先週発表された歳出削減見直し案(CSR)から1週間が過ぎました。各所得層がぞれぞれどのような影響を今後4年に渡り受けるのか、所得別の「痛み」

を表したグラフが手に入りましたのでご紹介します。

このグラフは 「毎月のサラリー(税込み金額)」を10種類に分け、それぞれの層がどれくらいの所得減少と向き合うことになるのか

を表したものです。グラフを見る限り、年収8,000ポンド以下の最低所得層、そして年収68,000ポンド以上の最高所得層がそれぞれ一番被害を被る形

になっています。
それでは所得別だけではなく、年代別も含めた影響を見てみます。
*年金受給者・2020年より年金受給開始年齢が男女共に66歳からとなります。
今年の4月までは英国での年金受給年齢は男性65歳、それに比べ女性は60歳となっていました。男女の受給年齢格差をなくすため、今年4月から 「女性の受給年齢を60歳から65歳へ段階的に遅らせる」 という発表があったばかりでした。今回の発表により最大の被害を受けたのは、現在50歳をちょっと越えたくらいの女性達となります。その人達は今年4月の時点では60歳から年金が受け取れると喜んでいた

のに、突然 66歳からとなり 6年間の辛抱を強いられる結果

になったという訳です。
・年金上昇率

CPI,平均賃金上昇率、2.5% これら3つのうちの一番高いものをベンチマークとするそうです。
・電車バス無料乗車定期券
今までは1950年4月6日より前に産まれた人達は60歳の誕生日から無料定期券が支給されていました。今後は既に無料定期券を持っている人は別ですが、それ以外の人で1950年4月6日以降に産まれた人達は、年金受給年齢に達したら無料定期券がもらえるそうです。つまり段階的に66歳以降から支給開始にしていく予定
・75歳以上の人は、処方箋料 / 視力テスト /テレビ受信料無料扱いは継続
・暖房費手当て

支給は継続されますが、徐々に支給年齢を上げていく可能性あり。今年度の手当て支給資格は1950年7月5日より前に産まれた人のみが対象。支給額は各受給者の状況に応じて 125~400ポンド
・各地方自治体への補助削減が発表された為、それぞれの自治体により高齢者対策の変更などが起こる可能性は避けられない模様
*若年層・低所得者を対象とした住宅手当制度変更に伴い、2012年4月から35歳以下の若年層への手当て支給額が減少する予定
・2012年より大学授業料の上限が撤廃される予定。これにより大学生が卒業する時点での学生ローン残高は現在平均23,000ポンドから一気に3~4倍に膨れ上がる可能性

が高くなるようです。
*障害者手当て等・精神/肉体的障害により労働が不可能となっている人達に対し、テストを行う。もしそこで障害なし

と判定された場合は、障害者手当ての支給期間は1年間までとなる

これにより約20万人の人達が影響を受ける
付け足し:この国では障害者手当て支給に関する「障害者認定テスト」をどうしているのか私には分かりません

が、ピンピンしているオッサンやオバハンが平気で「障害者」として登録され、何年も継続して「手当て」を貰っているようです

・障害者/高齢者に対する自動走行用車椅子手当て(週18.95~49.85ポンド)の廃止
・政府は各地方自治体に対し、社会福祉関連予算10億ポンドの追加援助を決定
*ミドルクラス世帯・49万人の公務員解雇が発表されましたが、これらの人達はこの世帯に属します

・公務員による年金積立金 約3%増加
・電車/地下鉄/バス運賃上昇

今まではRPI率+1%を上限としていた交通運賃ですが、今後はRPI率+3%に変更

・地方自治体によるサービスの低下
*高額所得者・夫婦の片方の年収が44,000ポンド以上の世帯は児童手当支給が廃止されます。2人子供がいる家庭を例にとると、今回の廃止により1,752ポンド40ペンスの減収
・ミドルクラス世帯同様、交通運賃の上昇
*片親世帯、低所得世帯・低所得層を対象とした児童特別手当の増額

2011年度より実施
・16~19歳の児童手当支給は継続 (ただし 大学生を除く)
・低所得世帯の児童のみを対象とし、70億ポンドの「学生手当て」を設立
・公団住宅賃貸料の大幅値上げ

住宅手当制度改革により(まだ具体的な内容はわかりませんが...)、低所得世帯が借りている3部屋の公団住宅家賃を例に取ると、現在の週85ポンドから週250ポンドくらいまで一気に増加する可能性がある
もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ

御願いします!
人気blogランキングへ
にほんブログ村
こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!