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イギリス予算責任局からの発表

下の記事でお知らせしたように、たった今 OBRからの発表がありました。

2011年度GDP予想 +2.6%
市場の予想は +2.2~2.5%でしたので、予想より若干高めです。これを好感してか数字が出た瞬間 ポンドが上がりました。まだ エコノミストやアナリストのコメントが出ていませんが、予想より高めのGDPを出した根拠がどこにあるのか?もしかしたら 政府のプレッシャーがあったので 高めの数字を出したのか?という憶測が出てこないとも限りません。

赤字額 2010~2015年度 政府予想より220億ポンド少ない という見解を示しました。
たぶん これがポンド上昇要因だったのかもしれません。

取り急ぎ 記事にします。また何か出てきたら すぐに追記なり 新しい記事なり書きます。

追記:

*GDP予想
2010年 +1.3%
2011年 +2.6%
2012年 +2.8%
2013年 +2.8%
2014年 +2.65%

2011年以降のGDPは、前労働党政権が今年3月の本予算案で発表した数字よりも低めとなっています。


2010年第2四半期GDP予想 +0.6%⇒第3四半期予想 +0.7% ⇒第4四半期予想 +0.7%
2011年第1四半期予想 +0.6% ⇒ 第2四半期予想 +0.6%

ずっと横ばいという事みたいです。しかし リセッションに逆戻りという予想でない事は確認されました。

*公的部門純借り入れ高(PSNB)予想
2010/11年度 1,550億ポンド
2011/12年度 1,270億ポンド
2012/13年度 1,060億ポンド
2013/14年度 850億ポンド
2014/15年度 710億ポンド

3月の本予算では、2010/11年度 1,630億ポンド、2011/12年度 1,310億ポンドの借り入れと発表されていました。

*財政赤字対GDP比
2010/11年度 10.5%となり 2014/15年度までに 3.9%へ減少する予定
3月に労働党が発表した本予算案では、2010/11年度の数字は +11.1%となっていたので、今回の予想は若干低めとなりました。


まだあるみたいなので また 追記します

追記2:

*インフレ率(CPI)予想
2010年第4四半期 +2.3%
2011年 +1.6%
2012年 +2.0%

*感想
一番最初のところに書きましたが、労働党の予算案で発表されたGDP予想よりもOBRが出したGDP予想は低い数字になったとは言え、市場が予想していたGDPの数字よりかは若干高めの数字が出た点、労働党のGDP予想よりも低めであるにもかかわらず公的部門借り入れ額が低めとなっている点が ムムム...です

総選挙前に保守党も自民党もあれだけ口を揃えて労働党の財政政策をけなしていたのですが、この数字を見る限り2010年から2015年にかけて 220億ポンドの借り入れ減となっているのが なんだか違和感ある。まぁ 重箱の隅をつっついても仕方ないのですが、大まかなところ 労働党の予算案とあまり大差ないな というところで落ち着くしかないのでしょうか?

財政政策専門家の見方によると、今回の数字を使って2015年までに財政赤字対GDPを3%までに減少させるには、今年度の歳出削減額は200億ポンドとなるそうです。しかし 構造的赤字幅がはっきりしない現在、そして実際に英経済がOBR予想通りに今後3年間 平均+2.25%成長を達成出来ないかもしれないリスクを考えあわせると、今年度中に500億ポンド程度の歳出削減/増税が必要となるかもしれないそうです。

ちょっと待てよ 、500億ポンドも削減出来るかい?マジ? そんな多額の削減が出来るならとっくにやっているように感じるのは 私だけでしょうか?



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[ 2010/06/14 18:39 ] 英予算責任局(OBR) | TB(-) | CM(1)

イギリス予算責任局の初仕事

今晩わ 
もう 月曜日夜中2時近いです。先週は毎日 外出やお医者さん通いをして完全に乗り遅れてしまいました 。 この週末はワールドカップ  を見たり掃除をしたりして 穏やかに過ごしたのはよいものの、PCの前に座る気になれず とうとう夜中12時過ぎにブログ書きを始めた次第です 

今週 英国に於ける2大イベントは 1)月曜日: 英予算責任局 (OBR)発表の英経済成長率予想 2) 水曜日: オズボーン財務相と英中銀キング総裁によるマンション・ハウス・スピーチ  だと思います。今夜は 1)に関して記事を書きます。 2)に関しては また後日改めて 


英予算責任局 (OBR)発表の英経済成長率予想: 
月曜日 ロンドン時間午前10時から 


* the Office of Budget Responsibility (OBR 予算責任局)って何?
The Office for Budget Responsibility (OBR) was formed in May 2010 to make an independent assessment of the public finances and the economy for each Budget and Pre-Budget Report. It is being chaired, on an interim basis, by respected fiscal and macroeconomic expert Sir Alan Budd

関連リンク その1, その2 

連立内閣の「保守党」の希望で設置された独立機関。
主な仕事内容として、経済成長率予想と見通し、政府の財政予想、政府に対して予算編成に関する勧告、赤字削減執行/達成状況の監視と報告、予算編成に向けての各省庁の(赤字削減に対する協力度の)監査などを担当します。

*OBR構成メンバーは?
Sir Alan Budd、Geoffrey Dicks、Graham Parkerの3名で構成されています。委員長に就任したAlan Budd卿は 元英中金融政策委員(MPC)のメンバー、その後 財務省主任経済アドバイザーを努めています。

*OBRの初仕事は?そして その後は?
6月22日にオズボーン財務相が発表する緊急予算案は、本日月曜日にOBRが発表する最初の財政予測に基づいて策定されます。

今後の予定としては、毎年政府が発表する本予算(春)と予算編成方針(秋)の時期にあわせ、最低でも年2回以上 財政見通しを中心に発表する事になっています。

*今までは財務省がGDPなどの予想を立てていましたが、それは もう なくなるのですか?
OBRを設置するに先駆けて、保守党内でOBRの「役割」に関して議論されました。議論の内容としては、財務省が立てたGDPや財政予想に対してOBRが監視したりコメントを出したりするだけなのか?又は OBR自身が財務省に代わって それぞれの予想を立てるのか?という点です。最終的にオズボーン財務相は後者を選択し今日に至っているようです。

つまり 繰り返しになりますが、新政権のもとでは財務省は独自のGDPや財政予想を立てず、それらは全てOBRの責任の元に行われます。

*どうして 財務省が今まで通り 独自の予想を立てないのですか?  
過去のどの政権を例に取っても、財務省は比較的「楽観的過ぎる 」 経済成長率予想を立てる傾向がありました。一番最近の例を取りますと、前労働党政権のダーリング財務相が今年3月の本予算で発表した2011年度のGDP予想は+3.0~3.5%となってますが、大方のエコノミストの意見では せいぜい良くて+2.0~2.2% 。 政府はその「楽観的過ぎるほど高めのGDP予想」を土台にして 各年の借り入れ額をはじき出す為、誤差が大きくなる危険性  が常につきまといます。

具体的な数字を使って説明しますと、もし OBRが2011年度GDP予想を+2.25%とした場合、ダーリング財務相が出した2011年度GDP予想 +3.0~3.5% と比べ、約70億ポンドの借り入れ増  となってしまいます。保守党は 政治家の都合で 高め高めに設定されるGDPを頼りにしていては正確な財政事情が把握出来ない  それは現在の英国に取ってはマイナスの結果を生み出す  ので、第三者の立場であるOBRに その役割を補ってもらおうと考えたようです。

もうひとつ ちょっとイジワル  な見方としては、オズボーン財務相が経済通でない事は有名です。総選挙が行われる前に保守党は (総選挙後)政権を取った場合 オズボーン氏が財務相となる  財務省が立てたGDPや財政予想に対して責任が持てない   「責任逃れ場所」としてOBRを設置した  というもの。この意見はあながち的外れでないという意見は多いみたいです....

*具体的にOBRと財務省の役割分担の違いは どうなるのでしょうか?
例えば オズボーン財務相が 2015年度が終わるまでに財政赤字を全てなくす  という目標を立てたとします。

OBRが具体的に各年の削減額を決定し、オズボーン財務相に伝えます。
オズボーン財務相は 削減額を達成する為に必要な歳出削減、増税の内容を決定します。

つまり簡単に言えば、OBRが削減コスト額を決定し、財務省が削減内容の決定をします。

The government will "fix the budget to fit the figures, not fix the figures to fit the budget."
これはオズボーン財務相の有名な発言です。内容は 「政府は (OBRが設定した)赤字削減幅に基づいて予算案を設定する。決して(政府が切望する有権者好みの)予算案をカバーしてくれるに十分な借り入れ額を設定する訳では ない」

削減内容が政府により発表された後、OBRは財政赤字を迅速に削減するとの新政権の公約の順守状況を評価し その見通しや評価を 先ほど述べたように年2回以上 発表する事になっています。

*私個人の意見
OBRという独立した機関が、政府の赤字削減策の進行状況を客観的に監査してくれる機能は非常に好ましいものだと思っています。しかし ひとつだけ心配な点として、赤字削減幅が予想以上に高くなり 有権者である国民が非常な不満  を抱いた場合、政府や財務相は 「OBRが決定した額だから」という責任逃れをしないだろうか という事です。

現政権が続く限り、OBRは 英中銀金融政策理事会(MPC)と並ぶ重要な  位置づけとなりますね。つまり 財政はOBRが、金融政策は英中銀が それぞれ舵取りをするという意味です。OBRも英中銀も それぞれ GDP予想を出しますので、その比較も興味深いですね。

もう2時過ぎました。お休みなさい~~ 

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[ 2010/06/14 09:54 ] 英予算責任局(OBR) | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
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