ギリシャに続き 今度は オーストリアです
オーストリア第6位の銀行:Hypo Group Alpe Adria (ヒポ・グループ・アルペ・アドリア)の国有化が昨日 発表されましたが 本日は 第4位:Oesterreichische Volksbanken (フォルクスバンケン)が オーストリア中央銀行と金融監督庁の監視リストに載った という報道が オーストリアのDie Presse という新聞に載ったようです。
私は 2008年11月に
欧州系銀行の誤算、今年2月に
東欧危機によるユーロ売りという二つの記事を書きました。この頃から既に 今回のオーストリア危機は 十分に予測可能だったとも言えます
恥ずかしい事に 私は このHypoなんとか銀行という名前を聞いた事がありませんでした

。調べてみると Alpe と Adria という名前が示すように この銀行は 欧州/東欧中に支店網を持つ銀行のようです。Alpe(アルプス)の名前の通り オーストリア、イタリア、リヒテンシュタイン地域、 Adriaの名前の通り アドリア海沿岸諸国 (旧ユーロスラビアですね、簡単に言ってしまうと) スロベニア、クロアチア、ボスニア、セルビア、モンテネグロ各国です。
先週末 このHypo銀行が危ないと連絡を受けたオーストリア中銀 Nowotny総裁は 政府に 同行の国有化を進言

したのですが どうも話しが進まない

。最終的には 同総裁が ECB トリシェ総裁と 独連銀 ウェーバー総裁に頼み込んだ

みたいです。で 最終的に 両氏が オーストリア首相、財務相に 直ちに同行を国有化するよう 半ば 強制命令を下し

やっと 国有化に漕ぎ着けたようです。

このグラフは 欧州系銀行の誤算 という記事で使用した古いチャートです。本日のWSJ紙を読んだところ オーストリア系銀行の東欧に対する融資(債務)残高は GDP対比 70%となっています。このチャートを作った昨年11月時点では GDP対比 85%となっていますので 少しは改善したのかもしれません。
ユーロ圏は ずっと以前から PIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国の格下げ

や 増え続ける赤字

の話しで持ちきりでした。それにより 国債市場では PIGS諸国の国債イールドと 独国債のイールド差が どんどん拡大(PIGS諸国に不利)していますが 為替に関しては ほとんど 影響を及ぼしませんでした
私達マーケット参加者は 米国の銀行が危ない

、英国の銀行の不良債権処理が遅い

等の理由を背景に ガンガン ドル売りを進め

ポンドを叩き潰しました

。しかし どれだけ PIGSが危なっかしくても 東欧危機の現状が 果たして どれだけ深刻なものなのか

疑問を投げかけませんでした。つまり 言い方を変えれば
ドルとポンドは これらの材料が織り込まれ済みですが、ユーロは これから 織り込み始めようとしたばかり とも言えます。
それを反映してか 昨日(月曜日)の午前中 ある金融機関が 推定額20億ユーロという膨大な額面

の ユーロ・プットを購入した模様です。ストライクは 1.36~1.40 の間をいろいろ、期間は 2ヶ月 (2010年2月中ですね)
このオプションの購入動機が ドル安の一部修正としてのユーロ・プットなのか、はたまた 今回の ギリシャ/オーストリア危機を嫌気した 本格的なユーロ下落予想に基づいたものなのか が 知りたいです。タイミングが よい

ですね、それにしても
まぁ 1.36~1.40は 今のところ 少し 遠いですが、短期的には 年末までに期日を迎える ユーロ DNT 1.4500-1.5300 に注目です。と言っているうちに ユーロ 今 1.4516まで下げてますよ!
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