日本から英国へ移住してきて 早20年。為替取引をやっている日本人として 両政府の自国通貨の価値に対する姿勢の違いには驚かされます。日本は 世界が認める<円安(自国通貨安)>大好き国 に対し 英国は 強いポンドは国益と言ってはばからない国。
*ブラウン首相と ポンドブラウン首相は 以前
”弱いポンドは 弱い経済、弱い政府の表れである”と発言しましたが 今年の夏以降のポンド急落は まさにこの言葉通りになってしまいました。御自分の言葉として 最近のポンド安について語られていませんが 内心 ”スゲェ~ ヤベェ~~~!”

と冷や汗状態である事に間違いないと思います
12月中旬に ある新聞が 英財界著名人によるブラウン首相へのインタビューを載せ その中には
12月4日の記事に書いた英ユーロ加盟問題に付いての質問も含まれていました。この問題に対し ブラウン首相の口から公の場での発言が何もなされていないので 注目が集まるのは当然。で 答えはと言うと ”英国は今年も来年もその後もずっと ポンドを使用する事になるだろう”

2009年6月4日に 欧州議会と英地方選挙が 同時に行なわれます。景気がここまで悪くなかった頃には ブラウン首相は この日に 英総選挙も併せて実施するのでは ないか?という憶測が後を絶ちませんでしたが 流石に 現状では それも無理でしょうか。ダーリング財務相が どこかの新聞記者が6月総選挙の可能性について質問した際 否定したようです。
万が一 来年6月4日に総選挙が行なわれた場合 労働党は政権を失うでしょう。新しい政権を取るであろう保守党が 一転して 英ユーロ加盟に向けて前進 なんて事にでもなれば その時は ポンドのユーロ加盟レベル予想が一人歩きして 市場ではポンド買いが湧き上がる可能性があります。保守党が(労働党と比べ)ユーロ加盟に対して前向きである訳じゃ ないんですが ちょっと気になる事があります。年明け早々 野党:保守党は 党人事の入れ替えを計画しており その際 1992年のポンド危機でガタガタに崩れた英経済を立て直したと言われるクラール前財務相

を ビジネス・企業・規制改革相に抜擢する考えがあるようです。
12月4日の記事に書きました労働党:マンデルソン ビジネス・企業・規制改革相と互角にやりあえるのは クラーク氏以外 なし という結論のようです。現時点では 保守党の党人事入れ替えが確実に行なわれるのかは不明ですが もし 実現した場合 クラーク氏の発言力が増します。そして このクラーク氏は ユーロ大好き

オジサン、英国のユーロ加盟ダイダイ大賛成なんです。
*為替介入日本とは違い 英国は 自国通貨に対する為替介入には 消極的です。特に 1992年にポンドがERMから離脱させられた苦い経験

がありますので 今回のポンド下落時も マーケットでのポンド買い支えは やっていません。
クリスマス前に Cooper財務副大臣が ユーロとポンドがParityになりそうだが それに対して どう思うか?というようなTVインタビューを受けたのですが その答えは ”英国は 自国通貨の(対他通貨)目標レートというものは定めていない。特に 以前 ターゲットを設定していた時期があり (ERMの時) ターゲット・レンジに留まる事に失敗している。為替レートのターゲットはないが 英国には インフレ・ターゲットがある。政府は インフレがターゲット・レンジに収まるよう そして 英経済が難しい時期にも 最大限 それを支えられるよう財政政策の正しい舵取りに全力を傾けている次第だ”
ポンドの価値を維持する為の為替介入の可能性について尋ねたところ、
”下落しているポンドであるが 英政府・中央銀行による為替介入での買い支えはないだろう”

という答えでした
*ユーロとポンドイギリス輸出の60%が欧州圏向けですが 欧州経済の先行きも そんなに明るい訳では ないので 輸出オーダー状況はあまりよくないようです。今回のポンド安を引き金にして 英製造業が頑張ってくれる事を期待しているんですがね..... 今秋以来 低迷に次ぐ低迷を見せている英製造業生産高の数字を見ると あまり期待は出来ません。
ポンドが ここまで下落すれば 当然 輸入インフレ懸念が出て当然です。英国内では (輸入品は高くなるので)英国産の製品が売れるようになって当然でしょうが 肝心要の消費力が激減しています。あと輸入品と聞いて 一番先に思い浮かぶのが食料品。私も スーパーへ買出しに行くたびに (特に野菜、果物等)生産国をチェックしますが 南ヨーロッパ、イスラエル、北アフリカ、南米のものが断然多いですね。当然 ポンドは これらの全ての通貨に対して下落している筈ですので 来年には 輸入インフレという言葉が デフレと同時に語られる異常事態になる可能性は あります。
*ポンド安の恩恵?ポンド安が加速した今夏以降 イギリスへ来る旅行者による消費が増えたという数字が出ています。
最新の数字は 今年10月ですが 旅行者総数は 前年同月比5%減の269万人でしたが 旅行者による消費高は 11%上昇 14億8,000万ポンド。
今年1月~10月までの数字としては 旅行者総数は 2,757万人で これは 2007年の数字と ほぼ同じ。しかし 旅行者による消費高は 140億1,000万ポンドと 昨年同時期の4%アップ。
ロンドンの最高級デパートのひとつとして名高いSelfridgesでは 特にアメリカからの買い物客が増えたという事です。
*クリスマス後のセール日本では バーゲンと呼びますが こちらでは セールと呼んでいます。
イギリスは クリスマス そして 翌日のボクシング・ディが共に国民祝日となる為 本格的なセールは12月27日から。このセールは異常な混雑が予想される為 私は毎年出掛けないのですが 今年は 様子を見てみたくて 出かけてきました。行った場所はロンドン北部では最大のショッピング・モール。27日は例年通り 一部のお店が朝6時開店、残りは朝8時開店となります。駐車場に通じる道が 東と西に分かれており 昨年までは それぞれ 約3キロの渋滞が出来 いざ 駐車場にたどり着いても 駐車するスペースがない

という状況。それだったらと 駐車場で一夜を明かし 開店から一日中 セールめぐりをする人達もいたようです。
今年 私は 目覚ましを8時にセットしたのですが 前夜の飲みすぎがたたり 実際に起きたのが朝10時。遅い出だしとなってしまいました

。朝食も取らずに 車に乗り 真っ直ぐ ショッピング・センターへ。駐車場に入る渋滞が どのくらいかを聞くためにラジオの交通情報を聞いていたのですが 何も言わない。なんじゃらほい

と思いながら 恐々 ショッピング・モールへ....... あれ?

全然 車の列がないじゃん?

これには 驚きました。デパート前の駐車場は既に満杯。私は ターミナル式のビル駐車場へ行き 2階に駐車出来ました。結構 スカスカなんで 正直 吃驚。午後2時過ぎになると 目に見えて 買い物客の数が激増し レジに並ぶ人数も増えてきました。私は結局 午後6時まで 買い物に明け暮れたのですが 帰りは 酷かった。駐車場から 一般道路に出る迄に 37分かかりました

。でも 去年は 1時間近く かかったという話しを聞いていたので 37分で済んでよかった と言えるのかもしれません。
セール商品ですが 本当によいものを30~50%引きで売るという感じで 私にとっては 幸せな一日となりました

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