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2010 051234567891011121314151617181920212223242526272829302010 07

5年後にユーロは存在するのか? その2

それでは 第2回目のこの記事は 存在しないと思うという答え つまり  NO をご紹介します。

・セントポール博士 (MITで博士号取得、仏経済リサーチセンター・ダイレクター)
NO,通貨統合加盟はドイツにとってもギリシャにとっても良くない事となったので

単一通貨ユーロ導入は欧州統一の成功には必要不可欠な一歩だと理解されてきた。この考え方は ユーロ誕生後、ユーロ加盟国の経済成長率が 加盟していないEUメンバーよりも若干低めである事実が判明してからも、そう信じられてきた。ユーロ誕生以前には 単一通貨導入に対して疑問を投げかけていたエコノミスト達も、いざユーロが導入されてからと言うもの、ユーロの存続に関して疑問を投げかける事を避けて通ってきた。

今回の危機を通じて 今まであり得ない事が起こり始めてきた。例えばEU加盟国がデフォルトに陥る事や、欧州通貨同盟 (EMU) からの脱退などが現実問題として考えられ始めてきた訳だ。

ギリシャ危機以降、ユーロの信頼性を支えているのはドイツの存在だけとなったと言っても過言ではない。ドイツにとっては、ユーロはドイツマルクよりも良くない通貨であり ユーロ圏に居残る事の正当性を探し始めているのかもしれない。

最近になり欧州救済資金に代表されるように、財政赤字超過国に対する「保険」のような機能が登場した。しかしそういう機能の保険料の出し手は依然ドイツ人の税金である事には変わりない。このように財政面での「連邦国家」的色合いが強くなればなるほど、ドイツが通貨統合に残り続ける正当性は薄れていき、ドイツはそこから離脱したいと考える事になるかもしれない。

・マキン博士 (英Caxton主任エコノミスト)
NO, ドイツの堪忍袋の緒が切れるから

現在と同じ状態でユーロが5年後に存在するとは思わない。理由は、南欧州に位置するユーロ加盟国とドイツとの間に存在する財政規制に対する考え方の違いや 一部のユーロ加盟国の競争原理の欠如は、今後のドイツにとって政治的に (ユーロ使用を継続する) 理由付けとならなくなる危険性があるという事だ。

ドイツの有権者年齢がどんどん若くなるにつれ、ドイツが過去に犯した歴史的過ちに対する罪悪感が薄れてくる。そうなった場合 ドイツマルクに戻ろうというモメンタムが高まるのは必須である。ドイツが抜けたEMUは存在価値がない。

・ジェームス氏 (米プリンストン大学教授)
NO、現在の形でのユーロは5年後にはなくなっているが、存在可能であれば努力すべきである

ユーロ圏の構造改革が進まない限り、現在と全く同じ形でのユーロ存続に関しては疑問文がつかざるを得ない。そうは言っても、単一通貨導入は欧州統一への最大の貢献である事も事実なので 存続が可能であれば それに越した事はない。

最悪の危機というものは、時として 改革のきっかけとなる。今回の財政危機を踏み台にし 更に安定し加盟国全体が満足できる経済/財政監督機能を生み出す事も可能だ。

・シーブライト博士 (仏大学教授)
NO,現在と同じ形では存続出来ないだろうが、形を変えて継続

加盟国のデフォルトや (加盟国のうちの) 小国の離脱によって ユーロの存在自体が危機に晒されるものでは ない。こういう事 (デフォルトや小国の離脱) は今後5年以内に起こりうるであろう。

しかし主要な位置づけにいる加盟国、筆頭としてはドイツの名前を挙げるが、そこが離脱を考えたらユーロは粉々になる。ドルの存在価値は アメリカ合衆国の州のひとつがデフォルトに陥っても それには全く左右されないし、州が独自の通貨を発行するなんて事はあり得ないが、欧州の場合は話しが違う。

ユーロ誕生以来この10年間、欧州の政治家達は ドイツと同じ金利で国債発行が出来るなんていう架空の夢物語が 現実のものとなったので有頂天だった。そもそも ドイツのような括弧たる財政規律を導入せずに同じ金利で国債発行が出来ていたところが既にフィクションの世界であったのだ。


ガ~~~~~~~~~ン

この記事を書いている間に 日本vデンマーク戦が行われていました
見てなかった~~~~~~ 、録画もしてなかった~~~~~~!

おめでとう、日本!

イケイケ  ガンガン攻めろ~~!

もう ユーロなんか どうでもいいです、私  本当に 日本 おめでとう!


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[ 2010/06/25 09:00 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(2)

5年後にユーロは存在するのか? その1

最近 外出が続いて全然マーケットを見られません 。 今日は3時間程 私が過去に見逃したであろうニュースを探す時間があったのでいろいろ読み物をしていたら、エコノミスト誌に面白い記事を発見 。 タイトルは そのものズバリ 「ユーロは現在と同じ形で5年後にまだ存在していると思いますか?」

第一回目は 存在すると思うという答え つまり  YES  をご紹介します。

・ボルドウィン氏 (ジュネーブの大学教授、EEC選出メンバー)
YES,ユーロは今回の危機を乗り越えられる!

ユーロの消滅は経済的見地に立って考えると 大悲劇  となる。消滅過程では欧州にある金融システム全体が混乱し それがきっかけとなり欧州全体が深刻なリセッション入りするであろう。

もしユーロ加盟国の中でユーロから脱退して自国通貨に戻り 通貨安により今回の危機を乗り切ろうと考えた場合、国民は切り下げらえる通貨を持ちたくないが為に 口座から預金引き出しパニックが起こり 、それが他のユーロ加盟国に飛び火する事は容易に考えられる。この現象が欧州全体の金融業界危機へと発展するには時間はかからない。欧州は深刻な  リセッション、歯止めがきかないほどの失業者  そしてこれらの社会/政情不安を背景にした暴動が起こりやすくもなる。欧州に基盤を置く銀行のシェアは世界全体のマーケットでもかなりの規模となっているため、今度はそれが世界的ショック  に繋がるだろう。

こういう状態を避けるためにも、欧州のリーダー達に加え 特に米連銀と英中銀は、欧州で起こっている事が自国にも飛び火しないよう最善の処置を施すであろう。つまり 世界中の政府はこれ以上状態が悪化しないようあらゆる手段を尽くす  と私は信じており、それが今後5年後もユーロが現在の形のまま存続する  と信じる理由である。


・ペロッティ博士 (MITで経済学博士号を取り、米コロンビア大学やイタリアの大学で教鞭を取る)
YES,通貨統合とはすなわち政治統合であるから!

5年後にユーロが存在しているかに対しては YESと答えるが、存在しているべきか?という問いに対しては 「それぞれの見方による」 と答えるしかない。

ユーロの存在の是非に関する答えを見つけるには、どういう理由と過程を経てユーロが誕生したか  を考える事が大事だ。
1990年代後半には、現在起こっている問題が発生する危険性を関係者は十分に認識していた。しかし これらの懸念は加盟国の(ユーロ誕生に向けての)前向きな態度により 後ろに押しやられた。

ドイツを例に取って説明するとと、どうしてドイツは誇り高きドイツマルクを捨て イタリアやギリシャと一蓮托生する決意をしたのか  その答えは経済的な理由などでは全くなく、歴史と政治的理由であった。単一通貨ユーロ誕生までずっと首相を務めたコール首相はナチによる大量虐殺(ホロコースト)を覚えている最後の首相となった。ドイツがユーロを使用するという意味は、(ドイツの)過去を詫び 改めて欧州各国と一体になる機会として、どうしても必要だった。


・リチャード クー氏 (日本では有名ですので説明なし)
YES、危機を通じて加盟国政府の財政政策とその管理が徹底されるから。

ユーロ圏は他の通貨圏とは違い、人工的に作られた圏である。この前代未聞の通貨誕生を機能させる為には参加メンバー全部が一定の規則に沿う事を義務つけざるを得なかった。その一例として、加盟国の財政赤字対GDP比は3%以下とし、それに反した国には罰金が義務付けられた。この安定協定により加盟国間の国債利回り差がほぼなくなる結果となった。しかし一旦 ギリシャがこの規則を破った  事がきっかけとなり、今回のギリシャ危機が加盟国全体に飛び火する結果となった。

この問題を解決するにはユーロ圏の国債入札参加者制限  が一番効果的だろう。つまりギリシャ国債の買い手はギリシャのみとし、各国中銀だけは例外とし、それ以外の「非居住者 = 外人」の入札を不可能とするやり方だ。もしこの方式が導入されたら、ユーロは5年後も重要な通貨として存在している事だろう。

・アレシナ博士 (ハーバード大学政治経済学教授)
YES, 赤字削減を断行し5年後も存在する!

5年後のユーロにギリシャが加盟しているかどうかは確かでないが 、 ギリシャが加盟していようがいまいが それ自体は問題ではない (ギリシャにとっては問題であろうが、欧州圏からすれば問題ではない) 
今回の危機を通じて加盟国政府は「何をすべきでないか」が 「何をすべきか」より重要な問題である事を学んだ筈である。つまり財政赤字削減対策の一部としての増税や、財政出動だけに頼った景気回復策は避けるべきであるという事である。


次回は NOと答えた方々の意見を紹介します

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[ 2010/06/25 07:45 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

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Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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