昨日から2日間に渡り ブリュッセルでEU首脳会議が開催されています。その席で 当然課題として挙がったのが ギリシャ問題

。先ほど ギリシャのパパンドレウ首相が会見を行い、「来週 企業経営者や労組幹部と会談した後、財政赤字の削減計画について大枠を示す」と語りました。WSJ紙によると 来週発表される赤字削減計画は 来年1月19日に行われるEU首脳会議で 再度 議論される模様。しかし そんな先まで 議論を延ばしても 大丈夫なんですかね?
南アフリカのある銀行のストラテジストが ブルーンバーグとの電話

インタビューで 「ギリシャとアイルランドは 来年末までにユーロ圏離脱の可能性もある」 という厳しい内容の発言をしたようです。そのストラテジストの話の内容ですが 「いくら ユーロ加盟国間で協力しあう

と言ったとしても 黒字国が一時的に 赤字国に財政黒字を移し変えるようなメカニズムは存在しない。そんな事が起こったら 世界中の投資家が ギリシャ救済を先取りして 独国債を買う代わりに (イールドの高い)ギリシャ債を購入して 救済を待つ姿勢を取るに違いない。現在 独債とギリシャ債のイールド差は 約 200ポイントを越えたところだが、来年には このイールド差は 400ポイントまで拡大する危険性があると思っている

。同様に 独債とアイルランド債のイールド差も 現在の 170ポイントから 来年中には 300ポイントまで拡大すると予想している

。念の為に付け加えるが 過去5年間の 平均イールド差は 独/ギリシャが 67ポイント、独/アイルランドが 43ポイントである。金利下げ、通貨切り下げという手段を持たないこれらの国は 最終的に 早ければ2010年中にも ユーロ圏からの脱落に追い込まれるかもしれない。」というもの
私も昨年末に
ユーロの将来 という記事で ユーロ存続の危険性を書きました。お時間があれば 是非 お読み下さい

昨日 EUの最大の経済力を誇るドイツのメルケル首相は ユーロ加盟国が被っている困難は 全ての加盟国共通の問題となる。ひとつの通貨を共有しているという事は 共通責任を背負っている事を意味する」という内容の発言をしています。内心 いいのかな?そんな発言してしまって

と私は思いました。
みなさん もう忘れてしまっているでしょうが 私は このブログで今年の2月に 元連銀総裁:ペール氏の記事を書きました。リンクは
これ です。これは その時 に ペール元総裁が仰った言葉です
*重債務国、特にアイルランドやギリシャ、は デフォルトの危険性がある
*重債務国がユーロから離脱した場合のコストは非常に高くつく
*離脱した国は 市場の信認を失い その結果として 為替相場は50-60%下落し 同時に 金利は糸が切れた凧のように上昇する可能性がある
*EU債権国による債務国への援助は パンドラの箱を開ける事になる
*世界的規模のリセッションにより ドルの基軸通貨としての価値は下がる
*その結果として ドルはプレッシャーを受ける事になる
この発言から10ヶ月経った現在 どれもこれもが 思わず納得!

の内容です。
果たして ギリシャが来週 どのような財政赤字削減策を提示してくるのか 分かりませんが、もし 市場が それを不十分と判断すれば ギリシャ債のイールドは更に上昇(価格下落)します。そうなると 「利回りの上昇 → 利払い負担増加 → 国債の増発」という悪循環

が繰り返され にっちもさっちも行かなくなる可能性が出ますね。そして それが 他のPIGS諸国に飛び火しかねません。
実は ギリシャ以外でも 国債が昨日から ドスンと売られている(イールド上昇)PIGS以外の国があります。どこだと思いますか?
答えは 英国です

。私は債券取引しませんが ブローカー画面には 必ず 米英10年債価格を表示しています。9日 ダーリング財務相が予算編成方針を発表した翌日の10日から 値を下げています。予算編成方針に対する不信任票を 市場参加者が投じているという証拠でしょうが 単に一過性のものなのか 継続性のあるものなのか 私には判断する能力がありません

この状態が続いた場合 果たして 来年2月に英中銀が 量的緩和策終了を決定出来るのでしょうか?
英国在住の 私の未来は どうなるの?

困ったもんです

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