英国は 4月6日より新税制年度に入りました。そして 今月22日には 新年度予算案が ダーリング財務相より発表されます。
一部の報道によりますと ダーリング財務相は予算案演説の中で 英国のリセッションは 今年第4四半期(2009年10月~)までに終わるという見通しを発表するようです。つまり 今年の第3四半期までは マイナス成長となってしまうが その後 徐々に景気は回復、来年春に予定されている総選挙辺りには 景気回復が起動に乗っている と理解しても よいかと思います。
リセッションが10月までに終焉するという見方は かなり 大胆だと 私は個人的に思うのですが、先週 ロイター社が行ったシティーで働くエコノミスト達へのアンケートによりますと 約半分のエコノミストは (今年第4四半期にリセッションが終焉するかどうかは疑問であるが) その時期には なんらかの形で景気は落ち着いて来ている筈 という見方をしています。しかし 一部のエコノミスト達の間では 景気回復は 早くて 2012年辺り という見方もあります。
ダーリング財務相が リセッション10月終焉説を唱えたにも関わらず 実際には リセッションの長期化が現実となってしまった場合

は 来年春に予定されている総選挙を前に 野党からの徹底攻撃材料となる危険性が高い為 言葉を変えれば 労働党は 大きな賭けを打ってきた

と言えるかもしれません。
まぁ 見方を変えれば ダーリング財務相が 10月終焉説を唱える代わりに 英国の景気悪化を強調した場合は これまた 労働党の失策

と言われるでしょうから、何を言ったとしても ダーリング氏には分の悪い結果

となるような予感ですね (気の毒)
昨年夏以来の世界規模の金融危機対策として 英政府は ガンガン借り入れを増やして来た事は このブログで何度も繰り返しお伝えして来ました。昨年夏以前より 財政赤字は既に深刻な問題となっていたのですが 金融危機対策による借り入れ超過額は 400億ポンド。英財政赤字GDP比率は 2008年度の 4.6%から 一気に増え 10%を超えるという見方が一般的。ブラウン首相は それでも懲りずに 追加景気刺激策を 今回の予算案に組み込みたいという意志表示をしているそうですが、さすがに ダーリング財務相は 待った!をかけました。
超過借り入れ額400億ポンドを 2015/16年度までにチャラにする為に 今年度は 一世帯あたり 1,250ポンド (成人一人当たり 500ポンド)の増税を課せられる計算となるそうです。その内容としては 一時的に 15%へ下げられていたVATを 以前の17.5%へ戻し 最悪の場合は 来年総選挙後 一気に 20%にあがる というもの。具体的な内容は予算案まで待たなければなりませんが VATが本当に20%になるのであれば その前には一時的な駆け込み需要は期待されます。その時までに 金融機関貸出が ある程度 正常化していれば マイナスGDPが (一時的かもしれませんが)プラス転する事は 可能でしょう。懸念材料は この時に 失業者数が 300万人台 突入していたら 一時的駆け込み需要も短命に終わらざるを得ませんね
まだ 予算案全体の姿が 私達には見えてきません。もっと詳しい内容が漏れ聞こえてくるようになりましたら 改めて 記事にしたいと思います
明日からは 英国は正常に戻ります
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