早いもので 楽しみにしていた このドキュメンタリーも 今週で最終回を迎えました。全く 想像しない展開を繰り広げ 正直 驚いています。感想、伝えたい事を全部書いたら かなり長くなってしまうので 本当に大事な点だけ 書きますね
登場人物:
1)63歳男性 Simon オックスフォード大卒 ITエンジニアを引退して 年金生活
2)36歳男性 Mike 元英空軍パラシュート部隊の偉かったオジサン、引退して悠々自適っぽい
3)30歳男性 Amit 小さな商店(なんでも屋さん)を家族で経営しているインド人
4)30歳男性 Emile 地方のドサ廻りプロレスのプロモーター
5)42歳女性 Caroline 離婚して子供二人を自分で養っている母親
6)30歳男性 Sam 環境保護主義の人 (資本主義と正反対にいる)
7)26歳女性 Cleo 元獣医、現在は父親の農場(すごく大規模な農場)と不動産投資を手伝っている
8)20歳男性 Ohi LSE(経済学部)在学中の黒人
1)のSimonは先週 解雇されたので、最終回は 残り7名でスタート。この時点で既に 勝ち組/負け組という単純な分け方ではなく、トレーダーとしての才覚がある組 2)5)8)、トレーダーの才能はあるけど倫理観が許せない組 4)6)、自分で自分の本音が見えなくなっている組 3)7)に分かれたように感じます。最終的に 誰が残ったかは もうちょっと後に書きますが 私が一番予想外の結果に終わったのが 4)怪しげなおじさん でした。
トレーダーとしての才覚がある3名(2,5,8)は 省きます。
4)あやしげなオジサン Emile大ボス、ボス共に この人のトレーダーとしての将来性を かっており 大ボスは この人にトレーダーとして頑張って欲しいと期待していたのですが 突然 問題発生。ひとつは ポジポジ病にかかり 常にトレードをしていないと収まらない状態。これが生じて とうとう 自分が与えられた与信枠を10%も超えるポジションを作ってしまいました。その場で すぐに気付けばよかったものを その日の帰り 疲れていて 最終ポジション・チェックを怠り 翌日 それが発覚。これは 普通 絶対にあってならない事です。
このオジサンと 7)Cleoは 非常に仲良しになりました。で オジサンは 与信枠オーバーという事の重大性が分からなかったようですが 自分のポジションを これ以上増やせないという事は理解しています。そこでどうしたかと申しますと Cleoに 自分が買いたい株を 「どう思う?買い時だと思うよ~~!」という感じで話しかけ続け Cleoも その気になってしまい 自分のポジションとして ポジション・メイクしてしまったようです。大ボス、ボス共に 怒りの鉄拳

「Emileは Cleoと一緒にいる時間が長くなりすぎて モラルが落ちてしまってる」と一言....厳しい事実です
6)環境保護主義の人 Sam2ヶ月経ち トレーダーとしての毎日に倫理的価値観を見出せず かなり苦しんでいた模様。この人は<お金儲けをする> という観念に嫌悪感を抱いており そもそも どうして この番組に参加すると希望したのか 私は素朴な疑問を持ちました。ボスが トレーダーという仕事は 残忍無慈悲にならざるを得ない時が たくさんある と言い聞かせてましたが 聞く耳を持たず
3)家族経営の小さな商店を手伝っているインド人 Amit残りあと3週間となった時点で 7人中 一番の損失を出しているのが この人でした。大ボスが 2日以内に 既存ポジションの整理、又は ヘッジをかけて 報告するよう伝え 本人も YESと元気よく返事をしたのですが 行動が伴いません。私に言わせると メンタルの金縛り状態と言う感じに見えたのですが 本当のところは どうだったのでしょうか...
7)元獣医 Cleo大ボス、ボスに別室に呼ばれ Emilが提案した株を 自分のポジションとして持っていないか と聞かれた時 NOと言ってましたが それでも まだ 与信枠を使い切っておらず さすがの大ボスも 我慢の限界。彼はCleoに 感情を殺して 自分と向き合う事、中途半端なモラルとジレンマは 家に置いて来る事(=忘れ去る)を 提案し 彼女もOKと答えたものの もって生まれた性格なのでしょうか。いつも ドキドキしているのが 顔に出ています。
残り2週間となった時点で ボスが みんなに注意をします。その注意とは 一部の人が ブローカーと 友達みたいに ペラペラ 相場と関係ない会話を続けているが ブローカーとの会話は必要最低限(株名、売買方向、枚数、プライス)に留め 常にマーケットに注意を払う事を優先する という内容。同時に ここは友達を作る場所ではなく 収益を上げる場所だ と注意しました。Cleoは すぐに 「ブローカーだって人間なんだから 人間として扱って どこが悪い?」という ある意味では もっともな反論。そして 怪しげなおじさんは 「僕は人間関係においては 自分のやり方があり 他人にとやかく言われる必要を感じない」と むくれ、インド人は 「必要な事だけ伝えて すぐに切るというのは 少し乱暴過ぎないか?」と言ってました。
これは やはり 一度 ディーリング・ルームで働かないと理解出来ない問題だな と個人的には思います。私は自分が働いてた時は この番組のボスの言っている通りの事を 自分が して来ました。しかし 夕方になれば ブローカーさんと一緒に食事に行ったり 飲みに出かけたりもするので その時に個人的な話しもしますよね、それは。しかし ディーリング・ルームにいて 仕事としてブローカーさんと会話をする時には 日常生活に関する会話をする事は ほとんどありませんでした。
大ボス、ボスが CleoかAmitの どちらかを解雇しようと決め Cleoに白羽の矢が当たりました。Cleoに解雇通知をした途端 誰もが予想した通り 彼女は涙が止まりません。みんなのいる部屋に帰り 帰宅準備を始めたら 怪しげなEmileが 「お前 解雇されたのか?」と騒ぎ出し それだったら 俺も辞める と言って 大ボスとボスが座っているガラスの部屋へ駆け込んで行きます。Emileが言った事は 「人間として生きていく上で 越えてはならない境界線というものがあると思う。お前達は Cleoに対して その境界線を越えてしまった」という内容。
部屋に戻り Cleo,Emileが自分達の荷物をまとめている間に 環境保護主義のSam と インド人のAmitも 自分達の荷物を持って 2人に続きました。つまり 4名が一挙に脱落
結果として 一番最初に書いた<トレーダーとして才覚がある組3名だけが 残ります。そして 残りの2週間 不必要な涙や人間関係に時間を割かれる事無く 無事に全過程 終了。
*最終P/L8名で2ヶ月の間(2007年7,8月) トレードした結果 12,000ポンドの損失 (-2.4%)。しかし 世界のヘッジファンドの 同時期に於けるP/Lの平均は -5.0%、つまり 全く経験のない8名の方が この難しい時期を上手に乗り切ったという結果になってます。
*収益順位8)20歳男性 Ohi LSE(経済学部)在学中の黒人
2ヶ月で +1.00%の収益
5)42歳女性 Caroline 離婚して子供二人を自分で養っている母親
同時期 +0.5%の収益
2)36歳男性 Mike 元英空軍パラシュート部隊の偉かったオジサン
同時期 -1.0%の損失
大ボスは 2007年7月 +0.3%、8月 -1.0%=結果 -0.7%
つまり Ohi と Caroline は 大ボスよりも 高リターンを上げられたという凄さ!
*8名のその後1)63歳男性 Simon
何か仕事をはじめようかと考えているようです
2)36歳男性 Mike
この人が唯一 この番組終了後も シティーでプロのトレーダーとしての仕事を探しているようです。就職が決まるまでは 自宅から PCを使って トレードする予定
3)30歳男性 Amit
今迄通り 小さな商店を家族で経営しながら 自分の部屋にPCを買って 株取引をしているそうです
4)30歳男性 Emile
6)30歳男性 Sam
7)26歳女性 Cleo
この3名は 以前の仕事に戻りました
8)20歳男性 Ohi
彼も学校に戻りました
5)42歳女性 Caroline
新しいベンチャー・ビジネスを始める準備段階だそうです
最後に私自身の感想を書きたいのですが 米株指数の取引時間になったので 一旦 この記事を載せます。感想は また 後日にでも....
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