*英国住宅市場まず 事実だけ申し上げますと イギリスに住む誰もが 来年は住宅価格がバコバコに下落すると信じています。しかし これって 場所によるんですよね、バコバコ度が.....
まず テレグラフ紙に載っていたDresdner-Kleinwortエコノミストの意見を御紹介します。このオジサンによると 英国が来年 リセッションにおちいる可能性は50%に上がり、特に最初の3ヶ月は非常に厳しい。英国の住宅市場は 1940年代、1973年、1989年と 過去3度 上昇のピークを向かえており 今年2007年が4度目のピークとなるのは ほぼ確実だそうです。過去3度のピーク後 住宅価格は平均30%下落しているが、もし 今年が4度目のピークだった場合 下落率は5~10%に落ち着く と見ているそうです。場所・物件によるでしょうが 私自身 30%下落は有り得ないと思っている一人です
まず 私が注目しているRightmove不動産12月インデックスは このインデックスが出来た2002年来 最大の下落幅を見せました。ロンドン市内の平均住宅価格は6.8%マイナスの38万4,632ポンド、イギリス全体ですと3.2%マイナスの23万2,396ポンドとなっています。詳しい内容は
FXミリオネアのCarrieさんのブログに載っておりますので そちらをお読み下さい
イギリスは 離婚率の上昇、子供の親からの独立(早い子で16歳から)もあり 住宅難の状態がずっと続いています。政府は毎年ターゲットを決め 住宅増設を行なっていますが、それらは 少人数(1~2人)が住めるアパートや1~2寝室の小さい家がメインで 一般的な4人家族が住めるような3~4寝室の家は なかなか増設されません。そして もし 増設されたとしても その地域には優秀な公立学校がない場合がほとんどなので かなり金銭的に余裕のない家族でない限り 移りません。その結果
公立学校の成績がよい地域にある3~4寝室の家は なかなか売りに出ない、だから そういう家の価値は なかなか下がらない.......うちの近所を例に取りますと 私の家から徒歩5分以内の範囲で11月中に5件の売家が出ました。それら全てが先週までに売れてます。このクリスマス前の慌しい時期でも完売状態です。
余談のついでに もうひとつ。私が住んでいる通りには28件の家があります。私が この家に越してきて13年経ちましたが その間に この通りの家が売りに出されたのは 4件のみ。1件は 数年前(いつだったか忘れた) 6件くらい先の家族が仕事の転勤で売却。それ以外の3件は全て今年。そのうち2件は 老人夫婦が50年以上住んでおられ 一組の夫婦は老人ホームへ、もう一組の夫婦は もっと小さいアパートへ それぞれ引っ越されました。残る1件は うちの隣の家なのですが シンガポール転勤が突然決まり 家の売却をせずに賃貸を考えていたのですが アジア永住をずっと希望していたので 売却を決意、彼らの希望売却額の5万ポンド増し(1,000万円以上の上乗せ)の価格で売却合意したそうです。
*Home Information Packs (HIPS) イギリスとウェールズの不動産売買の簡素化という目的で 今年8月より段階的に導入されたHIPS。8月は4寝室以上ある家屋のみに適用、9月は 対象が3寝室以上の家屋になり、この12月14日には 一部屋以上のアパートにまで対象が拡大されました。評判は悪いです。
HIPSとは 不動産の売り手が 売却希望物件の情報 (不動産価格、登記者名、地域の情報、地球温暖化を防ぐ為 炭酸ガス放出度の大小 -AからGまでの7段階評価-)をHIPS専門家に依頼し作成、それを不動産購入希望者へ提示。費用は 約400ポンド。このHIPSにより 不動産購入者は 自分達が購入する家屋の情報が瞬時に分かる というものだそうです。しかし これはあくまでも建前だけ。
その理由は イギリスでは 不動産購入者が 購入価格が妥当なものかを調べる為に 不動産購入合意前にSurveyを依頼します
1)Homebuyers' Survey
購入希望物件の適正価格 と 購入後に修繕が必要な箇所を教えてくれる。Survey費用は 2,000万円相当の家で 大体 7~8万円くらい
2)Structural Survey
日本語で何て言うのかな....建築物の総合調査 という感じでしょうか。これは 上記のHomebuyers Surveyに加え 地質調査、湿気汚染箇所、家屋の構造全体の再調査をします。非常に細かく調べてくれます。費用は 最低20万円以上。
蛇足ですが 私は不動産購入の際 必ず Structural Surveyをします。単なる表面的な汚れ等であれば 問題ありませんが、構造的に問題が生じた場合 それを修繕する費用、または 修繕するだけの価値があるか等を知らないで 不動産は買えないと信じているからです。しかし こういうSurveyの習慣は 欧州大陸ではあまりないようで イギリス人が海外でSurveyなしで不動産を購入し 酷い目にあっている話しは よく耳にします
話しを元に戻すと
売り手がHIPS調査書を買い手に渡しても 買い手が本当に欲しいSurvey内容が盛り込まれていない為 HIPSに目も通さない買い手が非常に多いそうです。
このHIPS、400ポンドも費用がかかるので 売り手は 対象が拡大された12月14日以前に物件を市場に出した為 ただでさえ地合いが悪いイギリス不動産市場は需給のアンバランスが生じ ますます 価格下落が加速したと見られます。
次回は 号外最終回 ポンド予想を書きたいと思います。たぶん 木曜日にはブログに載せられると思います
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