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英中銀の苦悩

NYタイムス紙のキング総裁批判記事 を斜め読みしてみました。タイトルは ずばり

A Crisis of Faith in Britain's Central Banker
(英中銀総裁の決断を信頼すべきかどうかの正当性、総裁に対する信頼性危機)

「中央銀行総裁というものは愛される必要はないだろうが、尊敬を集める (一国の中央銀行総裁としての決断/判断力の正確さに対する信頼性やそれが根底となる敬意/尊敬) 立場でなければならない。最近の(英中銀の)キング総裁にはどちらもないようである。」

この記事は昨日のNYタイムス紙ビジネス欄の一面で紹介されただけでなく、本日は ヘラルド・トリビューン紙国国際版の一面を飾っているそうです。

*この記事の「本当の目的」は何なのか?

ざっと読んでみたところ、特に「目立って真新しい」事実が紹介されている訳ではありません。唯一私も同感だ!と思った点は、キング総裁はご自分の担当である金融政策だけでなく、政府の財政政策にも関与しすぎている点です。しかし英国では何度も語りつくされてきた点を、NYタイムス紙たる世界的に有名な新聞がこれだけショッキング  なタイトルで一方的にキング総裁攻撃  に出る必要があるのでしょうか?

一部の関係者によると、以前MPCの理事を務めていたブランチフラワー氏が同紙に働きかけた結果だ......とする声も聞こえてくるようです。私のこのブログでも過去に何度か、同氏がキング総裁に対し辞任を迫った事実を記事にしています。

*木曜日の英中銀金融政策理事会(MPC)予想

このすぐ下の記事では、影のMPCが5対4で 0.5%から一気に1.0%への利上げを決定したと書きました。

私は個人的に今月は政策金利、量的緩和策の枠 共に据え置きを予想しています。

ブルーンバーグ社が行った62名のエコノミストを対象としたアンケートの結果も、62名全員が据え置きを予想しています。

来週発表される英中銀四半期インフレーション・レポートの内容は、今週MPC開催時には ほぼ全部判明していると思います。たぶん相当インフレ上昇懸念を含んだ内容となっている筈ですので、もしかしたら1月の2(利上げ)対7(据え置き)  今月は更なる利上げ派の増加 という可能性は十分にあるかと思います。その場合、この記事 でも書かせて頂きましたが、英中銀内部からの理事が「利上げ派」に寝返りを打った場合は一気に利上げ早期実施論が浮上してくる可能性が増す事になるでしょう。

現在のところ、年後半に利上げ(8月か11月)という見方が一般的ですが、一部の銀行は利上げ時期を5月に前倒ししはじめて来ています。

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[ 2011/02/07 23:14 ] 英中央銀行 | TB(-) | CM(0)

影のMPCの投票結果

お早ようございます 
久し振りのブログ更新です。鼻血で悩んでいると先週ブログに書きましたら、コメントやメイル・フォームを通じて暖かいお言葉を頂き、本当に感謝しています。土曜日にプライベートの専門医に診て頂き、鼻の中の皮膚を焼くというのかな?局部麻酔をかけて焼いてくれました。とりあえず1週間様子を見て、また今度の土曜日に診察です。その合間を縫って、今日は血液検査に行きました。木曜日は英国の国民保険による一般医のところに行きます。少しバタバタしそうですが、結果が出たらまたご報告します。この場をお借りして、コメントを頂いた皆様へのお返事とかえさせて頂きます 

*影のMPCの投票結果

このブログに何度も登場している「影のMPC」。既に 「私 その名前知ってま~~す!」 という方も多いと思いますが、念の為に説明文を加えます。

影のMPCとは 英経済問題研究所 (IEA Institute of Economic Affairs) が構成するMPC、メンバーは 大学教授、金融機関/経済研究所の主任エコノミストが ほとんど。影のMPCの設立は1997年、これは 現労働党政権発足後 英中央銀行に独立権限が与えられたのと同じ年。

英中銀MPCは 毎月第1木曜日に金融政策変更の発表をしますが この影のMPCは その数日前に独自の会合を開き 「結果 と 議事録」 を同時に発表。つまり 影のMPCの結果は 英中銀MPCの結果より 最低1日以上早く出るという事になります。影のMPCの決定結果は 的中率が非常に高いので マーケットも無視出来ない状態です

英経済問題研究所(IEA Institute of Economic Affairs)は 1955年に設立されたシンクタンクであり 現在でも非営利団体という形態を取りながら政策研究を展開しています。ここが発表する英経済見通しは マーケットが一番注目しているものです。同様のシンクタンクとしては アメリカの ブルッキングス研究所が有名です


今週木曜日に英中銀金融政策理事会(MPC)で政策金利と量的緩和策に関しての政策発表があります。それに先駆けて行われた影のMPCの投票結果は 5対4 で 利上げ  それも現行の+0.5%から一気に +1.0%へという利上げです。

ちなみに過去の投票結果の配分は

今年1月 利上げ 3 対 据え置き 6
昨年12月 利上げ 4 対 据え置き 5
となっています。12月の時はギリギリで据え置き  だったのが、1月になると 据え置き派が増加 。これは1月に実施されたVAT上げの影響以上に「大雪による」景気低迷を先取りした動きと思われます。

*利上げ派の意見

来週15日に発表予定の2011年1月分英インフレ率。12月分は+3.7%となり、予想よりはるかに高いインフレ率となってしまいました 。 まだ1月分のCPI予想は公になっていませんが、(1月のVAT上げの影響もあり)+4.5%  という数字を出しているエコノミストもいるようです。

先月のMPCでは利上げ派が2名に増えた (関連記事) 事を見ても判るように、英中銀MPC理事達にとっても次の一手は「利上げ」派が増えつつある事を物語っています。

*据え置き派の意見

英景気回復の足取りは未だに不安定である事を挙げています。もしこの状態で利上げに踏み切った場合、中小企業だけでなく大企業も苦戦を強いられる事は避けられそうにありません。今後注目すべき数字はインフレ率そのものよりも、賃金上昇率重視という姿勢を取っており、この意見には私自身も非常に同意しているんですよ 

英景気以外の理由としては、昨年秋に提起された金融業界の規制強化策である「バーゼル3」が実施された場合、ただでさえ貸し渋りが心配されている英金融機関が、更なる貸し渋りに走る事も考えらます。この規制強化策導入による世界的なマネー収縮や信用収縮が起こった場合、これは英国だけでなく世界的な景気減速の引き金になる可能性をはらんでいます。

個人消費に関しては、1月に実施されたVAT上げの影響で消費低迷懸念が生じるだけでなく、国民の生活の質の低下も囁かれて始めました。どうにかしてくれ~~ 

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[ 2011/02/07 22:16 ] 英中央銀行 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
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