困った事になりました

英国立統計局(ONS)が木曜日に発表した2010年1月の公的部門純借入高(PSNB)は 43億3,900万ポンドの借り入れ。PSNB発表が開始された1993年以来、1月という月は 全て返済月となっています。つまり 今年1月は 数字発表開始以来 初の借り入れ月となってしまった訳です

(ちなみに 予想は 18~28億ポンドの返済) ここで数字の比較をしても意味がないと叱られそうですが、2009年1月の数字は 50億ポンドの返済 となっているので、如何に2010年1月の数字が 恐ろしいものか

お分かりになって頂けたかと思います。
どうして 通常1月は 返済月となるのか

と言うと、この月は 所得税や法人税の申告期限の影響で 公的部門の収支は大幅な黒字となってしかるべき月だからです。しかし 今年1月は 所得税収入 前年対比 -19.2%減少が大きく響き

、歳入全体として 前年比 -16.1%となり これまた 数字発表以来 最大の収入減を記録してしまいました。
新税制年度が始まった2009年4月から 2010年1月までの累計PSNBは 1,220億ポンドとなり これまた過去最大の赤字幅を記録
ひとつだけ 明るい(?)ニュース

としては、今年度 政府は 年間PSNB額を 1,780億ポンドとの予想を出しています。財政年度終了まで 残すところ あと2ヶ月。Institute for Fiscal Studies (英財政研究所)の推計によると 今年度のPSNB総額は 1,690億ポンド、つまり 政府の 1,780億ポンドより 低い数字になる可能性があります

。米JPモルガン銀行は 更に低めの 1,600億ポンドという予想を出しており、意外と政府予想よりも借り入れ額が低い数字で終わる可能性が出てきました

まぁ 喜んでいる場合では ないのですが、最後に もうひとつ数字を紹介します。
2010年1月現在 英国の公的部門純債務残高は 8,485億ポンド、対GDP比 59.9%
(ちなみに 2009年1月の数字は 7,080億ポンド)
さて、ここからが本題です

が 今年度PSNB額が 政府予想の 1,780億ポンドと仮定した場合 それは対GDP比 12.8%となり、ギリシャの 12.7%よりも 悪い数字になります




しかし 英・公的部門純債務残高 8,485億ポンド 対GDP比 59.9%という部分を ギリシャと比較すると ギリシャの場合は 対GDP比 113%という数字になっています

イギリスとギリシャの赤字額、対GDP比を 比較しても仕方ないんですけどね....
個人的には 現在までに発行された英国債の残存年数は ギリシャのそれよりもずっと長めなので 万が一の時は 立場的に安定感があるとは 思っています

が、格付け機関が どういう判断を示すかは 私には判りません

この数字が出てから ポンド売ってるんですが 全然 下がらず 困っているN20でした

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