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2010年に向けて -ポンドー

ようやく 昨日から 雪解けし始めたロンドンでしたが 一夜明けた本日 今まで以上に激しい雪が降り始めました。うちの子供の学校のスクールバスは 20分遅れ、通常 約20分で学校に着くのですが 本日は なんと 1時間30分かかったそうです ほげー やっと学校についてみたものの 半分以上の子供達が欠席。うちも 休ませようと思ったのですが 今日は午後から 数学の特別コースが ロンドン中心部で行われるので無理に行かせてしまいました 焦る3

2010年 ポンド見通しを書く時間がやっと確保出来ました。というか 雪でどこにも出かけられないので 家の中で出来る事以外 動きが取れません。ポンド見通しに関しては 2回に分けて書きますね

まず 1回目の本日は 2010年のポンド相場を語る上で欠かせない項目を書き出してみました

1)財政政策
今年のポンド動向に最大の影響を及ぼすのは 総選挙後の新政権が打ち出す財政政策の行方。言い方を変えれば 財政政策の引き締め度により 金融政策が大きく左右され それが 通貨政策にも多大な影響を及ぼす事。大袈裟に言えば 財政政策頼りのポンドになるかもしれません

2)金融政策
1)で書きましたように 今年の英中銀政策金利変動幅、タイミングは 信じられないくらい 財政政策に左右されると 私は思っています。大方の予想通り 総選挙が5月6日に実施されるのであれば それまでは 金利変更なしを貫くでしょう。そして これまた 大方の予想通り 来月 量的緩和策終了宣言されれば 一旦 ポンドは それを好感して上昇するでしょうが 財政政策が不透明なうちは 跳ねたところを売ってくる人達がたくさんいると思っています。

3)英格付け
もし 財政政策が予想より緩和気味だった場合 早速 英格付け下方修正という厳しい現実が待っています。これが現実となった場合は ポンド下落だけでなく 英国債イールド上昇(価格下落)という悪夢のシナリオ が待っています

4)ドル
昨年 ありとあらゆる悪材料を織り込んで 売られ続けたドル どくろ 。今年は これ以上の悪材料が出てこない限り 一旦 戻し(ドル高)を 市場参加者は想定しています。その意味では ポンド/ドル 1.57台の大きなサポートが切れると ポンド下落加速し  1.55 1.50 1.48 1.46 最悪の場合は 1.40台も考えられます。

もし ドル・インデックスが 2008年秋~2009年初にかけての下落の始まりレベル (83ミドル~84ミドル)まで戻しを達成出来るのであれば 当時のポンド・レベル 1.50以下に下落しても 全く不思議では ありません。まぁ そうは言っても 過去と全く同じ動きをする訳でも ありませんので 全く同じレベルまで下がるとは言い難いのも事実ですが 一応 目安として 1.50を意識して欲しかったのです

現在のポンド/ドルのレベルから 1.50まで落ちると 約8%の下落。昨日のポンド実効レート終値が 79.78ですので そこから8%下落 → 73.39 つまり 最安値:73.41と ほとんど同じレベルとなり 2番底完了でしょうか
GBP Jan 10
5)ユーロ
一般的な市場参加者は 欧州の金利が 英国より先に引き締めに動く と思っています。しかし 具体的な時期は いつなのでしょうか !? 一番最近のロイター社 80名のアナリストを対象としたアンケートでは ECBが今年6月より前に利上げに踏み切るか という質問に対し (80名中)わずか 6名が 「そう思う」と答えています

悲しいかな、ECBの政策金利は 一番の優等生と落第生 両方を考慮して決定しなければなりません。英国と比べると 欧州大陸のほうが 意外とデフレ懸念が長期化するように思っています。その理由のひとつとしては 落第生国が自国通貨切り下げという手段が取れない為 ECBも その点を考慮し 口先では利上げを示唆しながら 実際の金利上げまでには 意外と時間がかかるかもしれないからです。

それに対し 英国は過去の歴史を遡れば分かりますが 常に他国よりもインフレ懸念と背中合わせの国です。
ですので 万が一 英インフレ懸念が1月のVAT上げ以降も慢性的に市場を脅かすようですと 意外と ユーロに対してポンド下落が起きない という結果に なるかもしれませんね。

個人的には 英財政政策が市場の期待以下に終わってしまい 英格付けが下げられた場合 ユーロ/ポンドは パリティー(1.0000)を越えて 1.02とかまで行ってしまう事も想定範囲として 心に留めております。その場合 ポンドは 現在のレベルから 12~15%も下落する事になってしまい!? ポンド実効レート最安値: 73.41下抜けは 避けられないでしょう

6)英国債(Gilts)
やばいですよね、これは....orz 昨年クリスマス直前に 10年物イールドが4%台突入 とか言って ハラハラ パンダ汗 していたのですが、現在も あまり変わらないレベルにおります(3.97%)
ちなみに 10年債イールド 独 3.25、米 3.74、スペイン 3.887%(全て ブルーンバーグから 今 取ってきた数字です)、これによると イギリスは スペイン以下 という位置づけになっており jumee☆surprise2  市場参加者の英国債に対する「嫌気」が読み取れます。イールドが上がれば当然 政府による利払い額も膨れ上がりますので 借金返済は もっと苦しくなります ガーン  。10年債イールドが4%台で定着 なんて事になると それは ポンド売り材料となってしかるべき と 個人的には思います。英国は量的緩和策が来月で終了される と市場では予想されていますが そうなると 国内、海外の機関投資家さん達に買ってもらわなければなりません。やはり ポンド安でいてくれる方が 英国債にとっては 好都合ですね

7)合併/買収劇
偶然と言うべき出来事が 本日から ロンドンで起こっています。ビジネス相:マンデルソン氏は 本日より シティーの機関投資家達を集めて スピーチをする予定。その目的は 英企業の買収を これ以上 加速させない為にも 機関投資家は 短期的利ざや狙いの株式売却を 控える事。特に 今回は 昨年末から市場を賑わせている英Cadburyに焦点が集まっています。マンデルソン氏は 「英国籍企業の株式を売却する場合 短期的値ざや稼ぎを目的とした売却をせずに 長期的視野にたった決断を乞う」 事を大手機関投資家達に伝える模様です。このミーティングに参加する機関投資家の中には Cadburyの最大株式保有者であるスタンダード生命投資も含まれている様子。
しかし このマンデルソン氏の行動に関しては 機関投資家だけでなく シティーの人間、そして 一般国民も ハテナ?マーク チカチカ絵文字名を入力してくださいですね。

・Cadbury買収話しに乗っかり コバンザメのごとく 同社の株を短期利益稼ぎを目的として売買しているのはヘッジファンドの連中であり 決して 年金運用者などの機関投資家では ない
・一般論として もし 自分が株主であった場合 長期的に見て 買収額が納得出来るものであれば どうして 同社の売却を思い留まらなければ ならないのか?
・私は経済を基礎から勉強した事ありませんので 詳しいシステムは分かりませんが 自由経済のもとで短期にせよ長期にせよ 利ざやを稼ぐ事を禁止するのは 理にかないません。
・「英国籍」に囚われず 世界を舞台に活躍する機会が与えられるのであれば 同社の買収を阻止する事は 単なる国家主義、保護主義を加速させるだけ、プライドも おかしな使い方をすると 足元をすくわれ兼ねません
・年金運用者である機関投資家は 運用に対するリターンを上げるのが 使命である事
・年金運用は長期的視野に基づくのは事実でしょうが 彼等が重要視するのは 株を保有している会社の「次の企業収益予想」であり 決して 5~10年先の予想が最重要視される訳では ない点
・そもそも 英国籍企業の筆頭株主は 英国在住の機関投資家だけに限られている訳では ないでしょう?

買収劇に於いて こんなに長い文章を書く予定では なかったので 最後にまとめますと
ポンド安が加速し 割安感が出れば 当然 海外からの英企業買収話しは出てきます。その場合 買収資金がキャッシュで支払われる件数が多ければ多いほど ポンドの一時的上昇に繋がるのは 当たり前の話しですね

8)各種のポンド予想
ブルーンバーグだったか ロイターだったか忘れましたが 60名以上のアナリストを対象に 毎週 「今週から1ヵ月後のポンド予想」というものをやっているのですが 一番最近の結果では 1.62 (前週は 1.60)となっています。

同じ人達に 6ヶ月、12ヵ月後のポンドレベルを聞いたところ 平均値として 6ヵ月後 1.63、12ヵ月後 1.65 という非常~~~~~~~~~~~~に つまらない結果 ・・・となっています。


これ以外のマクロ経済指標に関しては 2010年に向けて GDP編, インフレ率編, 失業率編, 金融政策 その1 , その2 をご覧いただけると ありがたいです


次回は 総選挙、そして その結果とポンド動向を 自分なりにまとめてみたいと思います。

さてと これから 下の階だけ 掃除する事にしました。ジムに行けないので 少しでも運動しないとね!


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こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2010/01/14 10:00 ] 経済 | TB(-) | CM(2)
いつも有益な情報を発信していただいてありがとうございます。私は商品相場から為替に昨年少しずつ移行し、為替ではポンドも少なからず取引しているので今では私の中でロンドンFXは欠かせないものとなってます。
お体に気をつけてこれからもがんばってください。
[ 2010/01/14 13:36 ] [ 編集 ]
zenさん
コメントありがとうございます

そうですか、商品から為替に移行ですか。私は逆に 為替から商品に手を染めたくてウズウズしていますが 難しそうで 腰が引けています。
たぶん 同じ「相場」という言い方をしてはイケナイほど 動き方、間隔、期間、要因 等が 違うんでしょうね。頑張って下さいね!
[ 2010/01/14 21:59 ] [ 編集 ]
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プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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