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はつめさんの質問(ポンド安支援)へのお答え


はつめさん、ブログ訪問ありがとうございます。早速 お返事を書いたのですが 字数が多すぎたのか 反映しません。ですので 記事にします。

赤い字が はつめさんからの質問です

初心者ですみません。変な質問かもしれませんが、
英国のことまったくわからずお許しください
英国はポンド安を支援しておりますが、やはり英国も日本のように
輸出企業が経済を支えている感じなのでしょうか?だからポンド安支援なのでしょうか?
ポンド安が経済を支えているような発言をされているので気になりました…
日本も今問題のTOYOTAはじめ電機業界など輸出企業が経済を支えている
ところもあるのですが、日本はデフレなのに円高で海外旅行には最高ですが
私は輸出企業なので給料が減って困ってます。
なのでFXをはじめようと勉強しはじめました。
勉強すればするほど奥が深くリスクが怖く口座開設できてませんがね
ポンド安と言ってくれる英国がうらやましいです。
日本は円高推進とまで思われているようですので、また給料が減ります

それにしてもこのレポートもあいまいでどっちともとれずよくわからないですね。
でも英国も決して経済状況が良くないことはわかります。
さて、日本と英国どちらが厳しいのでしょうかね



ご質問 ありがとうございます。はつめさんは 輸出企業にお勤めの方なんですね。給料が減るのも大変ですが 解雇の波は 大丈夫なのでしょうか?

ご質問への回答ですが ちょっと 曖昧になってしまう事を 予め お断りしておきます。

まず 英国は 日本のような「輸出大国」であるか?
答えは NOです。2007年から続いている世界規模の金融危機により ご存知のように 英国は財政赤字を垂れ流し続け ソブリン格付けまで危うい状態におります。昨年秋に発表された予算編成方針で 金融機関労働者に限定した賞与特別税(限定措置)を導入、同時に 年間収入が15万ポンド以上の人への所得税を40%⇒50%へ 上げました。これら高額所得者は 金融業界に多いので ダブルパンチです。これが原因で 英GDPの最大貢献業種である金融業界から反発をくらい 米ゴールドマン・サックスなどが 次々と 拠点移動検討を発表しています。

英国の財政赤字は もう どうにもならない限界レベルにまで達しています。片足を棺おけに突っ込んだ状態である英経済を支える業界は 今のところ 製造業くらいしか 残っておりません。ちなみに 具体的な数字を挙げますと 英GDPに於ける 製造業の比率は 僅か 12.4%、製造業と それに関連する業界を含めても GDPの15%弱にしか なりません。ですので 英政府、中銀も どれだけ製造業が頑張ったとしても それが景気を大きく回復し 雇用をどんどん創出してくれるとは 思っていないのでは ないでしょうか?しかし 事実として 製造業が景気下支えしてくれる間に 他の業界が元気をつけてくれれば リセッション再突入は避けられるという考え方かもしれません。

英財政赤字懸念、そして 格付け会社による英ソブリン格付け下方修正懸念もあり ポンドは下落の一途を辿っています。幸い 英国以外の欧州諸国をはじめとする世界中の国々の景気回復基調は 英国のそれよりもずっと強くなっており、それらの国に向けて 英輸出企業が製品/サービスを輸出出来れば マイナス成長は避けられるという可能性が 残るという計算に なります。

ですので 最後の頼みの綱として 藁にもすがる思いで 英国は現在 ポンド安を歓迎するような言動が続いてしまっていると言っても過言では ありません。今後 景気が回復し ロンドン・シティーの活躍が再開されれば ポンド安を誘導、歓迎するような発言は 減少すると思います。

最後になりますが 日本と英国の当局の通貨政策に対する違いは はっきりしております。英国は 通貨の価値は市場が決めるもの という姿勢を貫いております。ですので 上がっても下がっても 実弾投入という形での市場介入は ソロスさんのポンド攻撃以来 やっておりません。それに対し 過去の日本は 市場介入で無理矢理 円安に持っていくという行動を 何度も 取りました。

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[ 2010/02/04 22:30 ] マーケット | TB(-) | CM(8)

英中銀MPC発表

量的緩和策ですが 英中銀は Pause (一時的に)ちょっと休止する という言葉を使ったのですが、他の報道では Maintain 維持、継続する という言葉になっています

いずれにしても テクニカル的には 量的緩和策増額は なしだが、また後日 見直し という事でしょうか。

つまり 「量的緩和策終了」 となると 次の動きは Reverse つまり 買った債券の放出 という行為になります。しかし 本日の決定は 量的緩和策は まだ終了してません、でも増額は しません、もう 量的緩和策枠組み全額使用済みですので 必要となれば改めて増額するかもしれませんが 現在のところは このまま 使いきり状態で継続です

という事だと 私は理解しています。これじゃ 動けないなぁ.....

議事録公開が待たれます
また 何かニュースが出たら 追記しますので 時々 見てください

追記1:
念の為に 英中銀声明文 コペピしておきます

Bank of England Maintains Bank Rate at 0.5% and Maintains the Size of the Asset Purchase Programme at £200 Billion

4 February 2010

The Bank of England’s Monetary Policy Committee today voted to maintain the official Bank Rate paid on commercial bank reserves at 0.5%. The Committee also voted to maintain the stock of asset purchases financed by the issuance of central bank reserves at £200 billion.

After a substantial fall in output, the United Kingdom economy recorded sluggish growth in the final quarter of 2009. Spending by households appears to have picked up a little, though that may partly reflect temporary factors. The rate of decline in businesses’ investment spending appears to have eased. And the world economy continued to recover, raising the demand for UK exports.

CPI inflation has risen sharply to well above the 2% target, reaching 2.9% in December. That rise was largely accounted for by higher petrol price inflation and the reduction in the main VAT rate a year earlier dropping out of the calculation. Inflation is likely to have risen further in January, reflecting the restoration of the VAT rate to 17.5%. Pay growth has remained subdued.

The considerable stimulus from the easing in monetary policy, the lower level of sterling and the recovery in UK export markets should together support domestic activity. But credit conditions are likely to remain restrictive, while the need to strengthen public and private sector finances will also weigh on spending. On balance, the Committee believes that the prospect is for a gradual recovery in the level of activity. The recession has probably impaired the supply capacity of the economy, but the scale and persistence of the fall in output means that a substantial margin of under-utilised resources is likely to remain for some time to come. That is likely to mean that inflation will fall below the target for a period.

In the light of the Committee’s latest Inflation Report projections and in order to keep inflation on track to meet the 2% inflation target over the medium term, the Committee judged that it was appropriate to maintain Bank Rate at 0.5% and its stock of purchases of government and corporate debt financed by the issuance of central bank reserves at £200 billion. The Committee noted that this stock of past purchases, together with the low level of Bank Rate, would continue to impart a substantial monetary stimulus to the economy for some time to come. The Committee will continue to monitor the appropriate scale of the asset purchase programme and further purchases would be made should the outlook warrant them.

The Committee’s latest inflation and output projections will appear in the Inflation Report to be published at 10.30am on Wednesday 10 February.

The minutes of the meeting will be published at 9.30am on Wednesday 17 February.

追記2:
今回の量的緩和策一時中止決定に関しては 理事達の意見が 相当 分かれた筈です。そして 一時中止 という事は 状況に応じて 再開もあり という事になります。この声明文だけで 判断するのは危険ですが 読んだ感じでは 「どんなに弱くても GDPが上昇傾向にさえあれば 敢えて 量的緩和策の再開をする可能性は低い」 というイメージを勝手に受けました。

総選挙後 どのような財政政策を取ってくるか 今の段階では 全くの未知数である事も 英中銀が量的緩和策再開の可能性を残しておいた理由のひとつかもしれません

そして この声明文を読む限り 前回2009年11月に発行された英中銀四半期インフレ・レポートの時と比べ かなり景気見通しに弱気になっている印象を受けました。となると 2月10日に発表されるインフレ・レポートに於いて 英中銀が景気見通しの下方修正をしてくる可能性が高まったと言っても よいのかもしれません。


トリシェさんの記者会見まで あと1時間半。朝ごはん まだ 食べてないので ちょっと 食べてきます

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[ 2010/02/04 21:14 ] 英中央銀行 | TB(-) | CM(1)

BOE と ECB 理事会に向けて

*英中銀金融政策理事会(MPC)
これは 昨日 記事にしましたので 予想に関しては そちらをお読み下さい

今月10日に 英中銀四半期インフレーション・レポートが出ます。その次のインフレ・レポート発行日は 5月12日とされています。英中銀は 量的緩和策増額などの変更は 全て インフレ・レポート発行月に実施して来ました。

英総選挙は 6月3日までに実施されなければならず、現在のところ 5月6日投票日 というのが有力視されている事は このブログでも何度も書いています。もし 5月6日投票日が確認された場合 同日に実施される予定である英中銀金融政策理事会(MPC)は 5月10日に延期される事になっています

そうなると どういう理由にせよ 量的緩和策の増額が必要な場合は 本日発表する以外 手がない事になってしまいます。もちろん 5月6日投票後のMPC(5月10日)に 量的緩和増額発表をする事は 可能ですが、たぶん 選挙後のゴタゴタしている最中に 新たな火種を撒くとは 常識的に考え難いからです

一番最近(2月2日)発表された世論調査では 保守党と労働党の差が 7ポイントまで縮小されてきました。先日 英第4四半期GDP速報値が予想よりずっと弱い+0.1%と発表されて以来 既に5つの世論調査が実施されていますが 全てが 前回と比べ 保守党と労働党の格差の縮小を示しています。

既にこのブログでも触れておりますが、保守党は 当選が確定したら 緊急予算案を発表し 財政赤字削減に向け 相当なスピードでの緊縮財政政策を取る と 見られています。それに対し 労働党は 景気の腰をおる危険性を避け 緊縮財政開始時期を見極める(=言葉を変えれば 2011年以降に 赤字削減策開始) という姿勢を取っています。

英第4四半期GDP速報値発表以降に実施された世論調査で 保守党と労働党の格差が縮小している事実は 「保守党、お前 ちょっと スピード落とせよ。赤字削減も大事だけど ここから また 第2のリセッションに突入する事だけは 避けてくれよ!」という国民の声なのでしょうか?

*ECB定例政策委員会
通常 金融政策に関する決定が注目されるべきなのですが 本日に限って言えば それに関するサプライズが出るとは考え難いです。ECBが行っていた緊急融資措置の延長/解除の決定は 来月公表される欧州景気/インフレ予想を確認してから というコンセンサス。これは 先月 トリシェ総裁が "all the decisions will be taken in our first meeting in March." (緊急融資措置に関する決定は 全て3月の定例政策委員会の席で行われるであろう) と語っていますので どうにも なりません。

そうなると 当然 注目点は 先月同様 トリシェ総裁の記者会見⇒ 質疑応答⇒ ギリシャ問題 となるでしょう。今月は 先月と違い ギリシャだけでなく ポルトガル、スペイン等に対する質問が次々と 又は まとめて飛び出しそうです。皆さんも まだ 覚えていらっしゃると思いますが 先月の記者会見の席で トリシェ総裁は ギリシャに対してEU 又は ECBが何か援助をするのか という質問に対し 「特別な待遇はない」と 淡い期待を一蹴しました。今月は ギリシャ以外の国も 危なげな国 (PIGS) として名前が挙がっているので その辺に関して 何か鋭い質問が出てくるかもしれません。

まぁ トリシェさんとしては どういう理由にせよ ユーロが下落し始めているのを見て ホッとしているのかもしれませんね。もちろん 下がる理由が 「ドル高」であれば 最高ですが、このユーロ下落が インフレ懸念を招かない限り 欧州当局関係者は ほっとしているのかもしれないな と思っています

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[ 2010/02/04 19:31 ] 英中央銀行 | TB(-) | CM(2)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
Net Money
FXダイレクトプラス
2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
フィリップ証券さんで連載始めました
フィリップ証券さんで
月2回 コラム始めました。
ロンドン発 松崎美子の
FXマーケットレポート
フィリップ証券
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