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EU緊急首脳会議 物別れに終る

お早ようございます。本当は 昨日 更新しようと思っていたEU緊急首脳会議に関する記事ですが 一日遅れになってしまいました。ちょっと内容を古く感じられるかもしれませんが 我慢してお読みください。

EU主要国による中東欧諸国への追加支援問題についてですが、ハンガリーが提案していた1,800億ユーロの支援策については、ドイツのメルケル首相が「東欧諸国は個々に事情が異なっており、巨額の金融支援問題について議論すべきではない」と述べ、最終的な合意策とは なりませんでした。

今から50年以上前の話しになりますが 欧州経済統合の端緒となった分野は,農業でした。そして,その推進役はフランス。当時 農業は 欧州に於いて基幹産業であったにも拘らず 農民の生活水準は決して高くなかったようです。欧州内の農家のほとんどが 零細農家であり,農産物もそれほど利益が出ない価格設定だった事に起因されています。そのような農業の現状改善 + 農家の所得増加を目指し フランスが主導して EC加盟国で実施するCAP(共通農業政策,Common Agricultural Policy)の策定が目指されました。CAPは,域内の国境を撤廃することで農産物の流通市場規模を拡大し,自由競争の原理の下で農業の生産性を高め,農家の所得増加を狙った政策でした。しかし,実際は多くの問題にぶつかったようです。

そもそも CAPの共通価格は,最も生産性の低い農家に合わせて設定。常識的に考えれば 生産性が高ければ 価格は割安になるはずなのですが,生産性の低い農家があるばかりに 割高になるという不都合が生じました。だから 消費者は割高の農産物の消費を控え その結果として 生産性の高い農家は生産過剰に陥るという悪循環。そして その余剰分は ECが買い取るというのが,CAPの政策です。つまり ECは膨大な余剰生産物を買い取るはめになり EC予算に占める農業対策費は7割前後という有様。それに加えて 共通価格と言っても,その価格は各国通貨に換算し直されるから,結局は通貨交換比率に影響されるという弊害も生じました

1960年代に入り 為替変動の影響を抑えるため,農産物価格にのみ適用される為替相場であるグリーン・レイトが導入。CAPの政策理念は,農産物が域内を自由かつ優先的に流通し,狭小な国内市場では得られなかったであろう高収入を農家にもたらし,農業にも自由競争の原理を導入することによって各農家の裁量に応じた生産を行わせて,生産性を向上させようというものであったはずですが EC予算の7割を農業対策費が占めるという事実が重くのしかかり ECは欧州農業共同体と化してしまいました

ここでは CAPを例に出しましたが 欧州連合(EU)は、域内統合を強力に推進する上で、加盟国間・地域間の経済力・社会面における格差の是正を一つの重点分野として位置づけており 構造政策を財政的支援という形を取って 実施してきています。先程 書いた共通農業政策(CAP)に加え「構造基金」(Structural Funds)、「結束基金」(Cohesion Fund)があり 条件不利地域や困難を抱えた地域への補助金の交付として使われています。CAPの次に規模が大きい構造基金を例に取りますと、欧州地域開発基金(EuropeanRegional Development Fund : ERDF)、欧州社会基金(European Social Fund : ESF)、欧州農業指導保証基金(European Agricultural Guidance and Guarantee Fund : EAGGF) 、漁業指導財政手段(Financial Instrument forFisheries Guidance : FIFG) の4つの基金から構成されています。マーストリヒト条約においても、構造政策は単一通貨、経済・金融統合と並び主要課題として位置づけられ、増額と結束基金創設等が行われたくらいです。

これらの基金は 加盟国による分担金やそれ以外のEU圏での税収入で賄われています。このチャートは 1999年と 恐るべき古いものですが 念の為に載せて置きます。


お、今 ググッたら 2006年度の欧州加盟国間の分析が載っていますね。この<英国>の数字は この年だけに起こった優遇特例措置が入っているので 例年の数字とは 感じが違います (通常は もっと歳出が大きい筈)

話しは 週末に行なわれたEU緊急首脳会議に戻りますが、現在 問題になっている中東欧金融支援問題について 何の合意も得られなかった理由として考えられるのは 加盟国どこもが 財政的に苦しく 新規加盟圏(特に東欧)への助成金援助を 今まで以上に出来る立場にいないからだと思います。つまり 今まで支払った分担金の上乗せは 勘弁してくれ、無い袖は振れない というのが本音。

新規加盟国にしてみれば 初期通貨統合に加盟したスペイン、アイルランドや 数年遅れて加盟したギリシャには 彼らの望む(又は 望む以上の)助成金の支払いを受け 急激な経済成長を成し遂げたのに対し 今度 自分達の番になったら それが出来ない というのは 話しが違うんじゃ ないの? という怒りでしょうね。

東欧のある国の首相は 経済危機により 加盟国間に貧富の差が生じる可能性を警告。「欧州を二分する新しい『鉄のカーテン』をつくってはならない」と主張しました。上でも申し上げましたが 1990年代後半から2000年代前半に於いて 初期通貨統合に加盟した<助成金受取国>と 独仏英をはじめとする国々の貧富の差の縮小は 目を見張るものがありました。私は スイスより西に行った事がありませんので 東欧の様子は 全く分かりません。しかし まだ 彼らの生活水準は 英国のそれと同じ 又は 低いものであると想像します。

繰り返しになって恐縮ですが、中東欧に代表される新規加盟国が十分に理解しているのか疑問な点は 構造基金等による助成は、あくまでも 補完的な性格であり、加盟国自身による財政手段を 全面的に肩代わりするものではないという事です。非常に言葉が悪いですが 新規加盟国は,こうした経済的支援を目当てに加盟を望むのではないか といった素朴な疑問が生じて 消えないんですよね。

フランスの 出たがりサルコジ大統領が フランス国籍の自動車会社の東欧工場を閉鎖し それをフランス国内に戻すという超保護主義の発言をして 世界の顰蹙をかっています。欧州経済統合に働く原理が 自由競争である事を考えれば,競争力のない企業や 国を挙げての強力な産業がない国や地域が 淘汰される優先度が高くならざるを得ません。当然 自由競争に敗れたそれらの地域は失業率が増加,その対策に追われる当該加盟国の財政には 大きな悪影響を及ぼします。当然の結果として ユーロ加盟条件として課された財政規律をはじめとする厳格な基準が 全く無意味になり,ユーロの国際的な信用や競争力が失墜することにもなりかねません。というか 既に その動きが ユーロという通貨に起こっていますね。結果として 私は このブログで何度も繰り返してますが  ユーロの現状 そして 存続に 大きな疑問文がチカチカして消えないままの状態ですグルーミー

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N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX(株)さんで 連載スタート
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