欧州統合の産みの親とも言われているドロール前仏財務相/欧州委員長の有名な言葉があります。それは 「ドイツでは神様を信じない奴はいるけど、ドイツ連銀(ドイツ中央銀行)を信じない奴はいないんだ。」
それくらいドイツ人にとって連銀とは絶対的な存在なようです。
その連銀総裁であるウェーバー氏が先週突然辞任宣言

をし、ドイツ国内だけでなく欧州全体を揺るがせた事は日本でも報道されていると思います。たまたま昨日少し時間が出来たので、ウェーバー総裁早期辞任とその影響に関する新聞報道を中心に読んでいたら驚くことばかり!
早速本日から数回に渡り、私が感じたことを紹介してみたいと思います。
*ウェーバー総裁 任期終了前の突然の辞任 
辞任を決意した理由はまた後で書くとして、どうして「突然」という言葉を使ったのかを先に説明します。
ウェーバーさんはドイツ人ですので ’順を追って’ 辞任の決意をごく限られた人達に伝えたそうです。
まず先週火曜日(2月8日)にドイツ連銀上層部にこっそり伝えました

そのすぐ後 ウェーバー総裁が理事を勤める欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁へ辞任の意向を伝えました。メルケル首相には翌水曜日に伝えるつもりだったそうです。
しかし火曜日夜半になり、連銀内部又はECB内部のどこからかウェーバー総裁辞任の噂が流れ出し、水曜日朝になると
その噂が市場に一気に流れ出しました。メルケル首相はウェーバー総裁辞任の報告を議会の真っ最中に側近から伝えられ 滝汗状態



だったとも報道されています。寝耳に水とは正にこのことでしょう。
*どうして2012年の任期切れを待たずに辞任を決意したのか?ウェーバーさんが独スピーゲル紙と行ったインタビューを紹介します。
・連銀総裁としての辞任について「ドイツ連銀総裁として7年もやってきた。単一通貨ユーロが誕生しそれを軌道に乗せ、単一通貨のあり方についてもドイツ連銀の見解を常に伝えて来た。自分としては連銀総裁としての役割を十分にこなしたと信じたい。ユーロ加盟国の他の中央銀行総裁の任期は1期のみの国が多い。私も2期連続で総裁になる必要を感じていない。正直、私の辞任がここまで大きなニュースになっていることに自分ながら驚いている。」
・欧州連銀次期総裁候補としての立場「欧州中銀(ECB)は欧州安定の要である。まだ中央銀行としての歴史は浅いが、最近のユーロ危機を巡って立派な決断を下してきた。ECB総裁とは、単一通貨ユーロを守る為、そして現在ユーロを取り巻く危機解決に対して特別な役割を果たしている。しかし危機解決手段に対し反対の姿勢を取っている者 (=ウェーバー総裁自身

同氏はECBによる加盟国の国債買取に反対しています) が その長になり危機解決に臨んでいれば、当然ECB自身の信用性を損なうことに繋がる。」
・メルケル首相と同氏の個別会談「私は慎重の上にも. 慎重を重ねて今回の決断を下した。ECB理事の中でもユーロ加盟国の国債買取りに対して反対していたのは私だけだった。私のようにインフレに対し厳しすぎるくらい厳しい見方をしている人間はECBの中に誰ひとりとしていなかった。たった一人で頑張り続けた私が(他の支持者もいない)ECBの総裁という立場に就任する事は不可能だと気が付いた。」

これに加え、同氏は直接インタビューの席では語っていませんが他の報道によると、同氏がユーロ加盟国の国債買取に反対したことを受け、ユーロ加盟国の一部の国の政治家からも多大なプレッシャーや野次を浴びせられたとも書かれています。
次回の記事では(いつになるかな....

) ECB総裁人事、それに関するメルケル首相の取った行動などに焦点を当ててみたいと思います。お楽しみに!
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