明日から2日間に渡り EU首脳会議が開催されます。アイルランドのリスボン条約批准否決後 初めて公の場に姿を見せるアイルランドCowen首相は 自国の国民投票否決の状況を説明し 今後の対応策の説明を求められる見通しです。同時にCowen首相からもEUに対し 具体的な解決策の提示を求める意向を示しているようですが、欧州全体で統一した批准否決への対応策が具体化していないので かなり激しい議論が予想されます。とりあえず 現在のところ 欧州各国首脳は、今後も条約批准推進の意向を示していますが どうやって それを現実のものとするのか 不明。一部では アイルランドに税制分野などで主権尊重の「保証」を与えた上で、批准手続きの再実施(第二回目の国民投票)を促す選択肢が浮上していますが、その保証を与える為に条約内容の変更・書き直しが出ると 既に批准した18カ国が 改めて 変更後の条約を再度批准する必要が出てくる為 この選択も難しいです。それに加え Cowen首相は 2度目の国民投票実施には難色を示しています。その理由は 万が一 アイルランド国民投票2回目も否決となってしまった場合 同国が唯一の未批准国として取り残される事態が生じるのを非常に恐れているからのようです。
ルクセンブルクのユンケル首相はアイルランドの否決を受け、EU加盟国内で 中核国 と それ以外の2つのグループに分け、中核国グループが他の加盟国に先行して分野別統合を推進する構想を提示しましたが、この構想には激しく賛否両論が分かれてます。
現在 確かな事は アイルランド国民投票での否決により 当初予定されていた2009年1月1日の条約発効の可能性はほとんどなくなり、次回の欧州議会選挙が予定されている2009年6月の線も 危ぶまれているという事だけのようです。
アイルランド否決の影響を受け 今週に入り チェコとポーランドの批准手続きに滞りが出てきた事実が発覚。チェコは クラウス大統領がリスボン条約は破棄されたと宣言し チェコ憲法裁判所に条約批准の有効性に関する判決を仰ぐ形になるそうです。判決は 今年10~12月の間に出される予定。
ポーランドでは 議会でリスボン条約批准が成立したのですが 大統領による最終合意署名が憲法で義務付けられているそうです。その肝心要のカジンスキー大統領が署名を拒否。
皆さんも御存知のように EUは加盟国内で半年づつ 議長国の持ち回りがあり 7月1日から半年はフランスが議長国になります。議長国になったからといって EU内での決断事項に自国の意見を押し付けたり 自分達に都合のいい方向へ影響を及ぼしたり出来る訳ではありませんが フランスですからね...... 何をしでかすか どんな事を言い出すか 全く 油断禁物です
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