Economics and Political Science)で博士号を取得しており、英語ペラペラ。
右側の男性はリビアSWFのトップだった男性
*世界金融危機時に決定されたリビアSWFからの投資依頼この記事によりますと、2007年夏に発生した米サブプライム問題

が徐々に深刻化してきた2008年前半に、リビアSWFはGSに対し13億ドル規模の投資を依頼したようです。GSが選択した投資先は2番目のグラフに載っています。
それによると2008年1~6月の間に総額13億ドルの投資依頼

GSは金融・エネルギー関連株と新興国通貨のオプションを購入するため投資資金を配分

通貨オプションに関しては、新興国の具体的な名前は分からず

株式は米シティー銀行、仏フランス電力公社、伊ユニ・クレジット銀行、伊ENI石油・ガス会社、スペイン・サンタンデール銀行、独アリアンツ保険 となっています。
*最悪の時期
に投資依頼先ほども書きましたが、2008年に投資を開始して儲かったファンドってあるのかな?別にGSの肩を持っている訳ではないですが、この年の秋にリーマン・ブラザーズが破綻したくらいですから、リビアの投資を開始したのと同時に世界同時株価暴落

が起こっていたことになります。
当然GSが投資した株式はどの銘柄も暴落を極め、2008年に投資した13億ドルは2010年2月の時点で2,500万ドルにまで減少

。ヒドイ話しだわ、98%の損失



マージンコール以下ですね、こりゃ
*私がこの記事でお伝えしたいこと私がシティーで働いていた当時から、これら中東SWFは為替市場でも大きな影響力を発揮していました。ヘッジファンドとは違い、そうそう度々市場に登場する訳ではないのですが、一旦登場すると出てくる玉の大きさが半端じゃありませんでした。そして1日だけでなく数日に渡りじっくりひっそりオーダーを置いていました。
どうしてここで買うの?売るの?

と首を傾げたくなるような取引も多数あり

、ファンダメンタルズもテクニカルを完全無視かよ

って思ったことがあります。最終的には彼らの莫大な玉によりその通貨のトレンドが理由もなく変更される場面も見ました。これはその玉を握っている銀行にしか分からない動きなので、それ以外の市場参加者に取っては 「なに~~~、この動き

。全然理にかなってないじゃねぇか~~~!くそったれ

」となり F Word が出てくる訳です。
具体的な名前や規模は書けませんが、彼らが本気で玉を出してくる場合、私達個人投資家が束になってかかっても「ミジンコ以下」となる可能性もあります。
つまりこういう膨大な玉が市場に出てきている時に、私達一般投資家はその玉の存在を知る由もありません。なんだか市場の動きが理解不能だなぁと感じた時は自分のポジションを一旦整理し、違う角度から相場を眺めたり流れが自分の波長と合うまでお休みすることも大切だと思います。
もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ

御願いします!
人気blogランキングへ
にほんブログ村
こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!