今週 コメント欄で ++さんという読者の方から 質問を受けました
質問: イギリスでは 日本のように FXは流行っていますか? あと 税金の方も全然違ってくるのですか? 日本に住んでいると気が付かないのですが 一旦 外に出ると あれ?と思うのが <日本人は流行り物に飛びつく習性がある>という事です。別に悪い意味で言っている訳ではありませんので 気を悪くせずに読んで下さい。ある意味では 日本の<みんなで渡れば恐くない>という感覚に似ているのかもしれませんが 一度 誰かが流行らせると 国民総出で それに群がります。そして 国民全員が その専門家になります
日本人の異常とも言える<健康志向>にも似ているのかもしれません。私は2~3年に一度の頻度で日本へ帰国するよう心掛けていますが 帰る度に 健康によい!と言われる<何か>が流行っていて TVをつけると 毎回 みのもんた (私 あの人 苦手なんです.......)さんが まるで 自分が発見したかのごとく TVの昼番組で話してる。この構図は 全然変わっていないと思います。みのもんた と 為替取引を一緒にするのも気が引けますが 基本的には同じ発想だと思います。
イギリスに住んで20年になりますが この3~5年間くらいで 2つ そういう変化がイギリスでもありました。
1)国民全員 人気者シェフ化イギリス人って あまり食べる物にこだわらない人達でした。しかし ここ5年くらい TVシェフと呼ばれる人気者の料理人達が登場し イギリス人全体が 俄然 グルメ化しました。まぁ これは いい事ですよね
2)国民みんな にわかインテリアデザイナー化これまた TVの影響なのですが 聞いた事もないインテリアデザイナーが イギリス一般家庭を訪問し 家の中の模様替えをする。それと同様なものとして 自宅を売却する為に買い手に好まれるインテリア改造番組みたいなのが たくさんあって イギリス全体が にわかDIY、にわかインテリアデザイナーになってます
しかし 為替取引となると 流行とは言いがたいものがあります。いつだったかな...2006年か2007年の前半だったと思いますが どこかの新聞で為替取引をする女性達 (それも 主婦や若いお姉ちゃん達) という特集を組んだ事がありましたが それも 特に<流行>にはならず そのまま消えていった感じです。私の知っている人が 一般投資家を相手にしたブローカーで働いているのですが 彼に言わせると 新規口座開設者の約90~95%が 一年後までに消えていくそうです。
++さんがお聞きになった税金という点にも重なるのですが イギリスでFX取引をする場合 いくつかの手段があります。一般的なのは 日本と同じく レバレッジを効かせた外国為替取引です。私は やった事がないので 詳しく判りませんが 収益には 通常通り 40%のキャピタルゲイン税がかかる筈です。
英国特有の為替取引方法として スプレッドベット(Spredbet) というものがあります。これは 英国では<賭博>扱いとなる為 これから得られた収益には税金は一切かかりません(この取引は 英国納税義務者のみ取引可能)。スプレッドベットには 種類がたくさんありまして 為替が含まれる金融商品全般のスプレッドベット、スポーツベット(サッカーやクリケットの勝敗 又は サッカーを例にとりますと 試合開始後 何分後に誰がゴールを決めるか 等)、政治家に関するベット、不動産市場に関するベット 等 数え切れないくらいあります。2007年前半の時点で これらのスプレッドベット口座総数 15万口座と言われています。総人口6,000万人くらいですから 15万口座というのは 決して 多くないと思います
為替が含まれる金融商品全般スプレッドベットは (為替以外に)個別株、世界各国の株式指数、セクター別指数、各商品、エネルギー、貴金属、債券 これらの現物と先物取引が可能です。
それでは どうして 無税扱いのスプレッドベットが 日本の証拠金取引のように 流行らないのか? 理由としては そういうものがあるという事実を知らないし 調べようともしない、万が一 スプレッドベットの存在を知ったとしても 取引方法を詳しく調べる前に 面倒くさくなって やめてしまう 等 だと思います。
日本人は 3万円も5万円も出して 平気で商材を買っていますが、こちらでは そういう有料商材を見た事ありません(特に 探していないので もしかしたら たくさん あるのかもしれませんが.....)。MT4等のチャートをベースとしたインディケーターの組み合わせやシステム作りですと 無料のウェブサイトが いくつもあります。日本ですと 南緒さんが有名ですが 同様の有料売買シグナルサービスは こちらにも いくつもあるようです。
私は以前 英系銀行で働いていた事があるのですが そこで働いていたエコノミストが いつも ぼやいていました。”日本という国は ほぼ99.9% 高校卒業者であり 基本的な知識以上のものを備えて 社会へ旅立って行く。そこへ行くと 英国という国は 16歳で義務教育を終える時点で 小数点がついた掛け算、割り算が出来ないような奴が平気で社会に出て 仕事につくんだよ。こういう奴に 専門的知識を教えようとすると ”そもそも論”から始め それから 基礎、応用 そして 専門 と時間をかけて行かなければならない。こういう奴等を専門職人として育て上げるのには 想像を絶するほど 時間がかかる。それに比べると 日本人は 既に 基礎部分を備えているので 応用、専門 と一直線に進んで行ける。だから イギリス社会では 何かの専門職が不足すると 国内では失業者があふれていても 海外から専門家を雇う事になってしまうんだ。”
たぶん この事なんだと思います。料理をしたり 壁塗りをするには 特別な知識は必要なく 好きであれば誰にでも始められます。しかし 為替取引となると 好き だけでは 続けられません。
私の考え方は 間違っているかもしれませんし 日本で どのように<証拠金取引>が広められているのか 全く知りません。しかし あと5~10年後 証拠金取引が現在以上に人気を維持していられるのでしょうか?その答えは 日本の金利水準と密接な関係があると思います。たぶん 日本のゼロ金利がこれだけ長引かなければ 証拠金取引も こんな人気商品に育たなかったかもしれませんよね。その意味では ゼロ金利が長引けば長引くほど 証拠金取引に手を染める人は増え続ける という事かもしれません。
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