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ギリシャに関する「欧州版ブレイディ構想」

欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)はギリシャの債務に対し「欧州版ブレイディ構想」で合意する見通しのようです。今週金曜日開催されるEUサミットでユーロ危機対策について議論する予定ですが、今回のギリシャ債務に関する協議も同時に行われると理解してよさそうです。

*「欧州版ブレイディ構想」とは?

私はFT紙の記事を読んでいますのでそれを元に書き進めて行きます。報道によると3段階の「欧州版ブレイディ構想」によりギリシャ債券の再編プランのようです。

第一段階
欧州金融安定化基金   http://www.saisonfx.com/column/20101207.html の一部であるEFSF(欧州金融安定ファシリティー)より最大500億ユーロの融資を受ける

これを使用してECBや民間が保有するギリシャ国債を買い戻す (この際のヘアーカット率 は25~30%)

第二段階
既にギリシャが別枠で欧州/IMFから受け取っている1,100億ユーロの緊急融資(2010年5月決定) に関しては、満期を現行の3年間から30年に延長する (マジかい? )。そして融資金利も現行の5.5%より低めに設定する

第三段階
1000億ユーロを上回る民間債券保有者は15-20年の間で償還期間の延長を選択することが可能となる


 ヘアーカットの意味:(過去記事から抜粋)
欧州の金融機関は ECBから資金供給を受ける際、債券を担保として差し出します。その債券が 投資適格の格付けの場合 ヘアカット率は低い  例えですが 0~3%とか (この意味は 担保として差し入れた債券の額面満額の100%から97%の資金供給を受けられる) です。しかし 格付けが低い債券の場合 ヘアカット率は高くなります  例えば 8~12%とか (この意味は 担保としえ差し入れた債券の額面満額の 92~88%の資金供給を受けられる) という具合です。つまり ヘアカット率上昇  資金供給受け入れ額 減少 という関係ですね。

しつこく繰り返します。
格付けが低い  将来の資産価値の下落が見込まれる  担保評価の際に その分を差し引いて考える必要性が出てくる  掛け目を差し引く   ヘアカット


先週木曜日時点でのギリシャ10年債ヘアーカット率は29%なので、25~30%という掛け目は妥当な線でしょう。

ギリシャの債務残高は3,300億ユーロと言われており、今回のこの計画が実行に移されれば、債務残高の約15~20%が再編対象となり、来年からはギリシャは自力で国際市場から資金調達が可能になる とされているようです (個人的には考えが甘いと思いますが....

*ドイツの反応

ギリシャ債務に関して上記の変更が正式に行われる為には、ユーロ加盟国全体の合意が必要となります。ある報道を読むとドイツのメルケル首相もショイブレ財務相も、この案に賛成していると書かれていますが、他の報道を読むとドイツは完全に合意した訳ではない とも書かれています。
  
この「完全に合意した訳ではない」の意味ですが、ギリシャ債務再編には合意したとしても、EFSFを一定国の債券買取を手段として使用する事に関して合意出来ない という意味のようです。

*「欧州版ブレイディ構想」の効果は?

ギリシャ国債の保有者はほとんどが欧州中銀と欧州系銀行だそうです。ヘアーカット率 25~30%となると、(ECBは別にして)民間国債保有者が果たして損失覚悟の債券売りをするのでしょうか?

100歩譲って「欧州版ブレイディ構想」がスムーズに実行されたと仮定した場合、ギリシャ政府は約125億ユーロの利払い節約  となる計算だそうです。現在のところ2013年度に於けるギリシャの公的債務残高対GDPは158%と言われていますが、「欧州版ブレイディ構想」による125億ユーロの節約分を引いても、公的債務残高対GDPは153%になるだけです 

果たしてこれが「素晴らしい効果を生む」期待ワクワク  の構想と呼ぶに値するのかどうか?
それはEUサミットを待つしかありません。


ウワ~~ 遅くなってしまった~~  これから月曜日恒例の算数教室へ行って来ま~す! 頑張ってね~ 


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[ 2011/01/31 21:49 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ユーロに関するサーベイ

欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)はギリシャの債務に対し「欧州版ブレイディ構想」で合意する見通しのようです。これに関しては時間を作って後ほど書く予定ですが、それよりもっと面白い記事をFT紙で見つけたのでご紹介します。

*世界的なブルーチップ企業、投資銀行、ヘッジファンド、SWF(政府系投資ファンド)のトップ 461名を対象に、RBC Capital(カナダ系銀行)が行ったサーベイ

・ユーロ加盟国の一部が今後3年以内にユーロから脱落すると予想  85% 
・ユーロ圏が今後3年以内に崩壊する  60% 

PIGS諸国籍のトップ達だけを対象にしたインタビューでは、こんな懸念を洩らしていたようです
・債務問題は自国の経済成長を鈍化させている 
・ドイツが強い成長率を示している為、欧州中央銀行の政策金利決定にかかわる人達の間では政策金利を上げるべきか、現状維持を継続するかの選択に関し、強いジレンマが生じている 

ユーロ圏以外に関しては
・自国の赤字レベルに対して多大な懸念を持っている 46%
・米英籍のトップ達に限って言えば、60%が同様の懸念を持っていると答えています


*私の感想

私自身、ユーロ崩壊 又は 形を変えて(一部加盟国の離脱により、現在のユーロ加盟国よりも少ない国の参加) ユーロ継続を考えていましたが、先週ダボスで行われた サルコジ君の演説、そしてやはりダボスで行われた独メルケル首相の演説 ('The euro is our currency. It is much more than just a currency, it is the embodiment of the Europe of today,” )を聞いて、もしかしたら私は彼らが唱える「欧州の心理」というものをとことん誤解しているのではないか?と心配になりました 

英国も欧州の一部ですし EUに加盟しているのだから、欧州の心が理解出来ないなんて少しおかしいのでは?という疑問を持たれるかもしれませんね。でも英国に住んでみて判った事は、英国人はヨーロッパ人でもなんでもなく、「英国人」なんです 笑。だからヨーロッパ大陸に行く度に、いろいろな意味で温度差を感じて帰ってきます。

しかし今回のこのサーベイを見る限り、私の感じていた ユーロの将来 と似たような予想をトップの人達がしている事を知り、少しだけ安心  したのも事実です。

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[ 2011/01/31 20:04 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(2)

ムバラク独裁政権打倒デモ その1

himobakaさんからコメント欄を通じて、こんな質問を頂戴しました。少し長くなりますがお許し下さい。

私も英国のラジオを生で聴いていますが、エジプト情勢を頻繁に流していますね。そちら英国ではどのような扱いになっているのでしょうか。 先日のチュニジアの革命で大きな刺激を受けた形で周辺アラブ諸国に余波が続いています。はっきり言ってここまで大きなものになるとは思いませんでした。 両国とも政治的に不条理な独裁政権の国家でして、不満が渦巻く中、何らかのきっかけでこうなることはある意味運命だったのかも知れません。両国に共通している事情は、私なりに思うこととして一つ、それは外国に対して開かれた観光国のため、外の情報が庶民レベルで伝わっていたことと、インターネットが普及している事らしいです。

一方、チュニジアとエジプトの異なる点を挙げてみると、まず識字率が極端に違うこと。つまり、教育をまともに受けていない、文字を読めない人々がエジプトの場合は相当数いるので、チュニジアみたいにtwitterなどを駆使し、かつ、革命にしては比較的理性が働く、という事がエジプトの場合期待できないかもしれません。
 
チュニジアの場合はそれほどアメリカの関心を買っていない国でしたが、エジプトは訳が違います。まず、あの国にはスエズ運河というものがあり、欧州貿易の生命線です。 そして英国はエジプトの旧宗主国です。通貨もエジプトポンドです。この前の英GDPと今回のエジプトの件で上げ上げのポンドも転換の可能性もあるの?と思いたくもなります。
これでようやく明るくなりはじめた欧州(ドイツ)経済がくるって株価や通貨が暴落すれば、日本にだって影響を与えます。そして資源価格が暴騰する口実となりえます。オイルショックも中東戦争が発端でした。


先週、特に木曜日以降は英国のニュース報道はエジプト関連ニュースのみと言っても過言ではないほどです。私自身 全くエジプトについて勉強していなかった  ので、これを機会に今回の「反政府デモ」の背景、そしてその影響を調べてみました。最初の記事は、先週を振り返って起こった出来事を書いてみましょう。

*今回の反政府デモのきっかけ

先週火曜日はエジプトでは「警察の日」という祝日に当たっていました。
話しが少しずれますが、昨年6月エジプト・アレキサンドリアに住む28歳の男性(Khaled Saidさん)がいつも通うインターネット・カフェに行った所、2人の警察官がカフェに入ってきて、そこにいた人間全員に対し身分証明書を見せるよう要求したそうです。警察官にはそういう権限がないので、Khaledさんはその事を警察官に言ったそうです。それに腹を立てた警察官達は殴る蹴るの暴行を加え、Khaledさんを撲殺してしまいました。

エジプトはアラブ世界の中で一番フェイスブックが普及している国だそうです。このKhaledさん撲殺に腹を立てた人達がフェイスブックに独自のページを作成し、「今年の警察の日に反対集会をカイロで開こう!」と決定したようです。

もしその11日前にチュニジアで反政府抗議デモが行われていなければ、(Khaledさんを死に至らしめた)警察への抗議デモの為にカイロに集会した100~200人程度の若者達は街を練り歩くだけで終わった筈だったそうです。しかしチュニジア抗議デモ以降、エジプトの特に若者を取り囲む雰囲気に大きな変化が現れてきたそうです。

初日の火曜日、抗議デモはカイロ中心部で起こっただけでしたが、水曜日になると暴動がエジプト北東部にあるスエズにも拡大してきました。スエズ運河で有名なスエズは、石油タンカーの主要な航行ルートであるだけでなく、中国から西ヨーロッパへの輸出品のかなりがここを通じて運ばれています。そしてインド洋における海上の優位性を手に入れる為にも米国の戦略的海軍水路として重要な地位を占めています。この時点になって、アメリカ側もエジプトの動向に注意を配り始めました。
      
しかし木曜日になると、暴動は静かになってしまいました。たぶんムバラク大統領も としていたのかもしれません。

しかしこれは嵐の前の静けさだったのです。つまり木曜日は(火曜日に抗議デモに参加した)若者達がフェイスブックやTwitterを通じて新たな暴動の計画を立てていたからです。エジプトでフェイスブックは政府に対する反対勢力が集う場として機能していたという事ですね.....

彼らは金曜日を「憤怒の日」と名付け、大規模な抗議デモを計画しました。そしてそれはカイロやスエズだけに限らず、アレキサンドリアやルクソーにまで拡大したという訳です。
      
フェイスブックを通じて「憤怒の日」デモの集合場所や時間が判ると、若者達は街に練りだしました。ここで政府もはじめて、若者がフェイスブックを通じて情報交換していることを知り、即刻 インターネットと携帯電話ネットワークを遮断しました。しかし若者達はモスクを情報交換の場所として抗議デモを断行。

この時点になると、抗議の対象が「ムバラク退陣要求」へと変化しています。30年に及ぶムバラク大統領の独裁支配により貧困と失業に苦しむ国民が次々とデモに参加しドンドン規模が大きくなり暴動化して行きました。

この日の夕方から翌朝までエジプト主要都市では夜間外出禁止令が出されましたが、国民は全く無視です。

そしてこの日の夜中近くに、暴動が起きてからはじめてムバラク大統領がテレビを通して 現内閣退陣  新内閣樹立  エジプト国民の生活レベルの向上を約束。しかし肝心のムバラク大統領自身の辞任に関しては言及せず 


続きは その2で書きます。
お休みなさ~~い 

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[ 2011/01/31 09:27 ] 政治 | TB(-) | CM(0)

最近のユーロ上昇について

今日は! 今週に入ってから突然寒さが戻ってきました。ロンドンでは雪は降らないものの、日中最高気温が3度とか2度なのに加えて風が強いので、体感温度はマイナスです。もうこうなると夜寝ている間も24時間暖房をつけっぱなしにするしかないので、ガス代の請求書を見るのが恐い~ 

今週は水・木曜日と相場をちゃんと見られなかったのですが、最近のユーロの動きは乱高下しながらもジリジリと上値を伸ばしているのが気になります。

個人的には1.3570が上抜けしてから「果たしてユーロはどこまで上昇するのか」ずっと考えていました 。1.3570が抜けるまでは、ユーロ債務問題解決策が堂々巡りし、それがユーロの上昇を妨げるだろうという前提でユーロの戻り売りを繰り返していました。1.3570を上抜けた時点では、このブログのコメント欄を通して「ユーロ売りどうしましたか?」という質問を頂いたので、お答えもしました

私の答え:
ユーロ売りですが、1.3550~60台売りを何度か繰り返し、最後の残りの部分は1.3570台の半値戻しで切りました。
どうして損切りをしたのかという理由は、単純に半値戻しに達しただけでなく、ユーロ実効レートが今年1月4日につけた高値を金曜日終値で上抜けた点。それに加えて、直近高/安値の38.2%戻し (ユーロ実効レート) も上抜けた点。この両方の理由で一旦 ショート撤退を決めました。


その後連日ユーロ実効レートは上昇に次ぐ上昇を記録しており、このユーロ高は単なる「ドル安の影響」だけでなくなりつつあるように見えます。

*どうしてここに来てユーロ上昇に弾みがつき始めているのか?

これはあくまでも私の個人的な意見なのですが、トリシェ総裁のEFSFに関する発言が気になっているんです。

欧州の救済基金のひとつであるEFSF(欧州金融安定ファシリティー)に最大限の柔軟性を持たせる必要性を訴えている  その「柔軟性」のひとつとして 国債購入の権限を与える可能性を示唆 

現在ユーロ加盟国の国債買戻しを実行しているのは欧州中銀(ECB)です。もし今後 その役割がEFSFに移ってくれれば、債務問題で苦しむユーロ加盟国の国債残高がECBのバランスシートに残らなくなるという恩恵を受けることになります (ちなみに現在までにECBによる国債買い入れ額は760億ユーロ)。

ECBの国債買い入れに関する記事は過去に何度か書いています。特にこの2つの記事 (ECB国債買い入れに関する見方、 その2 )はお時間が許す限り再読頂けると嬉しい  です。
 
*トリシェさん

すみません、話しが前後してしまいました 

どうして私がトリシェさんのEFSFに関する発言が気になっているのか...なのですが、トリシェ総裁の任期は今年10月31日に切れます。もしかしたらご自分の任期が切れる前に「ユーロ加盟国の国債買取り」などというユーロ圏債務問題の尻拭い行為から綺麗さっぱりと足を洗って、ECBの使命である金融政策に専念したいのではないでしょうか?
Trichet.jpg

先日のECB理事会後の記者会見で何度もインフレ懸念について言及したトリシェさん (ブログ関連記事リンク
   
短期的には世界的な商品価格高騰により、インフレ上昇リスクが増した  中期的インフレ見通しに関しては、現在のところバランスが取れている  しかし今後も商品市場の価格上昇が継続するのであれば、中期的なインフレ上昇懸念に結びつくかもしれない という見方に変更しています。つまりECBはインフレ見通しのギアを高めに入れ替えたという言い方が出来るかと思います。

しかし商品価格以外の面からユーロ圏を眺めてみると、雇用市場は全く改善されておらず、各国の失業率も同様です。本日発表されたスペインの一番最近の失業率は若干悪化していました 

こんな状態で本当に欧州にインフレ懸念なんかが台頭してくるのか  と首を傾げたくなる気持ちも判りますが、今後のエネルギーや食料品などの商品価格上昇が速度を増した場合はトリシェ総裁任期切れ前の9月のECB理事会での利上げという事も全く不可能ではなくなるのかもしれません。

事実 トリシェ総裁のインフレ懸念発言を受け、一部の金融機関は「ECB利上げ時期」予想を従来の2012年第1四半期から2011年第3/4四半期へと前倒ししています。

*結論

今後も商品価格、特に原油と食料品、が上昇したままであり、同時にトリシェ総裁が呪文のようにEFSFによる国債買取権限の可能性について言及し続けるようであれば、市場はECBの早期利上げを織り込む動きが更に加速し、それがユーロのサポート要因となる点は忘れないようにしたいです。

2月と3月、両方にEUサミットが控えているので、この時期は要注意  ですね 


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[ 2011/01/28 23:45 ] 相場検証/予想 | TB(-) | CM(1)

欧州特別サミット開催???

ロイターがつい先ほど流したニュースによると、3月初旬にでも「欧州特別サミット」を開催し、そこでユーロや欧州支援策に関して話し合う可能性を示唆

ただ この記事によると、ここでいう「サミット」とはEU加盟国全体を指すのか、ユーロ圏(ユーロ加盟国のみ)を指すのか、不明みたいッス

ロイター記事リンク 


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[ 2011/01/28 23:23 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

内海元財務官の発言

内海元財務官は、私がまだシティーで働いていた当時は相当の影響力をお持ちの方でした。

その方がダウジョーンズのインタビューで 「円高のピークは打った。ドル円は今年6月までは 85~90円のレンジで推移し、その後年末に向けて95円に達するかもしれない。ユーロ円に関しては今後6ヶ月は115~125円というレンジで見ている」と発言。

この内海さん、昨年秋にドル円が80円台へ突入した時も全く同じ内容の発言 - 円高終焉 - をしています



内海さんとは全く反対の相場観をお持ちなのが、榊原元財務官。

最近お声を聞きませんが、昨年夏や秋には 「年内にドル円戦後最安値をつける + ユーロ円100円説」 を唱えておられました。ただ榊原さんの相場観をよく聞いていると、円高というよりはドル安、ユーロ安によるドル円やユーロ円レートの下落という感じみたいです。

*菅首相のブログ
 
全然相場に関係ありませんが、菅首相の 英語のブログ を発見!


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[ 2011/01/28 20:59 ] マーケット | TB(-) | CM(0)

ユーロに関する発言

中国:温家宝首相が「ユーロ債務問題で苦しむ欧州を今後も支援するつもりだ。特に今回の債務危機に於けるドイツの役割に対しサポートしたい」
この発言を受けてユーロが上昇

しかしつい今しがた、英キャメロン首相が 「ユーロ圏を脅かせている債務問題、それによるプレッシャーはますます増大するであろう。ドイツの納税者達も、どうして(ユーロ加盟国の債務を自分達の納めた税金によって)救済しなければならないのか疑問を持っているに違いない」なんて言ったので、ピタッと上昇が止まっています。

先日ブログのどこかで紹介した某米系投資銀行のユーロ買い推奨、ターゲット 1.37台に到着したのですが、一昨日かな?ターゲットを 1.4000へ修正しています。

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[ 2011/01/28 19:26 ] マーケット | TB(-) | CM(0)

格付け会社について その2

毎週金曜日に更新している「まね得」さんの連載!

先週と今週2週間に渡り「格付け会社について」記事を書いています。
先週は、格付け会社の後手に廻る対応の実例を説明しました。
今週は世界を騒がしているユーロ危機と格付け会社との関係を書いてみましたので、是非お読みください!

日本の格下げのタイミングには私自身も驚きました 。 ますます市場では「格付け会社」という言葉に敏感にならざるを得ませんね......

このブログ右上にある まね得連載のバナーをクリックして是非お読みいただけると嬉しいです 
[ 2011/01/28 18:23 ] マーケット | TB(-) | CM(4)

サルコジ君 ダボスで吼える

スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で出たがり :サルコジ大統領が演説をしました。

"Mrs. Merkel and I will never - do you hear me? - never, allow the euro to fail. Never will we allow the euro to be destroyed."

"To imagine that we might pull out shows a complete misunderstanding of the European psychology. It has to do with our identities as Europeans."

"The euro is Europe. Germany and France have known three barbaric wars. Now Europe is the most stable continent in the world. Therefore we will never let the euro go or be destroyed… To those who bet against the euro, I say: 'Careful, watch out for your money because we are fully determined to defend the euro."



強気です 、サルコジ君。
「ちゃんと聞いておけよ! メルケル女史と自分の目が黒いうちはユーロ崩壊なんて事は起きさせない! 私達がユーロという通貨を置き去りにしたりすると考えているなら、それは欧州の心理をとことん誤解しているとしか言いようがない。ドイツやフランスなどの欧州諸国は何十年もの間に3つの残忍な戦争を通じて敵味方となり戦ってきた。しかし現在のヨーロッパは世界でも最も安定している大陸に成り得た。我々ヨーロッパ人が今、共通して目指している事は平和と協力。ユーロはヨーロッパそのものだ。だから単一通貨:ユーロが消滅するとか崩壊する事はあり得ない。ユーロを売っている投機筋の人達に警告しよう、気をつけなさい!自分の資産管理には十分に注意する事だ。我々はとことんユーロを守る決心でいるのだから。」

同じダボス会議では、ソロスさんがやはりユーロについてポジティブな見解(ユーロは最終的には通貨として継続する)とネガティブな意見(欧州の二分化、債券保有者が損失を被ることなくアイルランドの国民にコストを負担させるのは不公平、2013年まで待つのは無理、加盟国のソブリン債の債務再編を遅らせるべきではないとの
 など)を次々に発して、ユーロ取引者は往復ビンタ状態だったようです。

 サルコジ大統領に関しては、もしかしたら今年の演説が(彼が大統領としての)最後のものとなるかもしれません。来年4月には仏大統領選が始まる為、その準備に大忙しとなるであろう  サルコジ君は果たしてダボス会議に足を向ける時間があるのでしょうか?

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[ 2011/01/28 12:30 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

マンデラ元南ア大統領、入院

水曜日に「定期健診」の為にケープタウンの病院を訪れたとされる南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領。通常の定期健診はその日のうちに終了する筈であるのに、同氏は翌日の今日、ヘリコプターでヨハネスブルグの病院へ運ばれました。それに加え、本日になってから元大統領の家族や元妻などが次々と面会に訪れ、国民の不安は増すばかり。

木曜日夕方になり、「マンデラ氏は肺の具合が悪かったが、早ければ明日(金曜日)にでも退院するであろう」というニュースをロイター社が流し、みんな途端に  としました。

しかしその直後、同氏の元妻が病院を去る時にワンワン泣いていた事が発覚し、やはり相当容態が良くないのでは? という憶測が飛び交い始めてしまったようです。

昨年夏の南ア・ワールドカップ以来 公の場所に姿を見せないマンデラ氏。92歳という高齢であれば、それも仕方ないことかもしれません。しかし南アのヒーローである同氏に何かが起これば、国民のモラル・サポーターがいなくなります。

マンデラ氏が入院している病院のすぐ隣にある小学校では、一人一人の生徒がメッセージを残しマンデラ氏に贈ったそうです。mandela.jpg
一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。

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[ 2011/01/28 08:29 ] 政治 | TB(-) | CM(0)

マーケットでの出来事

お早ようございます 

これから歯医者さんに行くので短い記事になります。

*英中銀キング総裁スピーチ

火曜日夜 ワイン片手にBBCとSKYニュースを交互に見ていたら、キング総裁がニューキャッスルで行ったスピーチの一部分が映し出されました。キング総裁が「今年の英国のインフレ率は4~5%まで上昇する懸念がある。」と語っているのを聞いて、思わずワインを吹き出しそうになった私です。

つい最近までキング総裁は「2011年インフレ率は4%に達する」と言っていたのに、今度は5%までの可能性を示唆  しているという事ですよね。

11月の英中銀四半期インフレーション・レポートでは、英中銀は2011年インフレ率は3.5%くらいまで上昇すると予想していました。だからきっと、キング総裁はその3.5%に少しだけ糊代をつけて4%まで上昇と語っていたのかもしれません。
   
そうなると、来月発表される英中銀インフレーション・レポートでは英インフレ率が上方修正されているのは間違いないと考えてもいいでしょう。

*スタグフレーション の意味

火曜日午後、ジムに行って運動しながらBBCニュースを見ていたら、某欧州系大手銀行のエコノミストが出ていました。「第4四半期がマイナス成長となり、インフレがここまで上昇していたらこれはスタグフレーションですよね 」 というBBCニュースキャスターの質問に対し、このエコノミスト氏の答えは 「スタグフレーションと呼ぶにはインフレ率が低すぎます。過去英国を襲ったスタグフレーションは、いずれもインフレ率が15%とか25%というレベルにおりました。現在のインフレ率は高い高いと言いつつも、そのレベルはわずか3%台。万が一 ここから4%台へ上昇したとしても、過去のインフレ率と比較すると俄然低いレベルです。」と答えていたのが印象的でした。

私は経済を勉強した事がありませんので、スタグフレーションの「本当の意味」を取り違えていたのか?それとも このエコノミスト氏の考え方が一般に認識されているスタグフレーションと若干違うのかは、私には判りません。しかしこのエコノミスト氏がなんと言おうと、最近テレビや新聞での報道に「スタグフレーション」という言葉が使われる頻度が今年に入って増えたのも事実です。

*ブランチフラワーのアホ

2006~2009年の間、英中銀金融政策理事会(MPC)の理事だったオッサン。昨年は英中銀の政策金利舵取りは間違っていると吠えて 、キング総裁辞任を要求していました。

昨日、またこの人が口を開いたんですね。彼の言った事は、’自分が理事をしていた当時の英中銀は景気浮揚の手段としてポンド安を願っていた。キング総裁も同様の立場であり、最終的に我々は25%のポンド下落に成功した’。

言います、こんな事、ブルーンバーグ社の会議で? あの当時の英国は、リーマン・ショックや英国の銀行一部国有化、英中銀の量的緩和策発動などが断続的に英国を襲い、特にこのオッサンの努力抜きでも十分にポンドが下落する要因は山積みだったと私は思ってます。もう理事を辞めたんだから、黙ってアメリカの大学で教えててよ、って感じ

*某米銀 ポンド売り推奨

・ユーロ買い/ポンド売り  ターゲット: 0.8800
・ポンド売り/ドル買い  ターゲット: 1.4700

*英中銀MPC議事録

政策金利: 7 (据え置き) 対 2 (利上げ センタンス理事とウィール理事)
量的緩和枠: 8 (据え置き) 対 1 (緩和枠増額 ポーゼン理事)

こういう結果になりました。過去ずっと緩和派 ポーゼン氏 対 引き締め派 センタンス氏 となっていたところへ、新しくウィール氏が引き締め派に加わった訳ですね。

私が注意しているのは、据え置きと政策金利変更派との人数配分だけでなく、英中銀内部からの理事が「変更派」に寝返りを打った時です。現在のところ、センタンス/ウィール/ポーゼン すべての理事は外部から選ばれた理事達であり、英中銀内部の理事 (キング総裁、ビーン副総裁、タッカー副総裁、デール主席エコノミスト、フィッシャー公開市場操作最高責任者) は据え置きを支持しています。


それでは歯医者に行って来ます 。 その後 ロンドン中心部に出るので本日は取引しません!

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[ 2011/01/26 20:30 ] マーケット | TB(-) | CM(2)

ポンドについて その1

先週コメント欄を通して 以下の質問を頂きました。

ポンドルの1.6というのはイギリスに住んでいらっしゃって、どう感じられますか?

英国に住みポンドを使って生活していますので、ポンドの為替レートは全く気にしていません 笑。アメリカに旅行をするという前提でお話しするのであれば、ポンド/ドル 1.60というのは丁度よいレートかな?と思います。2.00以上の時にアメリカに行った時には明らかにポンド高過ぎる!と感じましたし、ポンド円が130円割れで日本に帰った時は異常なる円高  と感じました。

*為替レートでは計れないポンドの実力

ポンド/ドルが1.60 という事実に対し、2つの見方が可能です。
一つはポンド実効レートを通しての見方
もう一つはドル実効レートを通しての見方です。

百聞は一見にしかずですので、この4つのチャートをご覧下さい。
GBP Jan 2011

4つ全てが単一通貨:ユーロが誕生した1999年1月から先週末までのチャートです。
上から順に ポンド実効レート / ポンドドル / ユーロポンド /ポンド円 

*実効レート・チャートの説明

一番上の実効レート・チャート上に数字が明記されています。それは

1)米サブプライム問題発生
2)英政府、ノーザンロックに対し緊急金融支援決定
3)米連銀、緊急利下げ実施 (FOMC開催抜きで)
4)英ノーザンロック国有化
5)リーマン・ショック ⇒ 主要国による金融株空売り禁止令
6)先進国中銀協調利下げ
7)英政府本予算案発表、1ヶ月延期決定
8)英中銀量的緩和策導入
9)英中銀量的緩和策増額決定、英国会議員による不正経費請求事件発生
10)英総選挙 - 保守/自民連立政権誕生
11)新連立政権 緊急予算案発表
12)新連立政権 各省庁歳出削減見直し案発表

*4つのチャート比較

4つのチャート全てにピンクの丸で囲んだ部分がありますが、これは米国発サブプライム問題発生後のポンド大幅急落の部分を示しています。

サブプライム問題が発生する迄のポンド実効レート自身は、95~105から若干はみ出す事はあっても、ほとんどその範囲に収まっていました。この時期のポンド/ドル、ユーロポンド、ポンド円のチャートも同様に一定範囲に収まっているかと言えば、答えは NOです
      
その理由は、ドル、ユーロ、円 それぞれの実効レートが大きく動いた為に、(ポンド実効レートがあまり動かなくても) ポンドの為替レートは大きな動きをしたという事です。

つまり この質問にある「1.60」というレベルは、もちろん日々のオーダー状況や経済指標、要人発言、ポジションの傾き、テクニカル要因という部分に加えて、ポンドとドル それぞれの実効レートの動きも考慮しなければなりません。

*ピンク丸以降のポンド実効レート

ピンク丸の部分では、以前とは打って変わり ポンド実効レートが狂ったように動き出しました。そしてポンドドル、ユーロポンド、ポンド円も否応無しにポンド実効レート急落の影響を真っ向から受けざるを得ない値動きになっているのがチャートから見て取れます。

私自身も誤解していたのですが、ポンド実効レートが大幅下落したタイミングは、ノーザンロックへの緊急支援決定時と英中銀が量的緩和策実施に踏み切った時に違いない!と思っていたのですが、どうやら量的緩和策実施時はもう落ちきった後の財務処理の時期に当たっていました。

*サブプライム事件以降のポンド下落幅

単純計算しますと、サブプライム事件直前の実効レート高値 106.80 から ド底値 73.75 までの下落率は約31%となっています。

ポンド急落を語る上ではこれ以上の比較対照となる出来事はない!と言い切っても構わない「ソロスさんによるポンド危機 (1992年9月16日)」があります。添付したチャートの一番最後に載っている黄色いバックグラウンドのチャートが 1980年~のポンド実効レートです (ピンクの四角で囲んだ部分が1999年1月~)

これで見るとよく判りますが、2007年からのポンド下落率がいかに大きかったか...ですね。
ちなみにポンド危機の時の実効レート下落率は 98.64から82.81  16%の下落となっており、今回のサブプライム以降の下落率 31%の丁度半分にしかなりません。



もう夜10時になってしまいました 。5時間も書き続けています。夕食もとっていません。
続きはまた後日 書かせて下さい!


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[ 2011/01/26 19:00 ] 相場検証/予想 | TB(-) | CM(2)

有料購読者 Sさんへ

ロンドン時間火曜日遅くに、パスワードを再送しました。

昨年11月にもやはりパスワードが届いていないという事がありましたよね....
もし他のメルアドがございましたら、送って頂けると助かります。

とりあえず、火曜日に再送したパスワードのメイルが届いておりましたらご一報頂けると幸いです。
宜しくお願い致します 

[ 2011/01/26 07:30 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

突然切れるPC

全くFXにも英国にも関係ない事ですみません
今朝から既に2度、PCが突然消えます。先ほどアイルランド総選挙の事を書いていたら、突然画面が真っ黒になり、再起動してもオンライン接続不可能とか画面に出ました。少し時間を置いて改めてやり直したらOK.その後 1時間ちょっとしたつい今しがた またプツッ....という音と共に画面真っ黒。

上の4行を書いてから、今度は 記事をタイプしても画面に表示されなくなりました。

PC修理屋さんに電話しているのですが、誰も出ません....

さっきからうちの近所でアラームがピコピコ鳴っているのが聞こえるのですが、それと私のPCと何か関係あるのかな?
ちなみにPC以外は何も変化ありません。家の電気もちゃんと通ってます。

PCが使えるうちに業務連絡

1)水曜日(明日)は歯医者さん、その後はロンドン中心部まで出ます。その為 英中銀MPC議事録発表やFOMCの発表時も家におりません。

2)万が一 記事の更新が木曜日以降もない場合は PCやられたな... と思って下さい 


[ 2011/01/25 21:55 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

本当にマイナス成長なのか?

私のPCがある部屋にはテレビが置いてないので、BBCニュースのライブをPCに載せながらこれを書いています。今のところ、昨年クリスマスに殺された25歳の女性のニュースとモスクワの飛行場でのテロリストによる爆破のニュースが全面的に流れています。たぶん英第4四半期GDP速報値に関しては既に報道されているのでしょう。

*英第4四半期 マイナス成長を受けて

UK 2010 Q4 GDP
振り返ってみると、2010年の四半期ごとのGDP速報値には一喜一憂させられました。予想の3倍近く良かった期 、 そして今回のように誰もマイナス成長を予想していなかったので、ある意味 途方に暮れてしまう期  と様々。この記事 でも紹介しましたが、エコノミスト達の予想で一番悪かった数字は±0%、誰一人としてマイナス成長を予想しませんでした。

数字発表から1時間経ち私自身も冷静に考えられるようになりましたが、いくら考えても豪雪の影響という理由があるにせよ、雪が降らなければゼロ成長だったという事実はショック  でした。

*果たして雪のせいだけにしてよいものなのか?

2010年前半のGDPを支えていたのは建築関連セクターでした。第4四半期GDP速報値のセクター別の数字を調べてみると、サービス部門 -0.7%、建築関連 -3.3% に対し、製造業部門 +0.9%となっています。サービス部門、特にホテルとレストラン業界はとことん低迷していると付け加えられていました。これはやはり雪の影響でしょう。

建築関連は冬になると弱くなりますが、そこに豪雪となった為 ここまで著しい下落をしたのだろうと理解出来ます。しかし2011年には昨年10月に政府が発表した歳出削減見直し案の「歳出削減や増税」がスタートしますので、建築業界がガンガンに景気を支えるイメージは湧いてきません。

速報値は GDP測定に必要なデータの約40%をもとに 作成されています。来月に一回目の改訂値、その翌月に最終値が出るので、今後 どのように改訂されるかわかりませんが、今私達英国に住む人間が一番知りたいのは、このマイナス成長は雪のせいだけなのか?それとも雪が降る11月末以前から既にマイナス成長に突入していたのか?  昨年10月に発表された歳出削減見直し案発表時に既にマイナスだったのか? という事ですね。

NIESRが発表している3ヶ月ごとのGDPの数字によれば10月までの3ヶ月、11月までの3ヶ月、そして12月までの3ヶ月全てがプラス0.5~0.6%の間に収まっています。過去のデータに関する限り、NIESRと英統計局が出すGDP値の誤差は非常に小さいので、第4四半期GDPに関する誤差の拡大は非常に気になります。

*英中銀利上げ観測後退か?

オズボーン財務相は「雪の影響で成長率がマイナスとなったが、緊縮財政政策を変更する気はサラサラない」と発言しました。英国を悩ませているインフレはおいそれと下落するとは思えません。成長率がここまで悪化し、これの傾向が継続するのであれば、明らかに英国はスタグフレーションとなります。

VAT上げや歳出削減のあおりを受けた公共部門の人員削減が断行される2011年、果たして英中銀が主張してやまないように景気減速によるインフレ率下落が本当に起こるのか、ここからが勝負ですね

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[ 2011/01/25 20:13 ] 経済 | TB(-) | CM(0)

EFSF債入札

本日ロンドン時間午前8時くらいから既に入札が開始され、たぶんもう既に終わっているんだと思います。さっきからポンド下落を横目に、入札終了のアナウンスがされているかとGoogleで調べているのですがまだ見当たりません。

入札規模: 50億ユーロ
期間: 5年ちょっと (2016年7月満期)
利回り: 2.85% ⇒ これは予想通り EFSM債 ()よりも若干高めになる模様

月曜日の時点で、既に400以上のSWFや機関投資家からの入札希望が殺到し、額としては200億ユーロ以上の入札希望が殺到するという予想になっていたようです。

詳しい内容がわかり次第、追記します!

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[ 2011/01/25 19:14 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

英第4四半期GDP速報値 マイナス成長

マイナス 0.5% q/q 、+1.7% y/y

この数字が出る前に、某米銀 ポンド売り推奨
ターゲット 1.46-47台
期間も損切レベルも知らない


追記: 英統計局の話しによると、11月から英国全体を襲った豪雪の影響でマイナス成長。もし雪が降らなかったら ±0%くらいだっただろう との事。結局 良くないって事なのね、天候のせいだけじゃないって事


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[ 2011/01/25 18:34 ] 経済 | TB(-) | CM(0)

英第4四半期GDP速報値 火曜日発表

明日火曜日ロンドン時間午前9時30分に英2010年第4四半期GDP速報値が発表されます。

MNI社が17名のエコノミストを対象にして行った事前調査によると

速報値予想:+0.4%
一番高い予想: +0.6%
一番低い予想: ±0%
第3四半期GDP: +0.7%、第2四半期GDP: +1.1%

主な予想:
バークレイズ +0.5% / BNPパリバ +0.3% / BoAメリル +0.3% / シティー +0.5% / ドイツ銀行 +0.6% / JPモルガン +0.1% / ロイズ銀行 +0.3% / RBS +0.3% / スタチャン +0.5% / UBS +0.6%

タイムス紙日曜版が行ったYouGovの調査では、調査された人達の52%が2011年にリセッション再突入を予想  しているというまずい結果 


*NIESRの数字

英統計局に先駆けて、先週火曜日に 経済シンクタンク: 英国立経済社会研究所 (NIESR the National Institute of Economic and Social Research)が昨年12月までの3ヶ月間(=第4四半期)GDP予想を発表し、その数字は+0.5% 。 NIESRの予想値 と 統計局の速報値 との誤差は 過去平均 0.1~0.3%となっていますので、25日発表の速報値は+0.2~0.8%の中に納まると予想されます

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[ 2011/01/24 22:02 ] 経済 | TB(-) | CM(0)

ユーロ円 チャート検証

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[ 2011/01/24 20:45 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

2011年 お奨めの投資先

タイムス紙日曜版「マネー欄」の記事に面白いものがありました。

’2011年、貴方のポートフォリオの調整法’ と題して、ファンドマネージャー達の「お奨めの投資先」が紹介されています。中国や金への投資は少々過熱感が出てきたので、他にこんな投資先がありますよ!というものです。

1)債券売り/米株買い
2010年は株式よりも債券への投資額が上廻った一年となりました。2011年はインフレ懸念が徐々に高まる為、債券投資よりも米国のブルーチップ株への投資がお奨め

2)小型株売り/大型株買い
英国に関して言えば、2010年は小型株運用を主とした投信の運用利回りは大型株のものよりも良かった。今年は逆転現象が起こるだろう

3)中国、インド売り/日本、台湾買い

4)ロシア、ドイツ売り/トルコ、ポーランド買い

5)鉱業株売り/製薬、米銀行株買い

6)原油売り/新エネルギー (代替エネルギー) 買い

7)金売り/ダイアモンド買い

8)円売り/ポンド買い

バークレイズは2011年の年末時点でポンド/ドル 1.75、ポンド円 156円を予想

注 : ポンドに関する質問をブログのコメント欄を通じて頂きました。私なりの考え方を別記事にまとめたいと思います。今週中に書きますね!

9)英商業不動産売り/米ラスベガス地域の一般不動産買い


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[ 2011/01/24 18:27 ] 相場検証/予想 | TB(-) | CM(1)

アイルランド前倒し総選挙となるか?

週末土曜日の夕方、ビール片手 にテレビを見ていたら、アイルランドのコーエン首相のニュースが報じられていました。なんだろうと思い聞いてみると、コーエン氏は与党第一党であるフィアナ・フォイル党の党首を辞任、しかし総選挙が予定されている3月11日までは首相の座に留まるという話しでした。

Ireland Green party 緑の党の党首

*アイルランド緑の党、連立政権離脱表明

そして今日 少し遅い昼食を取りながらテレビを見ていたら、今度は連立与党のひとつである緑の党が離脱宣言 。これにより連立与党の議席数が下院の過半数割れとなり、総選挙前倒しとなるのは確実 。 つい先週の前半では「総選挙:3月25日」が賭け屋の一番人気  でしたが、先週後半になりコーエン首相ご自身が「総選挙日:3月11日」と正式発表した矢先の出来事となってしまいました。

緑の党が連立政権からの離脱を正式表明した事により、アイルランド議会の与党は過半数割れ  となり、第一党であるフィアナ・フォイル党の党首は不在  という最悪の事態  となってしまいました。

*急がれる予算関連法案の可決

連立離脱を決定した緑の党ですが、予算関連法案の可決に対しては支持を表明  欧州から850億ユーロに及ぶ金融支援金を取り付けた同国ですが、この予算関連法案の成立が大条件となっているので、成立させない訳には行きません。

今のところ判っているのは、もしコーエン首相が首相の座に留まっている限り、野党側は今週火曜日に「不信任案提出」するようです。そして不信任案決議という結果になった場合、コーエン首相は辞任を余儀なくされ4週間以内に総選挙実施という義務が生じます。

コーエン首相は、ただでさえ泥沼化した政局をこれ以上メチャクチャにするよりかは、予算関連法案の可決に全力を注ぐよう、月曜日にも野党側と話し合いを持ちたい意向を示しているようですがどうなんだろう...... 

とりあえず今週月・火曜日までで良い意味でも悪い意味でも、何か新たな展開が期待出来るでしょう。

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[ 2011/01/24 07:48 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

スペイン、貯蓄銀行再編

スペイン政府は、同国の貯蓄銀行の部分的国有化計画による再編策を発表。これを受けてスペインとドイツ国債のイールド・スプレッドが縮小しています。

ロイターの記事を読んでいるのですが、それによると

・同政府は貯蓄銀行間の合併を強制した結果、昨年末の時点で45行から17行に減少
・現在に至るまで、銀行再編基金(Orderly Bank Restructuring Fund  FROB)を通じ、貯蓄銀行に116億ユーロを注入済み
・今月末までに透明性の向上を目的とし、不動産セクターに対する焦げ付き額の明細を公開する予定
・116億ユーロの注入を受けた貯蓄銀行では、追加の不動産債務額として260億ユーロという数字を挙げている

*貯蓄銀行再編

・政府は貯蓄銀行を従来型の銀行に転換  株式市場への上場  民間投資家による上場株の取得に至らなかった銀行の株はFROBが取得

貯蓄銀行が抱えている不動産債務の損失補てんに必要な追加資金の予想として出てきている数字は170億~1,200億ユーロと幅広くなってしまってますが、市場では大体の数字として 250~500億ユーロを想定している模様。もし500億ユーロという数字を前提に考えると、これはスペインGDPの5%という規模となります。

こんなお金は出せないので、民間に助けて貰おう!という事で株式上場

つまり政府は貯蓄銀行の株式上場により民間資金調達が可能となり、政府による資本注入の必要性が低下する事を狙っているのでしょう 


FROBは早ければ来週水曜日までに30億ユーロの債券発行するみたいです。またまたお得意のシンジケート団引き受けによる10年債。ただしこの債券だってスペイン政府の保証付きでない限り 売れないだろうね。

今 FROBホームページからのリンク を調べてみたら、そもそも90億ユーロという規模でスタートしたようでそのうち67億5000万ユーロはGeneral State Budgetから って出てる。なんだろう、これ... 一般会計かな...まぁ 国家予算の中に含まれる何かである事には間違いないだろうから、もし民間の資金が集まらなくて最悪の事態が生じた場合は泣き付く所は政府という事でしょうかね

*個人的な感想

このスペインの貯蓄銀行一部国有化 とか 資本注入という話しを聞いたとき、真っ先に浮かんできたのがアイルランド。もちろん スペインもその辺を意識しているのかどうか分かりませんが、FROBは購入するはめになってしまった貯蓄銀行株の保有期間を5年間と限定しており、その後売却とはっきり言っていますが.....

ギリシャとポルトガルが政府の赤字で苦しんでいるのであれば、アイルランドとスペインはそれぞれの国の銀行が腐っている事が投資家の危機感を高めています。アイルランドは同国の銀行の預金全額保護なんて言い出したのでぬかるみにはまってしまったのに比べると、スペインは多少安心感があるものの、あの国の不動産焦げ付きは相当な金額になるでしょうから、これも恐いですね。
こうやって、アイルランドもスペインも銀行の焦げ付きという「民間部門の債務」が「国家の債務」へと姿を変えていく。そういう事をやっているうちに、一体何がなんなのか分からなくなってくる。

イギリスも一部国有化した銀行の株式売却に動き出そうとしており、水面下では中東やアジアの投資家に接近しているという報道が先週だかにされていました。

そういえば、このスペインのFROBも債券購入お願いツアー  に3月から中東、アジア歴訪だそうです。

皆さん よい週末を!

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[ 2011/01/22 00:30 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(2)

金 チャート検証

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[ 2011/01/21 21:30 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

欧州系 大量のユーロ売り/ポンド買い

今 判っているのは これだけです。

またね!

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[ 2011/01/21 20:56 ] 売買取引 | TB(-) | CM(3)

格付け会社について

毎週金曜日に更新している「まね得」さんの連載!

今週と来週2週間に渡り「格付け会社について」記事を書いてみました。
初回の今週は、格付け会社の後手に廻る対応の実例を挙げてみましたので、是非お読みください!

このブログ右上にある まね得連載のバナーをクリックして是非お読みいただけると嬉しいです 
[ 2011/01/21 20:25 ] マーケット | TB(-) | CM(0)

金の動向

昨日 金がズルズルと落ちてきた  のを見ながら興奮していました  。ずっと1350、もっと大事なのは1320/25の辺りまで下がってきたら、中長期的な売りを出そうかな....と思っていたからです。

一夜明けて冷静になってニュースを探していたら、米国の2大商品取引所の一つChicago Mercantile Exchange(シカゴ商業取引所)が金や銀の取引に対するMargin requirement (取引証拠金)を引き上げた!というニュースを見つけた   金先物の取引証拠金引き上げ率 11%、銀に関しては6%となっています。

この「引き上げ率」の数字自体が大きいものなのか、それとも 投機熱を冷ます意味でもCMEはこういう事を頻繁にやっているのか調べてみたところ、昨年 ガンガンにやっているのを発見 

まず昨年11月16日に金先物取引証拠金 6%引き上げ、銀は11.5%引き上げているのですが、そのわずか1週間前には銀の証拠金のみ  30%も引き上げてるんです 。 たぶん 11月に取引証拠金の引き上げが集中している理由として考えられるのは、米量的緩和第二段(QE2)が始まった事によりジャブジャブになった資金が貴金属に流れ込むのでそれを防止するためなのだろうという事でしょう。それでは昨日の引き上げって何のためなのかな? 

話しが前後して恐縮ですが、11月16日の引き上げの際には金は1日で10ドル下落、銀は6%下落しています。と言う事は昨日の金や銀の下げはこの引き上げが理由だったのでしょうか?それ以外にも私が知らない何かがあったのでしょうか?ヘッジファンドなどが保有している金の一部を利食い売りしているという話しは今年に入ってから断続的に出てきています。機関投資家も同様のようです。あのジム・ロジャーズも金市場の価格修正は避けられないというような事を言ってましたよね、先週だか先々週に.......

金、来週くらいから本格的な動きになるのでしょうか?要注意です。

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[ 2011/01/21 19:52 ] マーケット | TB(-) | CM(6)

また出たらしいユーロ売り推奨

あるNYベースのアドバイサリー会社がユーロ売り推奨レポートを出した模様です。

売り: 1.3525-50
損切り: 不明
利食いターゲット: 1.2950
期間:ここから2週間くらい

これでユーロ売りに拍車がかかった状態みたいです。

個人的には金がとうとう$1350/55レベルを切れてきているので、ユーロ売りに傾き安い地合いが整ったのかな?とか思ったりもしています。まぁ これは本日の終値ベースで見るしかないので、本格的に動くのは下手すると来週からなのかな?

熱くならないよう  自分に言い聞かせていますが...... 

それではジムとスパに行って来ま~す 

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[ 2011/01/20 23:30 ] 売買取引 | TB(-) | CM(0)

アイルランド、6名の閣僚辞任

今週火曜日に行われたコーエン首相に対する信任投票で ( 関連記事リンク ) とりあえず過半数以上の「YES」票を獲得し と一息のコーエン首相。

と思いきや  昨日から本日にかけて6名の閣僚が辞任したようです 。その6名とはハーニー保健相、アヘーン司法相、デンプシィ運輸相、キリーン国防相、マーティン外務相 そしてオキーフィ・イノベーション相  コーエン首相は内閣改造を即刻実施せざるを得ない状態です 

*連立相手の緑の党 離脱か?

与党第一党であるフィアナ・フォイル党と連立を組んでいる緑の党  は、連立離脱を視野に入れ総選挙即刻実施を訴えているようです。過去ずっとコーヘン首相を取り巻く状態は良くなかったにも拘らず連立離脱を主張しなかった緑の党がここに来て突然離脱を口にした理由として、辞任した6名の閣僚の中に唯一 フィアナ・フォイル党に所属していない議員・ハーニー保健相が含まれていたからだと言われています。

*総選挙での大敗は免れず

フィアナ・フォイル党はアイルランド下院166議席のうち、71議席を占めています。そして過去23年間のうち20年間与党第一党  として君臨してきました。

しかし最近の世論調査による同党への支持率は14%まで落ち込んでいます 。国民はアイルランドの経済危機を救えなかった現政府、そして同国が欧州に「救済」して貰ったという屈辱をもたらせたのはコーエン首相であったとし、同党への支持率は急速に低下  しました。もし早急に総選挙実施となりこの支持率通りの投票結果となった場合、最大40議席を失う事になるそうです 

一日も早く新政権が発足し、前向きに財政再建に取り組む姿勢を待っているのはアイルランド国民だけではないでしょう。

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[ 2011/01/20 22:37 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

EFSF規模拡大合意にならず

今週開催されたユーロ圏財務相会合の席でEFSF既存枠の増額 (関連記事リンクです。是非お読みください) について正式に話し合いが行われました。しかし結果としては、増額よりもEFSFの機能の充実に焦点が移ってきたようです。

*EFSF機能の充実とは?

EFSF責任者レグリング氏は「現在のところ EFSF規模拡大の必要性を感じていない。スペイン、ポルトガルは欧州金融支援の世話にならず自分達で市場から資金調達が可能だからだ。万が一 これらの国の事情が変わったとしても欧州金融支援基金には十分な資金がある。ギリシャに対する債務再編の必要性が語られているが、その必要はないと思う。」と、どこかのラジオ局のインタビューで答えています。

そしてEFSF機能の充実としては、現在欧州中銀(ECB)が行っているユーロ加盟国発行の国債買戻し、EFSFを通じて行う救済用融資金利の引き下げを挙げています。

*EFSF増額の必要がなかったのか?それとも増額出来なかったのか?

まぁ 今すぐにこの質問に対する答えを見つけなければならない訳ではありませんが、私自身はこの点が非常に気になって  います。

今までのユーロ/ドルの動きを大雑把に見てみると、
ユーロ危機が加盟国へ感染している  場合 財政状態が悪い国の国債とドイツ国債との間のイールド・スプレッド(利回り格差)が拡大  ユーロ売り

これに反して 
欧州がなんらかの救済案を提示し イールド・スプレッドが縮小する   ユーロ買い という動きをしてきました。

今週に入ってからのユーロ上昇の動きは、EFSF規模拡大の可能性に伴う安心感  を先取りした動きだったのではないか? と個人的には思っています。その「規模拡大」がとりあえず「なかった」事になった  現在、果たしてユーロはこのままグングン上昇気流に乗ったまま行けるのでしょうか?それは今後のポルトガルやスペインの入札状況に左右されるとしか今のところ思いつきません。

EFSF規模拡大に対し、ドイツとオランダが頑なに反対  していたのは皆さんもご存知かと思います。増額賛成派、反対派の主張に関しては この記事で詳しい内容を書きましたのでご覧になって下さい。

昨日からずっと ドイツの「現在の時点での増額必要なし」についていろいろ調べてみたら行き着いたのがこのページ (リンク)でした。全部ドイツ語で書いてあるので全く理解出来ません 。しかし英語で説明された記事によると、ドイツ政府はEFSFに対する融資保証限度額というものを設定しているようで、その設定額は1,230億ユーロらしいんですね。

ここで改めて ’EFSFに関するドイツの融資額’ を調べたのですが、このブログの過去記事用に私が作ったエクセル表が役に立ちました 
EFSF AAA

ドイツの欄を見ていただけると分かりますが、ドイツの融資保証規模は1,194億ユーロ、つまり 政府が設定した保証限度額 1,230億ユーロギリギリの金額  だという事が分かりました。

*ドイツは保証額増額に踏み切るのか?

私はドイツの法律は全く知りませんが、必要であればこの融資保証限度額の増額というものは可能であるに違いありません。しかしドイツ国内の政局を調べてみると、今年はドイツ16州・特別市のうちの半数近い7州・特別市で地方選挙が実施されるようです。特に3月27日に選挙が行われるバーデン・ビュルテンブルク州ですが、一貫してメルケル首相率いるキリスト教民主同盟 (CDU)の基盤となっています。しかし最近のCDU支持率低迷を受け、歴史的な敗北を喫する可能性も囁かれているみたいなんですね..... 

そんな状況の中、国民に不人気な「ユーロ弱小国サポート」となる融資増額を早急に協議する事は、現在のドイツに取っては不可能なのではないでしょうか?

そうなると とりあえずポルトガルとスペインに頑張ってもらわないと新たな「ユーロを取り巻く怪しい雰囲気」が出てくるのは時間の問題かもしれません。

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[ 2011/01/20 20:55 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

スイスに関する噂

スイス政府が 最近のスイス高阻止の目的で、何か発表するみたいです。あくまでも噂ですが、記者会見をするみたい。
時間もなにも分かりません。

とりあえずこれにより 一瞬 スイス売りになっています。

なにか分かりましたら、追加します

追加:

スイス経済相が発言しています。

・スイス高の影響でスイスの経済成長率は鈍化する可能性あり
・スイス輸出企業はスイス高の影響を受け、苦しい。しかし「危機」と呼ぶほどまでは悪化していない
・スイス高について政府で協議した
・必要であれば行動に出る


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[ 2011/01/19 22:23 ] マーケット | TB(-) | CM(0)
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N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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