昨日 英中銀は政策金利(0.5%) 量的緩和策枠(2,000億ポンド)共に据え置きを決定しました。MPCによる結果発表に先駆けてロイター社が行った63名のエコノミストに対するアンケートでも、63名全員が据え置きを予想。63名のうち49名が「2011年末までには利上げに踏み切るだろう」と予想しており、利上げ時期としての一番人気は今年11月となっています。その中で一部の銀行 (モルガンスタンレー、JPモルガン、ドイツ銀行、UBS、野村)は利上げ時期を9月より前 としている様子です。
*どうして利上げしないの 
年内にはインフレ率が5%にまで上昇する可能性

を示唆した英中銀総裁:キング氏、それでも利上げに動かない英中銀、そしてキング総裁自身に対する世界中の非難について何度かこのブログでも記事にしました。本来ならば英中銀はとっくの昔に利上げしていて当然。しかし既に約2年に渡り歴史的低金利である0.5%を維持しています。
現在の英国に於ける優先順位は赤字削減、つまり超緊縮財政政策の実行です。その為にはインフレ沈静化よりも景気回復優先とならざるを得ない事は誰もが承知している事でしょう。しかしそれでは英中銀の信頼性がとことん地に落ちるのではないか?という心配も聞こえてきます。
果たしてここからの英政策金利予想は一体どうなっているのでしょうか?本日の英テレグラフ紙におもしろいチャートが出ていたのでご紹介します。
*今年11月が最初の利上げとなるのか?このチャートをご覧下さい。

一番最初のものは、エコノミストの平均予想です。
現在 0.5%の金利が、11月に0.75%へ利上げ ⇒ その後 2012年2月に1.0% ⇒ 2012年5月に1.50% ⇒ 2012年8月に1.75% ⇒ 2012年11月に2.0%へ利上げ となっています
2番目のチャートは キャピタル・エコノミックス社の予想です。まず最初のチャートの平均予想を黒線とし、キャピタル・エコノミックスの予想を赤い棒線グラフで示したものです。おもしろい事に、ここは現在の0.5%を2013年1月までずっと継続 ⇒ 2013年2月に1.00%へ利上げ と予想
3番目のチャートはアーネスト&ヤング・アイテムクラブの予想です。2番目のチャート同様に最初のチャートの平均予想を黒線としてます。赤い棒線グラフを見ると、この人達は現在の0.5%を2012年7月まで継続 ⇒ 2012年8月に0.75%へ利上げ ⇒ 2012年11月に1.0% となっています。
4番目は英HSBC銀行の予想です。2番目のチャート同様に最初のチャートの平均予想を黒線としてます。赤い棒線グラフを見ると、この銀行は現在の0.5%を2012年1月まで継続 ⇒ 2012年2月に0.75%へ利上げ ⇒ 2012年5月に1.0% ⇒ 2012年8月に1.50% ⇒ 2012年11月に2.0%への利上げ となっています。
5番目はヘンダーソン・グローバル・インベスターズ社の予想です。2番目のチャート同様に最初のチャートの平均予想を黒線としてます。赤い棒線グラフを見ると、この銀行は来月(3月)に0.75%へ利上げ ⇒ 5月に1.0% ⇒ 8月に1.5% ⇒ 11月に2.0%への利上げ となり、その後ずっと2.0%で据え置きとなっています。
最後は米ウェルズ・ファーゴ銀行の予想です。2番目のチャート同様に最初のチャートの平均予想を黒線としてます。赤い棒線グラフを見ると、この銀行は現在の0.5%を10月まで継続 ⇒ 11月に0.75%へ利上げ ⇒ 2012年2月に1.5% ⇒ 2012年5月に2.25% ⇒ 2012年8月に3.0%への利上げ となっています。
個人的には、まず来週の英中銀四半期インフレーション・レポート、そして昨日の英中銀MPCの議事録公開。そして今月25日に予定されている英第4四半期GDP改訂値 これらを全て総合して、今後の金融政策予想を出したいと思います。今 この瞬間だけに限って言えば、今 利上げしたら景気回復の芽を摘み取ってしまう事が心配だからです。出てくる数字全てが英景気の「健康度」に関して違ったシグナルを送ってくる事自体、やはり普通ではないと私は思っています。
もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ

御願いします!
人気blogランキングへ
にほんブログ村
こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!