日本から帰って来てから真っ先に記事にしたかった事があります。それは英労働党の党首交代劇

。 しかし一応このブログはFXというタイトルがついているので、為替変動に直接影響がある「アイルランド危機」ばかりに重点を起いてきました。しかしとりあえずここで一息入れて

新しい英国の星

をご紹介したいと思います。
*5月総選挙で労働党敗北、野党となるこれを受けて当時首相であり労働党の党首であったブラウン氏は辞任し、暫定阻止として労働党副党首であったハリマン女史が仮の党首として夏場を乗り切りました。そして9月25日より開始された労働党年次党大会の開催に間に合うように、労働党:党首選(リーダーシップ・チャレンジ)実施。
リーダーシップ・チャレンジに関する記事を過去に書いていましたので、その部分を抜粋します
*労働党:党首戦 (リーダーシップ・チャレンジ 又は リーダーシップ・コンテスト)
リーダーシップ・チャレンジ
・党首に立候補したい議員は 労働党書記長へ その旨を申し出て許可を貰った後 立候補資格が与えられる
・立候補者は 最低20%以上の労働党議員の支持票が必要である。
・この時点で 首相が辞任すれば 既存の立候補者の間で投票が行われる (通常は 既存の首相に対して 首相の座を争う為に行われる事が多いのですが、今回は ブラウン首相辞任は決定している為、新党首=新首相選出となる為 立候補者間での争いとなります)
・首相が辞任を拒否すれば 首相、立候補者全員に対して 投票が行われる
・いずれか一人の立候補者が 絶対的多数の票 ( 議員、党員、労働組合員による投票) を取った場合 その人がリーダーに選出される
・立候補者が3名以上の場合で 絶対的多数票を取った者がいない場合、最低獲得票の者は落選 、残りの立候補者を対象に投票が行われる
・最終的に いづれかの立候補者が 50%以上の票を獲得した場合 その人が リーダーに選出される*今回のリーダーシップ・チャレンジ立候補者 5名デイビット・ミリバンド(45歳) 前外務相
エド・ボールズ(43歳) 前教育大臣
アンディ・バーナム(40歳) 前厚生大臣
ダイアン・アボット(56歳)
エド・ミリバンド(40歳) 前気候変動担当相
*第一回目投票結果デイビット・ミリバンド 37.8%
エド・ボールズ 11.8%
アンディ・バーナム 8.7%
ダイアン・アボット 7.4% ⇒落選
エド・ミリバンド 34.3%
*第二回目投票結果デイビット・ミリバンド 38.9%
エド・ボールズ 13.2%
アンディ・バーナム 10.4% ⇒落選
エド・ミリバンド 37.5%
*第三回目投票結果デイビット・ミリバンド 42.7%
エド・ボールズ 16.0% ⇒落選
エド・ミリバンド 41.3%
ここまで来ても50%以上の得票数の議員が不在の為

、第四回目投票へともつれ込む
*第四回目投票結果デイビット・ミリバンド 49.35%
エド・ミリバンド 50.65%

僅か1.3%差

でエド・ミリバンド氏が逆転当選!

ちなみに ディビットとエドは兄弟。
*ミリバンド兄弟この兄弟の父親は有名なマルクス主義政治理論研究者としても知られるラルフ・ミリバンド氏。そしてディビット、エド共に、英閣僚内では珍しく両親ともにユダヤ系。

左が今回の党首選に当選した弟のエド、右が兄のディビット
兄のディビットは閣僚経験も豊富

で、今回のリーダーシップ・チャレンジで必ず勝つだろう!と誰もが予想していた人物。それに対して 今回勝利を収めたエドは、閣僚経験を語る以前に議員経験年数も他の立候補者と比べ非常に短いので、彼が過半数票を獲得した事は英国民にとっても意外な出来事

でした。
*若返る世界の指導者達アメリカのオバマ大統領は49歳でしたよね?イギリスのキャメロン首相は43歳、副首相のクレッグ氏も43歳、そして今回選出されたミリバンド氏は40歳
*労働党大会党首演説で....昨日の労働党大会での党首演説で、ミリバンド氏は「新しい世代の労働党」という言葉を何度も口にしています。労働党の前ブレアー首相が決断したイラク戦争に対し ミリバンド党首は「間違った判断だった。」と自分の見解を述べています。この発言には労働党大会に集まった支持者達の拍手が鳴り止まなかったです。
歳出削減に関しても ある程度はやむを得ないとし、来月発表される政府の歳出見直し案にも相当の理解を示しています。
そしてこれは私も驚いた

のですが、労働党最大の支持団体である各「組合」に対し 「保守党が提出する各省庁歳出削減見直し案を受けて、賃金カットや人員削減が予想される。それに先駆けて 組合の連中がストライキを決行するという話しも耳に入って来ている。しかし この席をかりて私の見解をはっきり伝えておこう。無責任なストライキは国民の支持を得られないだけでなく、私自身の支持も得られない。」と党首演説で発言しました。労働党の党首が組合を敵に廻すような発言を聞いたのははじめてだったので 本当に驚きました

。 当然 その後のニュースで、鉄道関連組合のお偉いさんが 「組合を敵に廻して成功した労働党の党首はいない。今に見てろ!


」と語っていましたね。
実はリーダーシップ・チャレンジでは議員や党員、労働組合員による投票が合計されますが、今回当選したエド氏は労働組合からの投票率が非常に高かったんですよ....

だから尚更 組合のオッサン達は 恩をあだで返されたという印象が強く残ったのじゃ ないかな?と思います。
ポンド動向に直接関係ない内容で申し訳ありません。しかし こちらでは どのニュース番組でも一番最初に報道されている内容ですので、一応 頭の片隅にでも留めて頂けたらと思います。
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