今週に入り 資源大手 Xstrata(エクストラータ)による 同じく資源大手 Anglo American(アングロ・アメリカン)の対等合併話しで賑わっていた英株式市場。両社とも 英国の代表的な株式指数(FTSE100)上場会社同士ですが エクストラータは1926年スイスで創立され 本社は現在でもスイスにあり イギリスとスイス株式に上場されています。アングロ・アメリカンは 1917年に南アフリカで創立され 本社は現在 イギリスにあり イギリス、南アフリカ、NYで上場されています。
合併が実現すれば、株式時価総額410億ポンドの巨大企業

となり、ライバルの英豪資源大手BHPビリトンや同リオ・ティントに匹敵する規模となる筈でしたが 本日 アングロ・アメリカン側が 対等合併案を拒否

したようです。
エクストラータ側の合併提案の根底には 業界トップに躍り出る事以外に 両社間に存在する豪州石炭事業/銅の事業の重複部門に関わる巨額のコスト削減 (事業部分でのコスト削減額予想:7億ドル、税金/その他の管理費を含む総額コスト削減予想:30億ポンド) が可能となる点を挙げているのに対し、アングロ・アメリカン側は 両社合併により 構造的に魅力の高いプラチナへのエクスポージャーが著しく希薄化され 戦略的なメリットに乏しい事を最大の理由に挙げています
しかし アングロ・アメリカンの拒否の裏に見え隠れするのが 南アフリカ政府からの圧力

。南ア・ビジネス相だか誰かが この合併は独占禁止法に関わる違法行為だ という発言までした模様。
そもそも 南ア輸出の50%を占めるのが金属鉱業製品。昨年からの商品価格下落

により 同国の金属鉱業生産額は 昨年比40%も下落

。それに追い討ちをかけるように 同国の失業率は23.5%にまで悪化

。アングロ・アメリカンは最近 世界規模で19,000人の人員削減を行ったのですが その大部分が南アのプラチナ鉱山の労働者でした

。この対等合併が成立した暁には 更なる解雇が待ち受けています。それを是が非でも食い止めたい南アです
資源業界再編劇は 2年前 BHPビリトンが リオ・ティントへの買収を提案し その後断念したものの、豪州の鉄鉱石事業を統合することで合意。これに対して、中国国営の中国アルミ業公司(チャイナルコ)が リオ・ティントへの出資を検討するなど、中国企業の攻勢も続いています。最近は メキメキと力をつけた業界2位ブラジルのVale社(ヴァーレ)も 再編劇へ何度も名前を出してきています。
事実 エストラータの対等合併を拒否したアングロ・アメリカン社に対し 既に 中国アルミ業公司 と ブラジルのヴァーレ社が既に買収提案を行うとの噂が出ています

アングロ・アメリカンはロンドン株式市場に上場されているので ポンド買い要因に成り得ますので要注意

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