その1では、先週起こったデモの経緯について書きました。
その2では、今回のエジプトの暴動が他の中東諸国に及ぼすかもしれないドミノ倒し的影響に的を絞ってみたいと思います。
*次はどの国?
西のチュニジアから東のイエメンまで、反政府運動の影響がドミノ倒し的に波及するのかが懸念されています。
そもそもどうしてアラブ各国では反政府運動の動きがここまで激しさを増したのかと言えば、エジプトで警察官により撲殺された青年の例を見てもわかるように、アラブの指導者達は警察を支配下に置き常に反政府勢力が高まらないよう監視しています。アラブの世界には民主国家が行っているような「選挙」が存在しない国もたくさんあり、クーデターなどをきっかけに政権の座を乗っ取り、何十年も権力を思いのままに操る指導者達がたくさんいます。例えばエジプトのムバラク大統領は40年間、リビアのカダフィ大佐は41年間、そして先日サウジアラビアに亡命したチュニジアのベンアリ大統領は23年間、イエメンのサレハ大統領は32年間 それぞれ長期政権を維持してきました。
事の始まりは、チュニジアのベンアリ大統領独裁体制が民衆の力で崩壊された事がきっかけとなりました。チュニジアの民衆は高失業率や貧困に対してだけでなく、ベンアリ大統領が自分の後継者として妻のレイラ女史を選んだ事に対しても怒りをあらわにしました。

クウェートでは高インフレの影響で国民生活が圧迫され不満が高まっていました。サバハ首長は国民の怒りを静める為に、建国50周年のご祝儀として国民全員に現金と無料の食料品支給に踏み切りました。

イエメンで32年間ずっと大統領の座についているアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領。高齢を理由に大統領の座を長男:アフメット氏に譲ると公言し、それに対し国民が抗議デモを行いました。

9月に大統領選を控えるエジプトでは、ムバラク大統領の次男ガマル氏の出馬の可能性に対しても反発が高まっています。

ヨルダンではリファイ首相の退陣および議会解散を要求する大規模な反政府デモが行われました。

リビアではカダフィ大佐の独裁体制の影響で国民による抗議デモは禁止されています。しかしホームレスの人達による抗議デモが起こり、カダフィー大佐はこの動きを静める為に150億ドルという大規模な住宅開発計画を約束しました。
カダフィ大佐の後継者選びも今後注目されるイベントとなりそうです。現在のところ 次男か四男の名前が候補として挙がっているようです。

サウジアラビア、モロッコ、UAEの各国は中東地域でも比較的安定した国です。先ほども書きましたが、アラブの世界では後継者は選挙で選ぶのではなく、伝統的に在職者の兄弟や息子に譲るのが普通です。今回のドミノ的な抗議デモを受けて比較的穏やかなサウジなども、後継者選びの際には国民の抗議デモが起こる可能性は排除出来なくなりました。
*ここからのエジプト今後考えられる可能性としては3つ
1)中東各国の民主化促進
2)第2のイラン革命がエジプトで起きイスラム政権が誕生

(これに関しては その3で書きます)
3)親イスラエル路線のムバラク大統領が失脚し、第5次中東戦争勃発

新たなイスラエルとアラブ国家との紛争

明日火曜日にカイロで100万人規模の大きな抗議デモが行われるようです。ムバラク大統領退陣要求はどんどんエスカレートしており、エジプト・アレキサンドリアでは「ムバラク暗殺要求デモ」

の動きが出てき始めたようです。
BBCニュースで言ってましたが、エジプトでは学校、会社、銀行、商店など全てが閉まっているので、現金引き出し用のキャッシュ・マシーンも使えない状態が続いているそうです。そんな事が日本やイギリスで起きたら大事件ですが、カイロでインタビューに応じたオジサンが言うには、エジプトという国は隣近所が助け合って生きていく国なので、現金がなくても食料品がある人はそれを、お水がある人はそれを、隣近所で分け合うそうです。いいですね
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