ヨーロッパに住む私にとって、今週の注目

は、明日の欧州中銀(ECB)金融政策理事会です。
分かりやすいチャートを作ったので、こちらでシェアいたします


(クリックすると拡大します)
このチャートですが、
シナリオ 1~3 までは、私の意見なんですが・・・
シナリオ 4と5は、ある欧州系銀行の予想を パクリました
私自身の考えでは、シナリオ 4と5については、ユーロ売り要因もあると思っています。 そもそも、PEPPは時限措置であり、「7500億ユーロ規模で年内に終了する」 という決まりでした。しかし、既に3割近く使用済みのため、このまま行けば、7500億ユーロは9月末くらいで使い切ってしまう

だから、今のうちに増額(必要であれば延長も・・・)しておこう! ということで、明日のECB理事会は、注目を浴びているんです。
Fallen Angelsも入れ、オリジナルの7500億を2倍にするというシナリオ 4と5 が決定となると、「じゃ 6月19日のEUサミットで話し合う「独仏復興基金」や「パンデミック支援金」は 何のために決めるのか

」 という素朴な疑問を私は抱いてしまうんです。
FXをはじめて、まだ日が浅い方は、「何のこっちゃ

」という文章が続き申し訳ありませんが、中上級の読者さんには分かって頂けると思うので、続けます。
そもそも、ECBの政策手段がだんだん少なくなってきた
財政面からの景気刺激策をやって欲しいと、ドラギ総裁時代からお願いしていた
でも加盟各国、全く動かない
そうこうしているうちに、パンデミックで欧州が多大な被害を受けた
ユーロ共同債構想がポシャったこともあり、ECBがPEPPを発表した
そしたら、ドイツ司法裁が PSPP (PEPPじゃないです) に問題あり
とか、タイミング悪く判決を発表した
あら、どうしましょう・・・
と思っていたら、ドイツとフランスが復興基金案を発表した
欧州委員会が肉付けした
6月19日のEUサミットで協議 ここまで来ました。
つまり、本来であれば、ECBはもう限界近くまで緩和しているので、次は財政の出番ね! でも加盟各国は全く動かないので、みんな一緒に助け合いましょう! ということで、復興基金案が出てきたんだと思います。
パンデミックの規模が大きいので、復興基金だけで足りるのかは分かりませんが、ECBはシナリオ 4とか5のように、制限なし状態でPEPPを拡大して、挙句の果てに Fallen Angelsまで対象に含むとか、本気で決定するのでしょうか? (アメリカはやってるから、ECBも・・・ というのは、今回は一旦忘れてください)
結論を言うと、もし シナリオ 4か5が決定された場合、財政からも金融政策からも総出動で助けなければいけないほど、欧州の現状は悲惨なんですよ

と大声で叫んでいるように感じてしまいます。
なので、どちらかと言うと、特にシナリオ 5 はユーロ買いというより、売りの可能性もあるのでは

と、個人的には思っています。
みなさん、いかがですか?
毎週月曜日と水曜日〜金曜日に井戸端会議でコラム記事
毎週火曜日には、動画配信 しております
本日は、英国政治問題で、各党の支持率が大きく変わったことについて、井戸端会議で書いています。
是非一度、覗いてみてくださいね



