木曜日は 散々な一日でした

。詳しく書いても仕方ないので 詳細は省きますが やる事が全て裏目に出る一日

木曜日 外出して帰宅したのが午後3時15分。米株式市場は約1時間前にオープンしてるので 慌てて PCをつけました。画面を見て 吃驚!

米株が大幅下落!

ゴールドマンの業績が悪かったのかな くらいしか 頭に思い浮かばなかったので ニュース探しまくり

。ニュース探しながら スクリーンを見ていたら 今度は ドル下落

ユーロ/ドルが 1.4055くらいから 一気に 1.4120まで上昇。普通 ユーロが上昇すると金も上がるけど 金はドンドン下がってる

。こりゃ タダ事では ないぞ と思い 冷静さを失ってしまったんですよ~、私は
普段だったら 絶対にやらないのですが この時は 「何かがアメリカで起こったに違いない。ドル売りや~!

」と奇声を上げて ユーロ買い/ドル売りをしたのですが 買った途端 30ポイント以上 下落

。理由が分からない取引なので ポジション保有すべきかも分からない (絶対に真似しないで下さい)。だから 切るしか出来ない。切った途端 また 上昇

ここで やめておけばよいのに フッと豪ドル/円を見たら ずっと待っていた82円台Low じゃ ありませんか!買いました! 今度は調子よく すぐ20ポイント以上 上昇したので 「ヨシヨシ これが私の実力だ!」

と喜び 台所に降りて行き コーヒーを入れて戻ってきたら 既に 大幅下落。また 損切り
結局 昨日は 3回 連続損切りでした

。私の鉄則: 1日に口座残高の10%損失が出たら その週は取引禁止 には 引っかからなかったものの やはり 3回連敗した後は 頭を冷やすのが一番。だから 今日は 取引しません。
話しは オバマ大統領に移ります。ブッシュさんが大統領だった時 私は半分 馬鹿にしていた部分がありました。そして 今度は オバマ大統領誕生。私はオバマさんという人に関して ほとんど 知識を持ち合わせていなかったので 非常にニュートラルなイメージを持つ事が出来ました。オバマさんが大統領に就任して1年経った今 随分 イメージ変わりましたねぇ、私の中で.... この人は一期だけの大統領なのでは ないか と思います。
2007年夏のサブプライム事件が引き金となった世界規模の金融危機以降 主要国では 国民の間で 金融機関の救済や高額報酬に批判が高まっている事は事実です。私が住んでいる英国でも 「私達の税金を導入して どうにか息の根が繋がっている銀行のくせに どうして あの人達は そんな高額な給料やボーナスが貰えるの?」という批判ですね。
それら金融機関に対し オバマさんは 毎日のように 新しい規制を加えています。銀行特別課税の発表は ほんの数日前でした。そして マサチューセッツ州の補選での民主党敗北、その翌日の木曜日 今度は 金融機関の自己勘定による投機的取引/売買の制限やヘッジファンドなどへの投資・出資の禁止を求める規制案発表
ちょっと 感情的になってますよ、私は

。元銀行で トレーディングに携わっていたから 尚更なのかもしれませんが どうしても 冷静には受け止められません。
もちろん 欧州でも バーゼル銀行監督委員会が提案した自己資本積み増しに関する規制で 英系銀行が あと 数百億ポンドの自己資金調達の義務が生じる云々のニュースは 耳にしています。同じく バーゼル銀行監督員会で現在検討されている金融機関に対する新しい国際規制案には、自己資本規制のほかにレバレッジ規制や流動性規制も盛り込まれる方向だというのも どこかで読みました。
しかし オバマさんは 銀行の自己勘定による取引制限/禁止にまで踏み込んで来たのだから 驚いた

と同時に 怒った!
そもそも ここでいう「金融機関の自己勘定による投機的取引/売買 proprietary trading 簡略して Prop」というのは 具体的にどの範囲まで指しているのかが 不明です。私が身近で接していたPropとは 為替やオプションのポジションを持ち それによって利益を上げ 報酬を得るおっさん軍団です。この人達は ほとんどが若い頃 マーケット・メーカーとして ある通貨のスポット取引をしていた

しかし 年齢が上がってくるにつれ スポット・トレイダーでいる事に体力の限界を感じる

素晴らしい市場感覚を持っているディーラーは スポットから外れ 自分の相場感に基づいたポジションを取り 収益を挙げる = Propディーラー誕生
これ以外のPropも当然あります。例えば 株式デスクですと 顧客が大量のA株を売却したいと申し出てきたので 銀行は その受け皿になる。しかし 顧客が売ってきた株を そのまま 市場に放出して売却すると値崩れを起す危険性が出てくる。よって その銀行の自己判断により 一部の株式をその銀行が単純に 保有する。又は A株を保有しながら ヘッジ用にA社の同業他社株をショートにして ヘッジする 等ですね。
Propの説明は これくらいにして 先に進みます
今回の規制提案で ヘッジファンドの部分に関しては ある程度 頷けます
ベア スターンズがこけたのは 傘下のヘッジファンドがサブプライム関連金融商品で損失を出し破産法を申請したから。ゴールドマン・サックス傘下のヘッジファンド2社もサブプライム関連金融商品で損失を出した経験があります。ですので 「ヘッジファンドなどへの投資・出資の禁止を求める規制」というのは 分かりました。
しかし 「金融機関の自己勘定による投機的取引/売買の制限」って 何だよ?

ざっと思いつくままに 私が持った素朴な疑問を 書き並べてみます
1)経済政策が政治の犠牲になる恐れが あるのでは ないか?
2)これは 米系金融機関のみが受ける制限なのか?もし そうであれば 米系銀行の海外支店も 同様に制限されるのか?
3) 2)と関連していますが 米国にある外資系銀行は 同様の制限を受けずに済むのか?その場合 大統領自身が アメリカの金融機関の国際競争力を制限する事に繋がらないのか?
4)そもそも 今回の金融危機は 支払い能力のない人に住宅資金を貸し付けた事が発端となり起きた問題であり 自己勘定トレーディングとは 何も関係ない。つまり 自己勘定であれ、顧客資金であれ、トレーディングが金融危機につながったわけではない (こうした制限が必ずしも、金融危機を招いた問題の核心に迫るものではない)
5)国民の税金を導入したのは 銀行だけでなく AIGなどの保険会社、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)にも及ぶ
6)米国の大手金融機関が 自己勘定取引を停止すれば、市場の流動性低下懸念に繋がらないのか?
7)金融自由化の波に乗って規模拡大を追求してきた米金融業界は大きな方針転換を余儀なくされる可能性が出てきた。米金融業界の構造全体、トレーディング環境全体が変化せざるを得ない
8)たしか オランダの財務相が言っていた言葉ですが 「リスク管理や企業統治、その他の規制監督体制の改善に重点を置くべき」 同感です、私
9)ゴールドマン・サックス と モルガン・スタンレーは 2008年に投資銀行から商業銀行に 変わりましたよね。今回のProp制限は商業銀行を対象に行われるようなので これら2行は また 投資銀行へ再度 変わるのでしょうか?
10)これにより Prop制限を受ける銀行は シティバンク、バンカメ/メリル、JPモルガン、ウエルズ・ファーゴ、ゴールドマン、モルスタ
11)そもそも オバマさんは 今回の規制強化案導入に向けて 具体的な数字を挙げて Prop制限の根拠を説明していない
12)何よりも 木曜日の米株式市場の暴落が この規制強化案に対して NO!と言っている一番の証拠では ないのか?
「顧客に奉仕するという中心的使命から金融機関があまりにもかけ離れることを、これ以上見過ごすことはできない。ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドの運営、短期的収益獲得を目的とした一段とリスクの高い投資により、あまりに多くの金融機関が国民の税金をリスクにさらしてきた」
「金融機関が闘いを望むなら、受けて立つ用意がある」
ホワイトハウスは アメリカの窮状に対する責任を、ウォールストリートに転嫁しているだけにしか見えないのは 私だけでしょうか?中間選挙に向け 非常に大衆受けしやすい規制案である事には 疑いの余地がありませんが、政府による経営への介入拡大に金融界が反発するのは必至です
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