週末に行われた独ハンブルグ州議会選挙で大敗を喫した
メルケル首相率いる連立与党政権。
ユーロ圏危機に於けるドイツの立場を頑強なものにするには欠かせなかったウェーバー独連銀総裁によるECB総裁就任。しかしその夢

も同氏の辞任により無残にも敗れました。ユーロ圏、そしてドイツ国内ともに問題山積みのメルケル首相。今回は
その1の続編としてECB総裁人事とメルケル首相が取った行動について書いてみたいと思います。
*ECB副総裁人事の裏側昨年3月に欧州中銀(ECB)副総裁に就任したコンスタンシオ前ポルトガル中銀総裁。同氏の副総裁就任に一番力を入れたのが他でもないメルケル首相。どうしてECBの「副」総裁人事にメルケル首相がそんなに頑張っちゃうわけ

と私も不思議に思いました。その理由として挙げられていたのが、北/南欧州によるECB人事配分だったようです。

副総裁は ’ユーロ加盟国の弱小国(南欧州)’から選出

ECBの長である総裁は ’加盟国の優等生である北欧州’ から選出しましょう

オランダ、フランスと総裁を出しているので、次はドイツで決まり!

そしてこの案には現在の総裁出身国であるフランスも同意した模様です。つまりメルケル首相は2011年秋のトリシェ総裁任期切れ後の「ウェーバーECB総裁人事」に関して昨年春から既にレールを敷いていたようです。
泣く子も黙るドイツ連銀の長がECB総裁になれば、ユーロ圏内最強のドイツ、そしてその長であるメルケル首相はますます発言力も影響力も増す

という計算だったのでしょう。
しかし副総裁決定後、ギリシャ、アイルランドと矢継ぎ早にEU/IMFによる金融支援要請国が出現し

その対応のひとつとして禁じ手であった「ECBによる弱小国の国債買い取り」というオペレーションが始まってから、ウェーバー独連銀総裁を取り巻く環境に変化があった事はその1で説明しました。メルケル首相が敷いた「総裁人事のレール」から脱線するのは時間の問題だったのかもしれません。
*ウェーバー総裁辞任のタイミングこれが非常に悪いんです....

ギリシャ、アイルランドと続き ’次はポルトガル?’ はたまた ’スペインにまで拡大してしまうのか?’ ユーロ圏を取り巻く環境がとことん不安定

である今、突然の辞任決定によりドイツの発言力が弱めることが考えられます。ユーロ危機に対する金融支援策の最大出資国であるドイツですから当然 「ドイツ国民の税金から救済資金が出ているのだから、ドイツ国民の声を反映した救済法、そしてドイツが良しとする財政政策を(ユーロ加盟各国が)受け入れるのが当然」 という態度になることは容易に想像がつきます。つまり確実にその見返り (加盟国の積極的な財政政策変更など) が形となって保証されない限り、ドイツ国民の税金は使わせません

という態度をメルケル首相は貫かなければ国内世論を自分の味方につける事は不可能です。
もしウェーバーさんがECB総裁になっていれば、メルケル首相は鬼に金棒

状態だった筈。しかしユーロ危機の真っ最中に突如と辞任してしまうウェーバー総裁の最悪の辞任のタイミングにより、メルケル首相はここからは孤立無援で他のユーロ加盟国達や欧州委員会のお偉方達を説得していく覚悟を決めなければなりません。
次回はこの辺りに焦点をあててみましょう!
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